ソフトB内川、本拠で通算1000安打 胸に刻むハマの先輩・鈴木尚の言葉

 内川聖一外野手(28)が6回に右翼線安打を放って史上265人目の通算1000安打に到達した。多村仁志外野手(34)の故障離脱に伴い、移籍後初めて右翼を守った不動の3番打者は、1-0の8回に値千金の犠飛でダメ押し。5連勝、交流戦初の巨人戦4戦全勝で優勝マジックを「3」へ一つ減らした。最短Vはヤクルトとのホーム2戦目となる12日。2年ぶりの交流戦王者は時間の問題だ。

■“千”金2点目犠飛

 節目の安打は広角に打ち分ける内川らしい、反対方向への一本だった。2打席凡退で迎えた6回1死。東野の高めの142キロ直球を引きつけ、右翼線に落とした。史上265人目の通算1000安打。リーチをかけて試合に入り、さすがに前夜と違って「意識していた」。花束を受け取った一塁からの風景が、少しの安どをもたらした。

 「1000本という区切りの安打を、ホームのユニホームを着て、福岡のファンの皆さんに見てもらえて良かった」

 右太もも裏の張りを抱えながらの出場。移籍1年目、FAで請われた責任感…。「そういうものが6月に入って出てしまったかなと。目で捉え、頭で考えていたものが追いつかなくなった」。松田に倣った前夜に続き、バットはグリップエンドから指2~3本分、短く持った。「振り遅れ気味ではあったけど、今の状態からすればベスト」。苦心の末の一打だった。

 打撃練習では自身のバットと別のモデルも手にしてきた。グリップに格子状のテーピングが施された一本は、交流戦開幕直後にマートン(阪神)から譲り受けたもの。「ちょっとヘッドが軽い」と振り抜けすぎる傾向はあったが、状態を上げようと試行錯誤してきた。

 開幕時点で残り55本。故障で7試合先発を外れながら開幕46試合、出場43試合目で決めた。「打率より安打数を意識してきた。率を守ろうと意識すると振れなくなる」と言う。右打者史上最高の打率・378で首位打者に輝いた横浜時代の2008年、現役最終年の鈴木尚から聞いた。「どの打席でも安打を打つつもりでいれば、率を気にしなくなる」。首位打者2度の先輩の言葉を胸に、積み重ねてきた。

■記念品は「実家に」

 節目の単打より8回1死一、三塁で勝利を決定付けた犠飛に両拳を突き上げて喜んだ。東野の外角低めのスライダーに泳がされつつ、左手一本で右翼へ運んだ。「勝ちながらやっていけるのはいい。記録を達成しても、負けては個人のこと止まり」。5連勝、貯金21。その道中に自身の記録がある。それこそが横浜から移籍した動機だった。

 故郷大分から駆けつけた母・和美さん(54)の前での達成。記念球とバットは「実家にでも飾る」と言って、内川は視線を前に向けた。「先輩たちに報告しても『1000本じゃまだまだ』と言われるでしょう。現役でいる以上、『これでいい』ということはないと思う」。横浜時代の先輩・石井(広島)は2410安打。その背中も、まだ遠い。 (森 淳)

 ◆265人目
 福岡ソフトバンクの内川聖一外野手(28)が9日、巨人最終戦(ヤフードーム)の6回、東野から右翼線への安打を放ち、通算1000安打を達成した。プロ265人目。初安打は横浜時代の2002年4月24日、中日5回戦(札幌ドーム)の9回にギャラードから。


2011/06/10付 西日本スポーツ

PR

福岡ソフトバンクホークス アクセスランキング

PR

注目のテーマ