目指せ和製ボミ 渋沢莉絵留 20日開幕日本女子アマゴルフに初出場

 和製ボミへ、九州から羽ばたけ! スターへの登竜門でもある第59回日本女子アマチュアゴルフ選手権(20~23日、奈良国際GC)に、福岡・沖学園高2年の渋沢莉絵留(りえる)=北山=が初出場する。5月の九州女子選手権(古賀GC)で3位に入って出場資格を得た16歳は、2年連続賞金女王のイ・ボミ(28)=韓国=のコーチを務めるチョ・ボムス氏(64)の指導で実力急上昇中。女子ツアープロ並みの260ヤードの飛距離とチャーミングな笑顔で、ニューヒロイン誕生の予感を漂わせている。

ボミ専属コーチ「チョ・ボムス氏」の指導で才能開花

 けれん味のないショットが高校生離れしたロングドライブを生む。昨年まで1Wで240ヤードだった渋沢の平均飛距離は、現在250~260ヤード。イ・ボミを指導しているチョ氏に昨年12月からチェックを受け始め、トップからの切り返しを含めて動作に無駄がなくなった。推薦で初出場した5月のほけんの窓口レディース(福岡CC)の前には、一つの夢がかなった。「落ち着きがあって心が強い。技術も資質を備えている」とポテンシャルの高さを認めるチョ氏の橋渡しで、憧れの人との練習ラウンドが実現した。

 イ・ボミを何度かオーバードライブしたことで手応えを感じた一方、どの番手でも一定のリズムで振る姿に、目指すべき姿を再認識したという。「特に勉強になったのがコースチェックのやり方」。過去の試合から、カップを切られそうな場所を数カ所想定し、グリーンを外した際の寄せを徹底して練習。「スマイルキャンディ」の愛称を持つ賞金女王の勝負師としての一面を見た気がした。貴重な経験はツーショット写真とともに大切な“お宝”となった。

 ほけんの窓口レディースは77、75の通算8オーバー、76位で予選落ち。カットラインに4打及ばなかった。パット数はいずれも32。「ハーフ15以内の20台後半でいけなかった」。ツアー仕様の速いグリーンに戸惑い、距離感が合わずにカップオーバーを繰り返した。直後に行われた九州女子選手権でもパットに苦しんだが、難コースの古賀GCで3日間とも77でカバーし、3位に入った。

 目標に向かって黙々と汗を流すことをいとわない。「ゴルフに役立つから」と中学時代には陸上部に所属。プロを目指す上で「関東より日が長いので、いっぱい練習できるから」と高校は九州の沖学園高を選んだ。同校伝統でもある早朝6時半からの朝練ではランニングを含めたトレーニングで下半身が“たくましく”なった。「太ももとか『パツパツ』になって…」と恥じらいの笑みを浮かべるが、パワーの源になっているのは紛れもない事実だ。

 昨年の九州女子選手権を制した後藤未有(16)=鷹羽ロイヤル=は、高校のチームメートであり、同級生。お互いにライバルと認め合い、日々切磋琢磨(せっさたくま)している。「日本女子アマは全国から強い選手が集まってくると思うけれど、攻めるところと守るところのメリハリをつけて、やる以上は勝ちたい」。成長過程で臨む大舞台の貴重な経験は、16歳のスター候補生の血肉になる。

福岡で「第2のボミ」育成 チョ・ボムス氏をコーチにアカデミー開設


 イ・ボミの専属コーチを務めるチョ・ボムス氏を招聘(しょうへい)し、プロゴルファーの育成を目的としたアカデミーが5月、福岡市に誕生した。拠点は同市博多区博多駅前4の4の21のインドア練習場で、最新設備を導入。近隣のゴルフ場とも提携しており、チョ・コーチにスイングの基本を学べるほか、ラウンドのゲームプラン、メンタルトレーニングとメソッドは多岐にわたり、渋沢も受講生の一人。アカデミーでは現在、ジュニア(15歳以上の男女)をメインに15人程度募集している。問い合わせは、アカデミーを主宰するエンバイロメント・プロダクト・カンパニー(EPC)=092(260)3468。EPCでは今季から男子プロで若手注目株の時松隆光とマネジメント契約を結んでいる。

渋沢莉絵留(しぶさわ・りえる

経歴

 2000年(平成12)12月24日生まれの16歳。群馬県出身。9歳からクラブを握り、同県太田市の宝泉中では3年時の15年に関東中学ゴルフ優勝。沖学園高では1年時の16年秋に行われた九州高校ゴルフ選手権新人戦で女子個人の部優勝。身長159センチ

名前の由来

 母の麻由美さん(48)によると「物事を冷静に判断できるよう、悟『りを得る』ような人間になってほしい」との理由で命名

ベストスコア

 今年5月5日の九州ジュニアゴルフ選手権・福岡県南部地区選考会(夜須高原CC)でマークした66。ティーグラウンドを間違えて科せられた2罰打がなければ64だった

セッティング

 ドライバー(Sシャフト)、3Wが210ヤードで、以下10ヤード刻みで5W、7W、4Uと続く。アイアンは5I~PWで、ウエッジは50度と58度。好きなクラブはパター

好きな言葉

 努力に勝る天才はなし。小中学生時代に通った群馬のアカデミーの女性コーチから、中学卒業時に贈られた手紙に記されていた。壁にぶち当たってくじけそうなときは読み返して心を奮い立たせる

リラックス法

 男女6人組のアーティスト「AAA(トリプルエー)」の西島隆弘の透き通った声に浸ること


 ほけんの窓口レディースでキャディーを務めた田中宏明氏(59)北山ゴルフアカデミー学長によると「プレーが堂々としていて臆するところがない。ある意味、プロよりもプロらしかった。パッティングでオーバーもあったが、プロラインで攻めていく姿勢も彼女の魅力。飛ばせるし、ピンに絡むアイアンショットも含めてオールラウンダー」

日本女子アマチュアゴルフ選手権競技

 1953年に始まり、59年から日本ゴルフ協会主催。2000年から15年までは、ストロークプレー2日間の上位32人が3日間のマッチプレーに進出する計5日間の大会だったが、昨年から4日間のストロークプレーとなった。歴代覇者は清元登子、大山志保ら。日本ジュニアとの2冠は上原彩子、宮里藍、宮里美香、諸見里しのぶ、比嘉真美子、勝みなみらが達成している。昨年6月の大会(福島・グランディ那須白河GC)では高橋彩華が優勝し、同年秋の日本女子オープンを史上初めてアマチュアとして制した畑岡奈紗が2位。今年の優勝者は日本女子オープン(9月28日~10月1日・千葉・我孫子GC)の出場権を得る。

=2017/06/16付 西日本スポーツ=

PR

ゴルフ アクセスランキング

PR

注目のテーマ