九州国際大付、胸を張れ 応援団が惜しみない拍手

6回に1点を返して盛り上がる九州国際大付のアルプス席 拡大

6回に1点を返して盛り上がる九州国際大付のアルプス席

 第96回全国高校野球選手権大会で14日、県代表の九州国際大付は東海大四(南北海道)と対戦し、1-6で敗れた。5点を追う六回に1点を返したが、福岡大会で7試合65得点を奪った強力打線は最後まで鳴りを潜めた。ただ、最後まで諦めずに戦ったナインには、一塁側アルプス席を埋めた応援団から惜しみない拍手が送られた。

 肌を焦がす夏の日差しに負けず、試合前から応援に熱が入るアルプス席。「初回が大事。しっかり抑えろ」-。そんな声が飛び交う中、早くも涙を流すのは先発の富山凌雅投手(2年)の母美薫さん(45)。「息子より緊張しています。どうにか抑えて」。祈りは通じ、初回無失点に抑えると「ヨッシャー」と、こぶしを突き上げ笑った。

 試合が動いたのは三回。5長短打などで4点を先行される。それでも破壊力抜群の打線の爆発を信じるスンドは静まらない。五回、1点を加えられて5点差に。思いもよらない一方的な展開にどよめき始めるアルプス席。だが、3年の永井利寛さん(17)は「ツキがないだけ。絶対に流れが九国に来るはず」と冷静に分析する。

 反撃は六回、2死無走者から。3番古沢勝吾遊撃手(3年)が二塁打を放つと、続く4番清水優心捕手(3年)の適時二塁打で待望の1点を奪う。「よしっ。ナイスバッティングだ。これが起爆剤になってくれれば」と清水捕手の父和基さん(38)は、こぶしを強く握りしめる。

 だが、その後は相手主戦の超スローカーブと130キロを超す直球に翻弄(ほんろう)された。野球部員の3年松元徹平さん(18)は「惑わされるな。厳しい練習を思い出して、いつも通りの打撃を」と声を張り上げる。

 5点を追う九回。笑顔を絶やさず声援を送り続けるチアリーダーの早田琴梨さん(17)は「まだまだいける。底力を見せて」。だが2死、代打青木敬吾選手(3年)が三邪飛に倒れ、試合終了。優勝候補とも言われた九州国際大付の早すぎる夏の終わりに、静まりかえるスタンド。応援団長の衣笠智大さん(17)は、泣きじゃくる選手を見て、目を潤ませた。「重圧の中、精いっぱい全力で戦った。泣かないでいい。胸を張って帰ろう」

=2014/08/15付 西日本新聞朝刊=

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