中田 入魂完投 登板過多の救援陣救った129球

6回1死一塁、ロッテ・井口を投ゴロ併殺打に打ち取り、グラブをたたく中田 拡大

6回1死一塁、ロッテ・井口を投ゴロ併殺打に打ち取り、グラブをたたく中田

 投げ抜いた!! 中田賢一投手(32)が4年ぶりの完投勝利で秋山ホークスを再びVロードに乗せた。惜しくも完封こそ逃したものの、今季自身ナイター初勝利となる9勝目で7年ぶりの2桁勝利に王手をかけた。チームでは7月1日のスタンリッジ以来となる完投。酷暑の中、入魂の129球で登板過多の救援陣も救った。2位オリックスとのゲーム差は「3・5」に拡大。エース摂津、スタンリッジと形成する右腕トリオが歓喜までの道のりを明るく照らす。

 ■4戦ぶり9勝目

 右腕は確かな手応えと、ほんの少しの悔しさを表情に浮かべた。4年ぶりの完封まであと1アウトだった。それでも秋山ホークスにとっては大きな1勝だ。登板過多気味の救援陣、そして連敗中だったチームを中田が魂の129球で救った。

 「あそこまでいけば、正直、完封したかった。でも、チームの(勝利の)ために投げられたのが良かった」。中日時代の2010年8月8日以来、1476日ぶりの完封はお預けとなったが、そのとき以来の完投勝利に背番号11は胸を張った。

 中日時代に「暴れ馬」とも呼ばれた右腕は、強風が吹き荒れるQVCマリンで“らしさ”全開だった。初回2死から連続四球を与えるなど、今季自己最多の7与四球。「でも、真っすぐでカウントを取れたし、風で変化球が思ったより曲がった。投げていくうちに変化球が使えると思った」。バックスクリーン上部の電光掲示板の風速表示が「8メートル」や「7メートル」となる中での投球を強いられたが、屈しなかった。

 風を利用して大きく落ちるフォークボールを効果的に使った。味方が勝ち越した直後に四死球から自分でリズムを崩した、前回16日のオリックス戦の過ちを犯さなかった。この日2点の追加点をもらった直後の4回はすべて内野ゴロで三者凡退に打ち取った。今季はロッテ相手に3戦3勝。キラーぶりは健在だ。

 2敗1分けだった、ここ3試合はのべ13人のリリーフを投入。前日22日はサファテや五十嵐、森ら6人の救援投手を送り込んだが、延長11回サヨナラ負けを喫した。「投げっぷりが良かった。一人で投げたのは大きい。久しぶりじゃないの」。7月1日のスタンリッジ以来となる完投で苦しい台所事情を救った右腕を秋山監督もたたえた。

 ■ナイター初白星

 4月19日のロッテ戦は8回まで1失点に抑えながら、爪を痛めて9回のマウンドに上がらなかった。今月9日の日本ハム戦は9回に失策から失点。途中降板に唇をかみしめた。ようやく味わった完投の味。しかも、ナイターでは今季5戦目にして初白星だ。中田の睡眠時間は約8時間。これまでは日付が変わる前には眠りに就いていたが、ナイターだと起きてから時間を持て余してしまうため、前回の登板前から就寝タイムを午前2時ごろに変更した。起きている間は映像で自身の投球を確認。こうした努力も好投につながった。

 8月初勝利で9勝目。14勝を挙げた2007年以来となる2桁勝利に王手をかけた。「これからは一試合一試合が大事になる」。シーズン最終盤、さらにはポストシーズンに欠かせないFA右腕が勝負の秋をにらんだ。

=2014/08/24付 西日本スポーツ=

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