城北逆転、19年ぶり1勝

8回2死二、三塁、左中間に勝ち越しの2点適時二塁打を放った城北・辻上 拡大

8回2死二、三塁、左中間に勝ち越しの2点適時二塁打を放った城北・辻上

4回から登板、8回途中まで無失点の城北・大西

 第96回全国高校野球選手権大会第6日は16日、甲子園球場で2回戦4試合を行い、城北(熊本)が東海大望洋(千葉)に5-3で逆転勝ちし、19年ぶりに初戦を突破した。1点を追う八回にスクイズで追い付き、辻上明将(3年)の2点二塁打で勝ち越した。近江(滋賀)は鳴門(徳島)に8-0で完勝、7年ぶりに初戦を突破した。滋賀県勢は夏通算30勝。盛岡大付(岩手)は東海大相模(神奈川)に4-3で競り勝ち、8度目の出場で初勝利。1点を追う六回に3点を奪って、逆転した。八頭(鳥取)は春夏通じて初出場の角館(秋田)を6-1で破り、11年ぶりに初戦を突破した。

 ●雨の特訓実る

 城北が鮮やかな逆転勝ち。2-3の八回2死二、三塁で辻上が左中間へ2点適時二塁打を放ち、勝ち越した。大西、諸冨の救援陣も粘り強い投球で四回以降無得点に抑えた。東海大望洋は一、三回に峯尾の適時打などで3点を挙げたが、中盤以降は打線がつながりを欠いた。

 泥だらけのユニホームが誇らしげだった。試合中に何度も襲った強い雨にも動じず、城北ナインが1995年夏以来、19年ぶりに大舞台で校歌を歌った。96年から指揮を執る末次監督にとってはうれしい甲子園初勝利。「何物にも替えられない」と声を上ずらせた。

 1点を追う八回1死満塁から、投手の諸冨が1ボールからの2球目にスクイズを試みた。一塁前に転がった打球は水を含んだ土で勢いを失い、同点に追い付いた。「仲間がくれたチャンス。絶対打ってやると言い聞かせた」。続く辻上が外角高めの直球を逆方向の左中間に運び、勝ち越した。

 試合途中で18分間中断するなど断続的に降った雨を味方にした。「雨でも試合はある」という末次監督の考えの下、台風のような荒天でない限りはグラウンドで練習。選手は「指4本でボールを握って送球」「つま先立ちでダッシュ」など雨天用のプレーを体に覚え込ませた。今回、甲子園入りする直前も雨中の紅白戦を実施した。「いつもドロドロになって練習したので雨でも自信があった」。チーム唯一となる九回の失策を反省しながらも、二塁手の辻上はうなずいた。

 ノーシードから強豪を倒して熊本大会を制し、甲子園でも初戦を突破した。次戦は城北にとって初めての1大会2勝目が懸かる。「次はちゃんと歌うので、もう一回勝ちたい」。感激のあまり、声が出なかったという末次監督の横で、選手たちの顔は晴れ晴れとしていた。

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 ●投手陣「勝利の方程式」

 城北投手陣の「勝利の方程式」が、熊本大会と同様に粘り強く試合をつくった。先発安武が序盤に3失点したが、2番手大西が4回1/3を無失点と好投。3番手諸冨が最速140キロの直球を武器に1回2/3を無安打無失点で締めた。「雨で球が滑ったが、気合で投げた。甲子園は三振を取った時の歓声がすごい」。諸冨は初体験のマウンドを笑顔で振り返った。

=2014/08/17付 西日本新聞朝刊=

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