王ダイエーVS星野阪神/日本シリーズ2003プレーバック

 リーグ優勝したダイエー、阪神が激突。ダイエーの前身・南海時代1964年以来の顔合わせだった。阪神・星野監督はシリーズ終了後の勇退が明らかに。ダイエー・斉藤、阪神・井川のシーズン20勝エースを擁したチーム同士の対戦でもあった。互いにホームゲームを全て勝った「内弁慶シリーズ」は、4勝3敗でダイエーが4年ぶり4度目(南海時代を含む)の日本一に輝いた。

◆第1戦(10月18日・福岡ドーム)ダイエー5xー4阪神
 ダイエーが九回、ズレータのサヨナラ打で先勝した。4―4で迎えたこの回二死一、二塁から、ズレータは安藤の内角速球を左中間に運ぶ殊勲の一打を放った。
 逆転を許したばかりの四回、城島の左翼への同点ソロ本塁打の後、鳥越の左犠飛で勝ち越し。同点とされた直後の六回は二死無走者から好機をつくり、井口の右前適時打でリード。味方投手が失点した直後にすかさず得点した中盤の攻撃が流れを優位に保つ要因にもなった。同点の七回二死一、二塁のピンチを切り抜けた3番手の岡本の好投も勝因。

 ダイエー・ズレータ こんなビッグゲームで打てるなんて。感動しているよ。無心で振った。神様に祈ったよ。この喜びをどう表現していいか分からない。心が溶けるくらいうれしい。

◆第2戦(同19日・福岡ドーム)ダイエー13ー0阪神
 3本塁打を含む16安打で13得点。ダイエー打線が猛攻で大勝した。二回一死からの6連打で一気に4点を奪った先制攻撃が、流れを引き寄せた。三回には城島が2試合連続のソロ本塁打。序盤の集中打が波及したかのように七回には一死一、二塁からズレータが左翼に本塁打し、さらに四球と2連続長打で計5点を追加。八回にはバルデスにも3点本塁打が出た。
 杉内の好投も打線に好リズムをもたらした。低めへの制球、内角への強気な攻めも奏功。8回無失点の快投だった。
 投打ともに元気のない阪神は痛い連敗。

 ダイエー・杉内 体がしびれました。チームが勝てばいい。その最低限の仕事がしたかった。 

◆第3戦(同22日・甲子園)阪神2x-1ダイエー
 阪神が十回一死満塁から、藤本の中犠飛でサヨナラ勝ちし、今シリーズ初勝利を挙げた。
 四回に出た金本の同点ソロ本塁打も、三回までわずか1安打という重苦しいムードを振り払った。
 ダイエーは一回一死から3連打で1点を先制したが、試合後半につかんだ好機にあと1本が出ず、6回1失点の和田ら投手陣の踏ん張りに応えられなかった。特に七回二死二、三塁の勝ち越し機で和田に代え起用した大道が二ゴロに倒れた場面が悔やまれた。

 阪神・金本 勝って良かった。それだけ。きょうはきょう。あしたはあした。

◆第4戦(同23日・甲子園)阪神6x-5ダイエー
 5―5で迎えた十回、一死無走者から金本が、この日2本目の本塁打を放ち、阪神がシリーズ史上初の同一球団による2試合連続のサヨナラ勝ちを果たした。
 井川が捕まり、3点のリードもひっくり返されたが、八回の粘りが勝機を引き寄せた。四球出塁の金本が二盗。一死二塁の場面でアリアスが左前に同点適時打。九回一死一、三塁のピンチをしのいだウィリアムスの好投も、大きな勝因の一つとなった。
 ダイエーは七回の3得点で追いつき、八回には勝ち越す集中攻撃を披露した。だが、八回から投入した新垣が踏ん張れず、2連勝の後2連敗。

 阪神・金本 まさか自分でもあそこで(一発が)出るとは思っていなかった。無我夢中だった。無心になれたから打てたと思う。最初はなめとった部分があった。だれかが打ってくれるとかな。やっとタイや。絶対に(甲子園で)王手をかけたい。

◆第5戦(同24日・甲子園)阪神3-2ダイエー
 1点差の厳しい展開ながら、投打がかみ合った阪神が快勝した。
 試合をひっくり返したのは1点を追う六回。二死から今岡、赤星の連打と金本の四球で満塁とし、桧山が2点左前打。斉藤の内角速球をうまく引きつけて流し打った。
 好継投も光った。下柳は一回に金本の3試合連続となる本塁打でもらった先制点を、二回の2失点でふいにしたが、その後は立ち直り6回2失点。吉野、リガン、安藤、八回二死二塁を抑えたウィリアムスの救援陣の奮起も、接戦を制する大きな要因。
 ダイエーはバルデスが逆転2点本塁打を放った二回のほかは攻め切れなかった。制球が甘くなった斉藤が、六回二死から痛打を浴びて劣勢に立たされた。

 阪神・桧山 久しぶりに(1、2番の)2人が出てくれたからね。積極的にいこうと思った。

◆第6戦(同26日・福岡ドーム)ダイエー5-1阪神

 ダイエーが効率良い攻めと杉内らの好投で快勝。ダイエーは一回一死一塁から井口が先制2ランを右翼席へ。伊良部の外よりの速球を逆らわずに打ち返した技ありの一打だった。三回は無死二塁から遊ゴロ失の間に、幸運な1点を追加。六回には柴原の適時二塁打、八回にはバルデスの右越え本塁打で投手陣を盛り上げた。
 杉内は制球が抜群。四回に桧山に本塁打を浴びたが、連打を許さず7回1失点で、第2戦に続く2勝目。4連投の岡本の頑張りも勝因だ。
 阪神は伊良部が3失点で三回途中降板の誤算。不運な失点もあったが、制球が甘く単調な投球が、序盤で劣勢に立たされる要因となった。

 ダイエー・杉内 絶対に勝つ気持ちで投げました。納得です。自分の結果よりもチームが勝つことが大前提でした。10点満点で10点ですよ。ふだん通りなら打ち取れると思った。負けたら最後なので全力で飛ばしました。

◆第7戦(同27日・福岡ドーム)ダイエー6-2阪神
 ダイエーが6―2で勝ち、4勝3敗で4年ぶり、福岡移転後2度目の日本一を手にした。
 ダイエーは一回、松中の二塁打で2点を先制。三回は井口の2試合連続となる2ランと城島の本塁打で加点し、六回には城島の2打席連続本塁打で突き放した。先発の和田は2失点で完投した。

 ダイエー・和田 何と言っていいのか分からない。夢みたいです。もう最高ですね。今までの野球人生で日本一を経験したことがないんです。縁がなかった。

◆表彰選手
最高殊勲選手賞 杉内 俊哉(ダイエー)2試合 2勝0敗0セーブ 防御率0.60
敢闘選手賞 金本 知憲(阪神)7試合 打率.192 4本塁打 4打点
優秀選手賞 井口 資仁(ダイエー)7試合 打率.231 2本塁打 5打点
      城島 健司(ダイエー)7試合 打率.241 4本塁打 5打点
      桧山 進次郎(阪神)7試合 打率.222 1本塁打 6打点

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