松中 気迫押し出し 今度は涙なし延長10回サヨナラ

延長10回1死満塁、押し出しの四球を選びサヨナラ勝ち、手荒い祝福を受ける松中(左) 拡大

延長10回1死満塁、押し出しの四球を選びサヨナラ勝ち、手荒い祝福を受ける松中(左)

 最後は「顔」でビビらせた!! 秋山ホークスが劇的(?)なサヨナラ勝ちで、執念の1勝をもぎ取った。3-3で迎えた延長10回1死満塁の大チャンスで、代打のベテラン松中信彦内野手(40)が1999年8月以来、自身15年ぶりのサヨナラ押し出し四球を選び、チームを7カード連続の勝ち越しに導いた。ビハインドの展開を投打が一体となった総力戦ではね返し、きょう15日からの2位オリックスとの3連戦に最高の弾みをつけた。

 ■中3日お立ち台

 ファンの期待を見事に裏切った。「きょうは泣きませんよ。大丈夫です」。そう言って、今季6度目のサヨナラ勝ちに浸るタカ党を爆笑させた。10日の日本ハム戦で最速162キロ右腕の大谷から代打で決勝打。久々のお立ち台で涙を流した松中は、中3日のお立ち台で満面の笑みを浮かべた。

 同点で迎えた延長10回1死満塁。出番が来た。バットを手に一塁ベンチを出ると、球場全体から大きな拍手と歓声が湧き起こった。「いつも大きな声援を送ってくれるファンの存在が有難い」。感謝の思いを胸に、40歳は勝負の打席に入った。

 初球。144キロの真っすぐにバットは空を切った。直球を仕留めることを信条とする男からすれば、明らかなミス。以前の松中だったら結果にとらわれ、気持ちを引きずっていただろう。だが、大谷撃ちで勝負師としての本能を呼び覚ました元三冠王には、かつての勝負勘が宿っていた。

 「初球はストライクゾーンだったら、何でも振るつもりだった。そのあとは、ボール球を絶対振らないと決めていた」

 2、3、4球目と際どいコースを攻められても、打ちたい気持ちをグッと我慢。そして5球目の外角低め直球をしっかり見送り、押し出し四球で勝利に導いた。自身のサヨナラ打点は2009年7月10日の楽天戦以来。サヨナラの押し出し四球になると、レギュラーに定着した1999年8月3日のロッテ戦以来、5490日ぶりだった。

 今カードの初戦。遠征先の熊本へ向かう11日に、ある失態を犯していた。移動は球団の公式スーツを着ることが約束事としてあるが、その日は各自移動だったため、私服のハーフパンツで移動。翌日、球団から厳重注意を受けただけに“みそぎ”の打席でもあった。

 ■延長戦白星先行

 これで今季の延長戦成績は4勝3敗4分と白星が先行。球宴明けは3連勝だ。しかも、右ふくらはぎの肉離れで戦列を離れていた吉村がこの試合から復帰した。当初は15日のオリックス戦からを予定していたが、13日に連勝がストップ。流れを変えるために緊急招集し、7番三塁で即先発起用した。「いいところで安打を出した」。いきなりマルチ安打の吉村に、秋山監督は賛辞を贈った。

 これで後半戦は全7カードに勝ち越し。最高の形で2位オリックス戦に臨む。「連敗して行くよりはね。勝ってよかった」。指揮官が視界に捉えるのは、3年ぶりの頂点だ。 (石田泰隆)

=2014/08/15付 西日本スポーツ=

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