タカ、延長12回サヨナラ負け 城所まさかの後逸

9回1死一塁、楽天・銀次の打球を後ろにそらす城所 拡大

9回1死一塁、楽天・銀次の打球を後ろにそらす城所

 何とも後味の悪い8月最終戦だった。1点リードの9回、ホークス守備陣に痛恨のミスが生まれた。抑えのサファテが内野安打で1死一塁とすると、続く銀次の左前打を守備の名手城所がまさかの後逸。この拙守で追い付かれ、延長12回に今季5度目のサヨナラ負けを喫した。9月は2日から1・5ゲーム差の2位オリックスと本拠地で首位攻防3連戦。ミス撲滅で仕切り直しだ!

 ■「僕のせいです」

 右翼席から送られる拍手が痛々しかった。敵地仙台での今季最終戦。延長12回を戦い終え、今季5度目のサヨナラ負けを喫したナインは足取り重そうに一塁ベース付近まで歩を進めた。一年間、熱い声援をもらった東北のファンに感謝の意を伝える“儀式”は、まるで懺悔(ざんげ)しているような光景だった。

 1点リードの9回1死一塁。目を覆いたくなるようなプレーが飛び出し、守護神サファテを送り込んでの逃げ切りに失敗した。楽天銀次の打球はフラフラと左翼前へ。決して無理する必要のない場面。だが、この回から守備固めで左翼に入っていた城所は猛然とチャージをかけ、あろうことか、体に当てることさえできずに後逸した。

 ボールは左翼フェンス手前まで達し、代走の一塁走者・阿部が一気に生還。試合は振り出しに戻った。「僕のせいです…」。試合後、城所は顔面蒼白(そうはく)のまま、この言葉を絞り出すのがやっとだった。11年間、守備と走塁を武器に戦ってきた男のプライドにかけて、途中まではノーバウンド捕球に全力を注いだのかもしれない。だが、守備と走塁で生き抜く男だからこそ、重圧がかかる場面でのミスが許されないのも事実だ。

 ■直接6分“説教”

 延長12回。5番手森福が松井稼に中越えのサヨナラ打を許し、今季初の3カード連続負け越しが決まった。勝利まであと2死、引き分けまであと1死と迫りながら逆転負けに、秋山監督の表情は当然ながらさえない。

 「状況判断ができてない、状況判断が。勝ってての状況判断。バッテリーも状況判断。守備も状況判断。状況判断が(試合の行方を)左右する」

 あきれ顔で同じ言葉を何度もつぶやく姿に、やり場のない思いが伝わってくる。指揮官は試合直後、痛恨のミスを犯した城所を監督室に呼び出し、6分もの“説教”まで行った。城所は8月23日ロッテ戦でも、9回2死一塁から左中間寄りの打球を止め損ね(記録は三塁打)、中田の完封を消している。同じ失敗の繰り返しに、我慢は限界に達していた。

 笘篠外野守備走塁コーチも「何でもないあたり。何も無理する必要はないんだよ。普通のレフト前ヒットでOK。何を血迷ったか」と辛辣(しんらつ)な言葉を並べた。試合時間4時間41分の末の取りこぼし。2日からは本拠地で2位オリックスとの首位攻防3連戦だが、この天王山も1・5ゲーム差のまま迎えるはめに。この1敗が、ペナントの行方を左右しないことを祈るばかりだ。 (石田泰隆)

=2014/09/01付 西日本スポーツ=

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