新垣、電撃トレードでヤクルトへ

 さらば、渚…。福岡ソフトバンクの新垣渚投手(34)、山中浩史投手(28)とヤクルトの川島慶三内野手(30)、日高亮投手(24)の2対2の交換トレードが成立し、20日に両球団から発表された。背番号は川島が35、日高が40に決まった。沖縄水産高、九共大を経て2003年にドラフト自由獲得枠で入団した新垣は、ここまで通算60勝をマーク。背番号18を背負い、12年にわたって奮闘を続けた右腕は、実績十分ながら今季は出場機会に恵まれず、前半戦セ・リーグ最下位で投手陣の立て直しが急務のヤクルトで「再スタート」を切る形となった。

  ファンに愛された背番号18がホークスを去った。後半戦開幕前日の20日。ヤクルト移籍が決まった新垣は、ヤフオクドームであった1軍全体練習に山中とともにスーツ姿であいさつに訪れた。

 「12年間やってきた福岡を離れるのはつらいが、野球人として1軍でやるのが一番大事。再出発という思いで頑張りたい」。チームメートに語り掛けた。寂しさはある。だが野球選手として、もう一度輝きたいという覚悟と決意を、晴れ晴れとした表情で丁寧に語った。その後向かった雁の巣球場では、2軍の選手らに胴上げされた。

 150キロを超える直球と高速スライダーを武器に1年目の2003年から8勝(7敗)をマーク。斉藤和巳氏(本紙評論家)、杉内俊哉(巨人)、和田毅(カブス)とともにホークスの4本柱として長く先発ローテーションを支えた。04年からは3年連続2桁勝利。06年には自己最多の13勝(5敗)を挙げた。

 ここ数年はけがに悩まされた。それでも約3年ぶりの1軍マウンドとなった2012年4月1日には、本拠地でのオリックス戦で1失点完投し、1273日ぶりの白星。不死鳥健在をアピールした右腕は、お立ち台で涙を流した。記憶に残る選手だった。

 昨季は1勝止まり。「肩が壊れてもいい覚悟で」と不退転の思いで今季を迎えた。だが先発陣の補強が進んだ上に、飯田や東浜など若手の成長も著しく、新垣はキャンプから2軍暮らしが続き、1軍のマウンドには立てなかった。「チームに貢献できていなかった」。責任感の強い右腕は申し訳なさそうに振り返る。

 移籍先のヤクルトは先発陣の層は厚くない。また一花も二花も咲かせられるかもしれない。秋山監督も「請われていくわけだから。チャンスをつかんでほしい」と新天地での活躍に期待した。

 ホークスで過ごした12年間で一番の思い出は、03年に日本一となり、当時の王監督(現会長)を胴上げしたこと。「失うものは何もない。一勝一勝、積み重ねていきたい」。セ・リーグで再び輝きを取り戻し、福岡のファンにも「渚スマイル」を届けてみせる。

=2014/07/21付 西日本スポーツ=

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