競輪 九州地区新人紹介(男子103期)

小川賢人 拡大

小川賢人

市橋司優人 永田秀佑 新納大輝

 今春、日本競輪学校(静岡県伊豆市)を卒業した103期生の35人が、7月に全国各地で初陣を迎える。地元の九州からは、小川賢人(おがわ・けんと=福岡・28歳)、市橋司優人(いちはし・しゅうと=福岡・21歳)、永田秀佑(ながた・しゅうすけ=長崎・21歳)、新納大輝(にいろ・だいき=鹿児島・23歳)の4人がデビュー。飛躍を誓って猛練習に明け暮れる若侍たちの素顔に迫った。(森川和也)

※年齢、登録地は2013年7月2日現在。

曲折経て父と同じ道へ

▼小川賢人
 太い眉毛にハッキリとした顔立ち。それでいて『久留米の小川』と聞けば…。そう、小川賢人の父は、24年前にG1ダービーを大捲りで制した小川博美(43期、引退)だ。

 すでに28歳。世に言うところのアラサーは、大学時代に社会科の教員免許を取得。だが、教育実習中に「教壇へ立ち、生徒たちに教える側になるにしても、人間としての引き出しが少ない」ことを痛感。そこで1年3カ月の米国留学を実行。できる限りの人生経験を積んで帰国したのだが、今度は、教員採用の枠が極端に少なく、先生になること自体が厳しいという現実に直面した。

 それならばと、大学時代に失敗した競輪選手への再挑戦を決断。「一度だけの人生だし、やってみよう」。103期生の中で5番目の年長者の人生にはさまざまな曲折があったが、晴れてデビューを迎えた。

 目標は「父が1度しか取れなかったG1を2個以上は取りたい」。父を超え、歴史にその名を刻む挑戦がスタートする。

 夢はプロ野球選手。しかしそれも、県大会に出られるかどうかのレベルでは厳しい。市橋司優人は、そう悟った高校2年の終わりごろ、いつものように自転車で帰宅していると、北九州メディアドーム(小倉競輪場)の明かりが目に入った。「へえ、ナイターで競輪をやっているんだ」

接点ゼロから飛び込む

▼市橋司優人
 以前、競輪グランプリのテレビ中継を偶然見たことがあった。「自転車に乗った選手が、1億円を懸けてものすごいスピードでぶつかり合う。すごい!」。体中に電気が走るほど感動したことを思い出したが、「野球でダメだった自分が、プロの競輪選手になれるわけがない」と心の中で否定した。

 でも、挑戦したい。日に日に強くなる思いを抑えきれず、ついに小倉でレース観戦。そして、顔見知りになった競輪ファンを通じて、場内のガイダンスコーナーで働く選手OBに「競輪選手になりたいんです!」と懇願し、自転車の道へ。

 競輪との接点ゼロから将来を開拓した、その心意気に“あっぱれ”だ。

過酷な通学で心身鍛練

▼永田秀佑
 小さい頃から、競輪好きの父親と佐世保競輪場を訪れていた永田秀佑に、将来の迷いはなかった。「気付いた時には自転車好きだったし、競輪選手を職業にしたいって思っていました」。そのために、プロを数多く輩出している龍谷高(佐賀)に進学。夢の実現のためには、隣の県だろうがお構いなし。さらに、過酷な自転車通学で自らを鍛え上げた。

 「1年生の時は下宿先の武雄からでしたが、2年からは実家の佐世保から自転車で通いました」。その距離、実に片道80キロ。さすがに毎日ではなく週に数度だったそうだが、一般人が聞けばめまいを起こしそうな途方もないトレーニング。脚力と精神力はここで備わった。

 観戦歴が長いためか、理想とする選手像も昨年の賞金王の村上義弘と明確だ。「あんなにファンからの信頼が厚い選手はいない。勝っても負けても、みんなが納得のいく走りをしてくれる」。今の自分には、そんなパワーがないと自覚する。だからこそ高い目標を掲げ、自己鍛錬を怠らぬようにと心に誓う。

高い能力を備えた大器

▼新納大輝
 高校時代に総体のケイリンで2位の新納大輝は、大学でも学生選手権のスプリント、全日本アマのチームスプリントで優勝するなど、数々の実績を引っ提げて競輪学校に入校した。競走訓練では「勝つことよりも将来を見据えて」積極的な走りにこだわったため、61走で5勝。だがその成果で、持ち前のスピードに加えて地脚もアップ。随所に大器の一端をのぞかせた。

 ところが3月の卒業記念レースの直前、右膝に痛みが走った。「今までに一度もなかった」。学校最後の競走をしっかり走って終えたい気持ちはあった。だが、まだ始まってもいない競輪人生。「好きな自転車で稼ぐことを考えると…」。無理をしない方が良いのは明白だった。卒業記念出場を回避し、静養に充てた。「休んでいたからスピードが落ちていると思うので、焦らずに基礎からつくり直したい」。今はひたすらに下地を塗り固めるが、それは決して遠回りではない。この作業こそが、将来の活躍を支えるためのプロの仕事だ。

******第103期九州勢******
小川賢人(福岡)1985年5月6日生=28歳 174cm73kg 血液型O
 <出身地>久留米市 <出身校>八女工高-久留米大 <練習地>久留米
 <在校時タイム>200m11秒42 400m23秒34 1km1分9秒13 3km3分48秒63
 <在校時成績>1~3着・着外11-13-5-42=19位 卒業記念1、3、5、5
 <師匠>小川博美(引退)

市橋司優人(福岡)1992年6月30日生=21歳 177cm78kg 血液型A
 <出身地>北九州市 <出身校>門司大翔館高 <練習地>小倉
 <在校時タイム>200m11秒30 400m23秒06 1km1分10秒25 3km4分8秒47
 <在校時成績>1~3着・着外4-8-11-43=23位 卒業記念5、2、5、2
 <師匠>藤井克衛(引退)

永田秀佑(長崎)1992年3月28日生=21歳 171cm78kg 血液型A 
 <出身地>佐世保市 <出身校>佐賀・龍谷高 <練習地>佐世保
 <在校時タイム>200m11秒34 400m23秒71 1km1分10秒22 3km3分52秒65
 <在校時成績>1~3着・着外9-10-17-36=18位 卒業記念7、6、3、2
 <師匠>未定

新納大輝(鹿児島)1989年9月29日生=23歳 166cm69kg 血液型B
 <出身地>奄美市 <出身校>鹿児島実-鹿屋体大 <練習地>根占
 <在校時タイム>200m11秒48 400m23秒29 1km1分9秒69 3km3分48秒40
 <在校時成績>1~3着・着外5-8-11-37=21位 卒業記念出場せず
 <師匠>前田義和(94期)

*104期の全生徒36人の平均タイムは、200m11秒44、400m23秒60、1km1分9秒95、3km3分55秒69

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