昇格の吉村、代打で今季1号。12球団全てからホームラン達成

 代打劇弾で12球団制覇だ! 昇格2戦目の吉村裕基外野手(29)が、豪快アーチでリベンジを果たした。2点を追う8回に代打で登場すると、28日の9回2死満塁で空振り三振を喫した豪腕ソーサから左翼席上段へ同点の今季1号2ラン。12球団からの本塁打は史上28人目で、ホークスでの達成は多村(現DeNA)、内川に続く3人目の快挙。2008年以来となる3試合連続延長戦は延長11回サヨナラ負けを喫したが、吉村の一発は消化不良が続く打線のカンフル剤となりそうだ。

  確かな感触を両手に残したバットを、高々と投げ上げた。2点を追う8回2死一塁。左翼ポール際へ高々と舞い上がった放物線を、吉村が「どうだ!」と言わんばかりの表情で見つめた。今季1号2ランは、史上28人目の12球団制覇弾。古巣相手に初めて放ったアーチをかみしめるようにダイヤモンドを一周した。

 秋山監督の思いを強く感じていた。「昨日チャンスで三振したのに、今日も使ってもらった。同じ失敗をするわけにはいかなかった」。昇格即スタメンだった28日は4打数1安打1打点ながら、同点の9回2死満塁で空振り三振。その時マウンドにいたソーサに代打でぶつけてくれた指揮官に、豪快な一発で応えた。

 移籍1年目の昨季もチームが不振に陥っていた中、4月27日のロッテ戦に1軍初昇格。移籍初打席で成瀬から豪快な1号ソロを放ったが、最終的に36試合の出場で、打率1割9分4厘。期待に応えられずに不本意なシーズンに終わった。

 名誉挽回を期した今季は、春季キャンプで本格的な三塁の守備練習を開始した。「球を飛ばす力はあるんだから、(松田を)脅かす存在にならないと」と指揮官に厳命されたが、オープン戦では松田を脅かすほどの結果は残せず、開幕から2軍生活が続いた。

 悔しい日々でうれしい発奮材料に出会った。10日ほど前、新聞紙上で自身と交換トレードになったDeNA多村が「吉村に頑張ってほしい」とコメントしているのを見つけた。「多村さんはいつも気に掛けてくれる。交流戦までに上がりたい」。21日からの出場3試合で1本塁打を含む5安打7打点と結果を残し、1軍にはい上がった。

 昨オフに日本球界では異例の東南アジア自主トレを計画していた。「もう少し活躍してから」と実現はしなかったが、温暖な地でトレーニングをしながら、野球発展途上国の子どもたちに野球を教える夢がある。試合後は、親交のあるDeNA金城の小学生の息子2人に偶然に会うと優しく2人の頭をなで、バッグから打撃用の手袋を取り出してプレゼントした。

 2008年以来の3試合連続延長戦となった試合は、延長11回に痛恨のサヨナラ負け。吉村も「みんな必死でやっているので、勝ちたかった」と悔しさを隠さない。気は優しくて力持ちの大砲が、次回こそ一発でチームに白星を運ぶ。

 (倉成孝史)

=2014/05/30付 西日本スポーツ=

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