有田工 粘りで競り勝つ 声援背にのびのびプレー

7回に1点差に詰め寄る2点目を上げ、拳を突き上げて喜ぶ有田工の応援団=8日、甲子園球場 拡大

7回に1点差に詰め寄る2点目を上げ、拳を突き上げて喜ぶ有田工の応援団=8日、甲子園球場

 8日に始まった第95回全国高校野球選手権大会の開幕試合で、有田工は大垣日大(岐阜)に5-4で競り勝った。終盤に3点差をひっくり返す痛快さ。佐賀大会に続く粘り強さ。三塁側アルプス席の応援団は、初出場での初戦突破に沸いた。

 ◆序盤は上々

 「立ち上がりをしっかりしたい」と語った植松幸嗣監督。それに古川侑利投手(3年)が応えた。初回を3人で打ち取ると、二、三回も安打を許さず三者凡退に。「緊張していないようで良かった。直球も伸びがある」と父の雄一さん(49)。

 守りも堅く支えた。二回、川元空一塁手(3年)は右前に抜けそうな打球に手を伸ばし好捕、出塁を許さない。「1球捕ったからリラックスしてくれるといいけど。こっちの方が緊張します」と母の美春さん(43)。

 古川投手は序盤を無失点で切り抜け、四回に先制を許す。五回にも安打と失策で2点奪われた。岩永悠太郎選手(3年)の父史男さん(48)は「心配ない。これからこれから」。

 ◆反撃を開始

 反撃は七回から。1死二塁から6番桑原耕生主将(3年)と7番川元一塁手の連続安打で2点を返し1点差。応援団は肩を組み校歌を熱唱。桑原主将の母リカさん(43)は「これでチームに勢いが出てほしい」と祈るようだ。

 願いは八回に通じた。2死一、三塁から5番の仙波康弥右翼手(3年)が左中間を破る適時二塁打で逆転。「やった」。応援も最高潮。皆、抱き合って喜んだ。大歓声が背を押したのか。6番桑原主将も右前適時打で追加点。仙波右翼手の父宏さん(39)は「打撃の調子は上向いていたが…。体が震えた」。

 最終回。1死ごとに応援団は「おー」と歓声を上げる。古川投手が最後の打者を自己最速148キロの直球で見逃しの三振を奪う。ガッツポーズの古川投手。選手たちは肩をたたき合った。

 県勢は1994年の佐賀商と2007年の佐賀北が開幕戦を制して勢いに乗り、全国制覇を遂げている。「全く負ける気がしなかった」。試合後の選手たちからは、3度目の全国制覇をも期待させる言葉が返ってきた。

=2013/08/09付 西日本新聞朝刊=