今宮が逆転サヨナラ打、9回2死からミラクル4点

 でかした1、2番! 土壇場で逆転サヨナラ勝ちだ。3点を追う9回2死満塁、中村晃外野手(24)が2点二塁打。1点差に迫ると、今宮健太内野手(22)が二、三塁から左中間へ2点二塁打を放ち、今季3度目のサヨナラ勝利だ。エース摂津の乱調でリードを許す苦しい展開から最後の最後でひっくり返すミラクル勝利。さあ、ここから大きな波に乗っていくぞ!

 屋根が閉め切られた直後の9回に大きなドラマが待っていた。1点差に迫り、なおも2死二、三塁。熱気に満ちた歓声に“主演”の22歳、今宮は覚悟を決めた。「すごい応援が聞こえてきて。ここで打たないと男じゃない」。得意の内角低めに入ってきた岩瀬のスライダーを振り抜き、左中間を破る逆転サヨナラ二塁打。右拳を突き上げた。

 歴代最高の通算393セーブを誇る守護神から3点差をひっくり返した逆転劇。鳥肌ものの幕切れにつなげた“助演”は24歳の中村だ。2死満塁からシュートを左翼線に落とす技ありの2点二塁打。望みをつないだ一打が今宮を勇気づけた。「みんながつないだチャンス。自分も(柳田に)つなぐつもりだった」

 2ボールから左足への自打球もきっかけになった。「振りすぎてると思った」。痛みが引くのを待つ間にスイングを修正している。屋根が閉まったこともプラスに働いた。「(オープン中は)レフトへの打球が伸びてなかった。閉まってて良かったです」と笑った。

 敵地での阪神戦を終えた10日、この1、2番はそろって朝一番の新幹線で福岡に戻って休養に努めた。常にベストな状態を保とうとする意識の表れだが、根底にあるのは危機感だ。中村は3割5分を切っている出塁率に満足できず「目の前の試合で結果を出すだけ」と1打席に集中する。

 今宮は2割台前半の打率アップを追求。5月31日のヤクルト戦で打撃不振のため途中交代させられた。球宴のファン投票中間発表でパ・リーグ遊撃部門のトップに立っても「誰もが(打率を上げなければと)思っているだろうし、自分が1番感じている」と変わらない。2人とも早出特打が日課だ。

 3番柳田と4番李大浩が8回までに計6度も得点圏に走者を置いて凡退。あと1本が出ない負けパターンにはまっていただけに、秋山監督は「野球は最後のアウトを取るまで分からん。いい勝ち方だったね」と大きな1勝の価値をかみしめた。

 今宮のサヨナラ打は4月3日の日本ハム戦以来、今季2度目。「昔は(サヨナラの場面で)緊張していたけど、今はワクワクしている」と精神面での成長を実感した。「いつも『これをきっかけにする』と言いながら、実行できていない。今度こそ結果を出し続けたい」。今宮がヤフオクドームで打点を挙げれば引き分けを挟んで17連勝。不敗神話を伸ばして交流戦とリーグのW優勝を引き寄せる。 (末継智章)

=2014/06/13付 西日本スポーツ=