「感動ありがとう」 準V「宮崎の底力示す」

最後まで熱い声援を送った延岡学園の応援団 拡大

最後まで熱い声援を送った延岡学園の応援団

宮崎県勢としては過去最高の準優勝を成し遂げ、スタンドから声援を受ける延岡学園ナイン

 第95回全国高校野球選手権大会で宮崎県代表の延岡学園は22日、決勝で前橋育英(群馬)と対戦、終盤に逆転を許し3-4で惜敗した。悲願の県勢初優勝には、あと一歩届かなかった。しかし、ユニホームカラーと同じ桜色に染まった三塁側アルプス席からは、初の決勝で熱いプレーを見せてくれたナインに割れんばかりの拍手が送られた。

 ◆序盤は投手戦

 先発は21日の準決勝で花巻東(岩手)を3安打完封した横瀬貴広投手(3年)。この日は立ち上がりがいまひとつ。2番打者への四球の後、連打を許していきなり一死満塁のピンチ。続く打者を本塁併殺に打ち取り、切り抜けた。母小夜子さん(43)は「よくしのいでくれた」と冷や汗をぬぐった。

 相手先発の高橋光成投手(2年)は準決勝まで自責点ゼロ。切れのある変化球主体の投球に苦しみ、三回まで無安打に抑えられる。準決勝で決勝適時打を放った浜田晋太朗左翼手(3年)の兄晃成さん(20)は「皆、バットはしっかり振れている」と奮起に期待した。

 ◆四回裏に先制

 試合は四回裏に動いた。連打と四球でつくった2死満塁の好機に7番薄田凌選手(2年)が三塁に適時内野安打を放つ。悪送球もあり一気に2点を先制。高橋投手に今大会初の自責点をつけた。薄田選手の父謙一さん(44)は「何でもいいからとにかく返せと願った。よく打ってくれた」と大興奮。三塁側アルプス席の応援団も跳びはねて喜んだ。横瀬投手も適時打を放ち計3点を奪った。

 五回、前橋育英がすぐさま反撃する。粘りの投球を見せていた横瀬投手だが、先頭打者に甘く入った直球を左翼スタンドに運ばれる。さらに内野の連続エラーで無死一、三塁。井手一郎投手(2年)が救援したが、スクイズと適時打で同点にされる。2死一、三塁とピンチは続くが、代わった奈須怜斗投手(3年)が好救援、切り抜けた。応援に駆けつけた延岡学園ソフトボール部の2年斉藤美咲さん(17)は「ピンチの後はチャンスが来る」と諦めない。

 ◆終盤逆転許す

 同点のまま迎えた七回、奈須投手は先頭打者にライト線の三塁打を打たれる。次打者には適時打を浴び、逆転を許した。部員の井上俊輝君(3年)は「まだ終わらんぞ」と声援を送り続けた。

 粘る延岡学園ナイン。九回裏、死球と安打で無死一、二塁の好機をつくる。「打って!」。応援団は必死の声援を送るが、三者連続で凡退して試合終了。あと一歩及ばなかった。

 「悲願達成はならなかったが、宮崎県の底力を示してくれた」と同校の佐藤則夫校長。悔し涙を流す選手たちに、応援席からの温かい拍手はしばらく鳴りやまなかった。

=2013/08/23付 西日本新聞朝刊=