お帰りホークス 生誕の地、大阪も熱く

ホークスのユニホーム姿で気合を入れる大阪のホークスファンたち。立っているのが店長の武知義一さん=24日夜、大阪市中央区 拡大

ホークスのユニホーム姿で気合を入れる大阪のホークスファンたち。立っているのが店長の武知義一さん=24日夜、大阪市中央区

 「お帰り、ホークス」。25日に開幕するプロ野球・日本シリーズで阪神タイガースと対戦する福岡ソフトバンクホークスはかつて、大阪が本拠の南海ホークスだった。福岡に移転して25年がたった今でも、虎党に負けじと声援を送るタカファンが大阪には存在する。ファンが集うバーでは、南海時代を知る世代が頂上決戦を待ちわびる。「大阪で日本一になるのを見られたら最高や~」。その熱気は、福岡に引けを取らない。

 グリコの看板でおなじみの大阪市中央区道頓堀。熱狂的なタイガースファンが集まる、あの場所だ。その一角に、ホークスファンが集まるバーがある。その名も「難波のあぶさん」-。

 ドアを開けると、ずらりと並んだホークスの歴代ユニホームが目に飛び込んできた。広瀬、藤本、高柳、森脇…。往年の名選手の名前入りだ。「選手たちからもらったんや。買ったもんは一つもないで」と、店長の武知義一さん(63)が迎え入れてくれた。

 高知県出身の武知さんは、1972年から市内で営んでいた土佐料理店に選手たちが通うようになったのが縁で、ホークスを応援するように。開店直後、ホークスにドラフト外で入団した酒豪の強打者、景浦安武が主人公の漫画「あぶさん」(水島新司さん作)が始まった。6年前にバーを開業する時、迷わず、その名を入れた。店では常連のホークスファンが野球談議に花を咲かせる。

 1947年誕生した南海ホークス。「子どもの頃は本当に強いチームやった」。ファン歴50年という小畑稔さん(58)は、野村克也さんが戦後初の三冠王に輝くなどした60年代の黄金時代を鮮明に覚えている。だが関西での人気はテレビ中継があるセ・リーグのタイガースに集まった。「球場はガラガラ。ヤジがよく通った」。野村さんの名せりふ「おれはひっそりと咲く月見草」の意味はよく分かる。

 万年Bクラスの低迷期が続いた80年代からのファンという武川敬一さん(44)は「強くても弱くても、なんか魅力があんねんな」。オーナー交代を繰り返しながら、戦い続けるチームはタフに見える。

 88年、福岡移転が決まると「心にぽっかり穴が開いた」と皆、口をそろえる。北九州市出身で大阪在住30年の猪俣道治さん(48)は「でも熱いファンに迎えられたし、結果的には福岡に行ってよかった」。

 大阪でのホーム最終戦。当時の杉浦忠監督は、長嶋茂雄さんの引退の言葉になぞらえて「ホークスは不滅です。行ってまいります」と言った。「ホークスはどこに行こうとホークス」と一途な大阪のファン。

 タイガースとの日本シリーズの対決は11年ぶり3度目。店を一歩出れば、タイガースファンばかりだが、「生誕の地で優勝を見届けたい」と気合十分だ。

=2014/10/25付 西日本新聞朝刊=

PR

PR

注目のテーマ