FA内川、ソフトB入り表明 胸にあった父・一寛さんと翼夫人の言葉

 ホークスで両リーグ首位打者だ-。横浜から国内フリーエージェント(FA)権を行使した内川聖一内野手(28)が1日、入団交渉を行っていた福岡ソフトバンク入りを表明した。この日午前、横浜との交渉の席でソフトバンク入りを伝え、夕方に横浜市内のホテルで記者会見。大分県出身のヒットメーカーは「熱い地」と呼ぶ九州に戻って、自身初の優勝となるリーグ連覇と史上2人目の両リーグ首位打者の偉業に挑戦する。年俸変動制の4年契約で、出来高を含む年俸は最高で13億6000万円まで跳ね上がるという。 (金額は推定)

 迷いを断ち切って内川がホークス入りを宣言した。「横浜、カープにお断りして、福岡ソフトバンクホークスにお世話になることを伝えた。昨日(30日)まで悩みに悩んで出した結論です」。日本を代表する右のヒットメーカーが飛躍の地を地元九州に選んだ。

 ホークス入りの決め手はいくつかある。九州、大分県の出身であることは大きな要素だ。「少年野球のころ、ダイエーホークスが一番強い時代。あのグリーン(人工芝)の福岡ドームでわくわくしたのを覚えている」。子供のころに芽生えていた地元ホークスへのあこがれは強かったという。

 父一寛さんの言葉も胸の内で大きく育っていた。「ゆっくりとおまえの試合を見たいな」。今年の初め、大分・情報科学高野球部監督を務める一寛さんが漏らした何げないひと言。「普通に観戦できる機会があるなら、そうする方がいいのではないか」。九州のチームなら家族の夢もかなうという思いも次のステップを模索する内川に強まった。

 フジテレビのアナウンサーを務める妻の長野翼さん(29)の後押しもある。「私の仕事は関係ない。自分の好きなところを選んでほしい」。大のカープファンでもある翼さんだが、夫には自分の意思で悔いのない選択を勧めた。「いろんな人の話を聞いたが、最後は自分で決めた」。自分が最も輝ける場所を選んだという自負もある。

 契約期間は4年。出来高を含む変動制の年俸は5億6000万~13億6000万円。「ホークスは出来高に比重をかけてやるスタイル。出来高を含めた総額が年俸だと説明された。シーズン中はお金のことを考えてプレーすることはないけど、終わった後にどれぐらいやれたかというやりがいになる」と、出来高をモチベーションに変えるつもりでいる。

 「決めた以上は気持ちは来季に向かってます」。ホークス内川として求める活躍のイメージも描きつつある。「FAで移籍する以上は期待を上回るぐらいの活躍をしないといけない。チームの優勝は絶対条件だけど、勝ってタイトルがついてくれば、こんなにいいことはない」。ここ3年続けている打率3割の継続はもちろん、過去中日、ロッテなどで活躍した江藤慎一氏しか達成していない両リーグでの首位打者を狙う。

 「王会長に『今の君のスタイルを変えることはない』と言っていただいた。グラウンド90度をフルに使ってヒットを量産したい。ひと暴れしたいと思っている」と力強い誓い。大分で生まれ、横浜で育ったヒットメーカーがリーグ連覇、8年ぶりの日本一を目指すホークスに加わる。 (久保安秀)

 内川はフジテレビアナウンサーの翼夫人(29)が退社する可能性も示唆した。夫人について尋ねられると「僕自身の思いも伝えているし、嫁の思いも聞いている。2人の間では何となく(方向性は)あるが、互いに責任のある仕事をしているし、迷惑はかけられない」

 今年3月に結婚した翼夫人はFA宣言した夫に対し「私の仕事を気にせず、好きなところでやってほしい」と野球選手としての夫の意向を尊重してきた。現在夕方の「スーパーニュース」を担当しているが、仕事が一段落した時点で退職し、九州行きを決断する可能性もある。

 また、精神面のケアを行ってきたトレーナーの武野顕吾氏(43)も横浜との契約を終えて、個人トレーナーとして同行することが決まった。

 王貞治会長「3年連続3割を打っており、実力は証明されています。自分のため、そしてチームのため、思う存分力を発揮してほしいですね。またホークスには若い選手が多いので、よい手本になってくれることを期待しています」

 秋山幸二監督「入団を表明してくれて、うれしい。今一番脂が乗っている。実績も十分だし、実力をそのまま出してもらいたい。ソフトバンクに入るからといって、打撃スタイルを変える必要はない。彼の打撃、技術を必要としている。今の段階でポジションは考えていない。肩と体調を万全にしてキャンプに入ってきてもらいたい」

2010/12/02付 西日本スポーツ

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