【SB和田コラム・3】しっかりやっておけば良かったこと

 プロ野球・福岡ソフトバンクホークスの和田毅投手(35)が野球について語る西日本スポーツのコラムは、第1回で少年野球の指導方針、第2回で子どもたちが野球できる環境について、和田投手が本音を語りました。そして第3回は…

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 僕が小さいころに「もっとしっかりやっておけば良かった」と思うことを紹介しておきます。それは食事です。「たくさんご飯を食べなさい」「しっかり食べなさい」…子どものとき、そう言われた意味を、しっかり理解していませんでした。

 僕はずっと体が小さかったんです。身長は小6で142センチ、中3の春でやっと161センチ。背が伸び始めたのは中3の途中ぐらいからで、成長期がきたのも遅かった気がします。大学入学時が175センチで、今ぐらいに身長が落ち着きだしたのが、3年時ぐらいでした。

 しっかり栄養を勉強していれば。知識があった上で食事を取っていれば。もっと背が伸びていたかもしれないし、体ももう少し大きくなっていたかもしれない。もちろん「可能性」の話なんですけどね。意識して食事を取っていれば、もっと自分の体は大きく、強くなったんじゃないかという思いはあります。もっと速い球、いい球を投げられていたんじゃないか、と。

 食べるときに意識するのと、しないのでは全く違ってくる。家庭の経済事情にもよるとは思いますが、シンプルに言うと、たくさん練習したら、たくさん食べる。これが大事だと思います。いつもはご飯1杯だけど、たくさん練習した日は2杯とか。そう意識するだけで得られる栄養の量はものすごく増えるので。

 「疲れて食べるのもしんどいから、これぐらいでいいや」。こうなりがちです。実際、僕もそうでした。好きなときにお菓子も食べましたし、夏バテみたいになって冷たいものを食べたり。高校では練習後に、プロテインを混ぜた牛乳が出ましたけど、進んで飲んでいたのは単に喉が渇いていたから(笑)。上の学年にならないと、水を飲ませてもらえませんでしたから…。栄養を考え始めたのは、大学に入ってからです。

 学年が上がれば、読めるものが増えて、得られる知識は増えてきます。強いチームに入れば知識も得やすくなるでしょう。ただ、子どものころは絶対的に、得られる知識が限られます。そこで大事なのが、周りのサポート。周りが意識してあげる。直接的には親御さんなのですが、少年野球チームの指導者の方が果たす役割も大きいと思います。

 例えば、子どもたちが指導者の方から栄養について教わり、興味を持つ。「…って言われたんだ」と子どもたちに伝えられ、親御さんも「じゃあ、そうしてみようか」と興味を持ってくれる。だから、指導者の方にそういう知識があるかないかで、大きく変わってくるかもしれないですね。

 指導者の方がどれだけの知識を得ているかで、子どもたちのベクトルは変わってくる。どういう信念、理念を持って指導されているか。幸い、今は、栄養について勉強されている指導者の方も多いと思いますが、何か一つ、競技団体が無償で公開するマニュアルみたいなものがあれば、と思います。小、中、高、大…と、年代に合わせた栄養の取り方をまとめたような。

 目標は人それぞれだと思いますが、あくまで今の僕の意見なので、野球でどんどん上を目指したい人向けの話になりました。今回は、その点をご理解いただければと思います。 (福岡ソフトバンク投手)

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