ソフトB内川、通算1500安打はプロ初H思い出の地 定説覆す「左肘リード理論」

 希代のバットマンが北の大地でメモリアル!! 内川聖一外野手(31)が通算1500安打を達成した。横浜時代の2002年に記録したプロ初安打と同じ札幌ドームで節目の一打を放った。固定観念を排除し、感性と鍛錬で築き上げた「内川スタイル」-。偉業に満足することなく、4安打2打点と打ちまくった。チームリーダーに導かれ、ホークスは19安打&12得点の猛攻で圧勝。オリックスとの首位攻防3連戦で負け越した悔しさを存分に晴らし、再び首位に浮上した。

強打でも快打でもなかった。形にこだわらない、らしいスイングで節目の一打を飾った。初回。内川は、ぼてぼての遊撃内野安打で花束を受け取った。「初安打がここなので、あの頃を思い出した。ヒット数はここまでという区切りがない。もっと積み重ねたい思いが一層強くなった」。追い込まれてからの外角スライダー。見送ればボール球でも、打てると思った球は打ちにいく、内川ならではの打撃だった。

 卓越したバットコントロールの持ち主で、いまや多くの選手からあがめられる。右打者最高打率(3割7分8厘)を残し、初の首位打者に輝いたのが2008年。その後も常人離れしたスピードで進化を遂げてきた道中、試行錯誤を繰り返しながら導き出した打撃理論が「左肘」の使い方だ。

 「打撃を教わるときって『バットを体の近く、内側から出せ』って言われるでしょ? そうすると右肘をたたむ。それだとバット全体が体の近くを通るんです」。いわゆるインサイドアウトでバットを最短距離で出す場合、右打者なら「右肘をたたみながら、最後は押し込むように出しなさい」と教わることが多い。だが、これは「内川理論」に当てはまらない。

 「僕の感覚では極端な話、使うのは(バットの)芯だけ。その芯を体の近くに通すとしたら、左肘を前に出すしかない。そうすることでヘッドは残るし、芯は内から出る。結果、どんなコースにも対応可能になる」。先入観や固定概念を取っ払い、己のスタイルを構築。史上2人しか達成してない両リーグでの首位打者などは、そうした土台があってこその勲章だ。

 その後もバットを休めることなくヒットを積み重ねた。今季3度目の4安打。「勝ちにつながる一本を」が口癖の内川だけに、チームの勝利と首位再浮上がうれしかった。次の区切りは2000安打。「監督には『あと3年(で達成を)』と言われた。最終的にたどり着けたら」。8月で32歳。己に限界線を引かないバットマンなら、あっさりと“通過点”にしてしまうだろう。 (石田泰隆)

2014/07/12付 西日本スポーツ

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