九国大付(福岡)12三振、早すぎる終幕 全国高校野球選手権

初戦敗退し、肩を落とす九州国際大付の選手たち 拡大

初戦敗退し、肩を落とす九州国際大付の選手たち

 V候補が散った-。第96回全国高校野球選手権大会第4日は14日、甲子園球場で1回戦4試合が行われ、九州国際大付(福岡)は東海大四(南北海道)に1-6で敗れ、前回出場した2011年夏に続いて初戦敗退に終わった。相手エースの緩急投法に自慢の強力打線が12三振を奪われるなど不発。6回に3番古沢勝吾(3年)と4番清水優心(同)の連続二塁打で1点を返したのが唯一の見せ場となった。若生正広監督(63)はこの試合を最後に退任。後任の楠城徹新監督(63)の指揮の下で、再び甲子園を目指す。

 持てる力を出し切れないまま散った。初の頂点を目指した九州国際大付の戦いは1試合で終わった。「全国屈指」と評された打線は不発。初回無死一塁ではバントの空振りで一塁走者がけん制死し、2回2死満塁の先制機は飛び出した二塁走者が刺された。「平常心で戦うのは難しい」。通算11回目の甲子園での戦いを終え、若生監督が無念の表情を浮かべた。

 この夏、先制されたのは初めて。福岡大会7試合で7本塁打の強力打線が、東海大四の西嶋にほんろうされた。強打の片りんを見せたのは6回。右翼線二塁打の古沢を、清水が左翼フェンス直撃の二塁打でかえす。「大舞台でも何とか結果を出してやろうという気持ちが感じられた」。若生監督が信頼を寄せる2人の意地がスコアボードに「1」を張り付けた。

 パワーの古沢と柔軟性の清水。「2人とも普通の中学生。体もひょろっとしていた。でも、2人ともよく練習した」。若生監督の述懐だ。好素材の選手が集まったチームの中で誰よりも汗を流した清水は通算35発、古沢は27発を放ち、プロ注目の好選手になった。

 2007年、靱帯(じんたい)が硬くなって脊髄を圧迫する難病「黄色靱帯骨化症」を発症した。日常生活でつえを手放せないが、目の前で選手のトレーニングをさせるなど付きっきりで強化してきた。「監督はノックや手取り足取りでなければ選手と通じ合わないと思っていた。でも、口と手でもなんとかなる」。ベンチで誰よりも大きな声を出すのは若生監督。清水は「上司や先輩からかわいがられる人間になれ」と言われた若生監督の言葉が忘れられないという。古沢は「監督に恩返しができなかった。高校3年間で一番悔しい試合」と唇をかみしめた。

 若生監督が九州で過ごした9年間でプロに送り出した教え子は5人。古沢も清水もプロ志望で、その数は増えそうだ。だが、全国の頂点には立てなかった。「みんなが『監督を日本一に』と言ってくれたが、それがどれだけ大変か、きょうで分かったのでは」。悲願成就の夢を新チームに託し、九州最強の呼び声が高かった強豪の夏が幕を閉じた。

=2014/08/15付 西日本スポーツ=

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