鹿屋中央、輝いた 感動の拍手鳴りやまず

9回、最後までナインに声援を送る鹿屋中央の応援団 拡大

9回、最後までナインに声援を送る鹿屋中央の応援団

星稜に敗れ、応援団へのあいさつに向かう鹿屋中央の選手たち

 第96回全国高校野球選手権大会で18日、鹿児島県代表の鹿屋中央は星稜(石川)と対戦し、1-4で敗れた。全力プレーで大隅半島に悲願の「夏初勝利」を届けた鹿屋中央ナイン。初戦に続き夜通しで駆け付けた地元組を含め、総勢5千人の大応援団は感謝を込めて大きな拍手を送った。感動をありがとう-。

 スクールカラーの青のシャツで埋め尽くされた一塁側アルプス席。延長戦を制した初戦に感動したという曽於市の美容師有川美咲さん(24)は「いても立ってもいられなくなり、仕事を休んで応援に来ました。絶対に勝って」と興奮した様子でエールを送った。

 試合はいきなり動いた。初回、先発の七島拓哉投手(3年)が1点を許す。だが、一回裏2死二塁の好機で、4番木原智史右翼手(3年)が適時打を放ち同点に。「よしっ」。大声で叫んだのは父、俊夫さん(62)。初戦は無安打だっただけに「あいつが打てば周りも波に乗る。流れはこっちだ」とこぶしを握った。

 三回に2点を許し、再び追う展開に。2年連続17回目の出場を誇る強豪が力を見せ始めたが、応援団からは「キバレー」「根性見すっど」と声援が飛ぶ。甲子園入り後、練習場の手配などナインを支えてきた同校OBの会社員宮川兼二郎さん(32)=兵庫県西宮市=は「大舞台で気負わずプレーし、相手投手の球も捉えている。絶対に逆転できる」と期待を込めた。

 六回2死から木原右翼手が二塁打を放ったが、後が続かない。もどかしさが募る応援団からはため息が漏れる。そんな中、汗びっしょりで演奏する吹奏楽部3年の田畑弥生さん(17)は「初戦も終盤の粘りで勝った。まだまだこれから」と笑顔を絶やさない。

 3点を追う九回。6番大田豪一塁手(3年)が左中間へ二塁打を放ち、1死二、三塁。この日最大の好機に、割れんばかりの大歓声がスタンドに響く。1人倒れ、打席には8番山下亮太中堅手(3年)。6球目、引っ張った打球は一塁へ。必死のヘッドスライディングも届かず、鹿屋中央の夏が終わった。

 拍手が鳴りやまないスタンドで、山下中堅手の母、周子さん(48)は目を真っ赤にしてナインをたたえた。「夢のような時間だったよ。仲間、家族、大隅の思いを背負って良く頑張ったね。最高に輝いていた夏を忘れないよ。ありがとう」

=2014/08/19付 西日本新聞朝刊=