「昭和の車両基地」「ガンプラボトルシップ」制作者が明かす“苦闘”の先にある“カタルシス”

オリコン

 モデラーたちの創意工夫により様々な楽しみ方が生まれている“プラモデル文化”。今回紹介するのは、「昭和の車両基地」を本物ソックリに再現したモデラー・あに氏(@aniu2)と、ガンプラ版「ボトルシップ」を制作するボトール氏(@Joehigasi37)。ジオラマ写真をリアルに見せるコツや、わずか2センチ程の瓶の口と格闘するボトルシップ制作の苦闘など、知られざる“制作秘話”を聞いた。

【写真】この木馬、瓶の中にどうやって入れた? ガンプラボトル制作の“舞台裏”を初公開

■見るだけでわくわくする「昭和の車両基地」を再現(あに)

 「模型に見えない!」とSNSで話題になった、モデラー・あに氏の「昭和の車両基地」ジオラマ。制作理由を聞くと、「店頭でこの電車の完成品サンプルを見て、素晴らしいディテールとサイズの大きさに一目惚れしました!」と笑顔で即答。さらに、「これをジオラマにしたら迫力のあるものが出来るハズ!」と思い、このキットを購入したとのこと。

 使用キットは、アオシマの『電気機関車 EF66 後期型』と『電気機関車 EF66 前期型』。忠実に当時の車両基地を再現しつつ、「電車を見たときの“わくわく感”が伝わるように制作したました」と振り返った。

 その“わくわくする気持ち”の原点を聞くと、「幼い頃、ブルートレインに乗って家族で旅行をした際、嬉しすぎて一睡も出来ませんでした(笑)」と回想。当時の気持ちの高ぶりは今でも忘れられない記憶として残っており、この原体験こそが、今回の“情景”を演出する際の原動力になったようだ。

 本作でこだわったポイントは、「木造の車庫とトタン板、使い込まれた電車と車庫、鉄粉の混じった地面など昭和の車両基地の雰囲気」と語った。そして、情景模型において重要な“写真の撮り方”に関してアドバイスをしてくれた。

 「ジオラマ写真を撮るときはアングルが重要です。自分がそのジオラマの世界に入ったつもりになることが重要で、その目線から作品を撮るようにしています。そうすることで、実際は数十センチの模型でも“巨大”な造形物としてのリアリティを感じさせることができます」

 アングルだけで“情景”がガラっと変わるのもジオラマの醍醐味。さらに、「ジオラマを大きく見せたいときは野外で撮影します。太陽光は室内照明と違って影がくっきり出ます」と、屋外撮影のポイントを強調した。続けて、「この影が作品内にあるととてもリアルに見えます。また、人間は大きな物を見るときは視界全体にピントを合わせるので、作品を撮るときも作品全体にピントを合わせるようにします。この2つを守るだけで、とてもリアルなジオラマの写真を撮ることが出来ると思います」。トップモデラーによる“匠の技術”の数々、ぜひ実践してみてほしい。

■胃が“キリキリ”する『ガンプラ』版ボトルシップ制作の日常(ボトール)

 プラモ歴20年のボトール氏、ガンプラボトルシップの存在を知ったのは「ネット掲示板」だったとのこと。ただ、検索しても肝心のガンプラ画像が見つからず「無いなら自分で作ろう!」と思ったのが、ガンプラボトルシップ制作のキッカケだったようだ。

 使用するガンプラのサイズは、艦船では1/2400、1/2200、1/1200やノンスケールの小型のものが多いとのこと。大きいサイズだと、そもそもパーツが瓶の口に入らない、と笑った。

 そうしたボトル選びでは“悩み”も尽きないという。

 「ガラスの厚みがあるため内側のサイズが分かりにくく、作成途中で入らないことが分かって焦ったこともあります(笑)。それから瓶の底に気を付けています。ペットボトルの底は中央に向かって膨らんでいて底上げされています。それを考慮せずに瓶の高さだけ見ていると、やっぱり入らなくて後で焦ります」

 ちなみに、これまでに使用した最小のボトルは「東急ハンズで売っているコルクビン」で、高さ23ミリ、直径15ミリ、口が内径7ミリの極小瓶に1/1200ガウに付属しているズゴックを入れたそう。「下半身を入れた後、上半身をくっつけるために3日ほど格闘しました。胃がキリキリするので、もうこのサイズはやりたくありませんね(笑)」

 通常のガンプラ制作とは“一味違った”難しさがあるガンプラボトルシップ。制作におけるポイントは「ボトル内での組み立て工程をいかに減らせるか」だと強調した。ボトル内で組み立てるのは難しいため、瓶に入れる前にどこまで工作を終わらせられるかで腐心している話す。さらに、「ピンセットが届かない!そんな時にも『工作の壁』を感じます(笑)。あと、ボトル内のガンプラパーツがハズれたことがあるのですが、ピンセットで摘むことができても元の位置に戻せない。ピンセットの代わりに治具(補助工具)を作ろうにもどう作ればいいのかわからない…。ガラスの壁が立ちはだかった時は、思わず瓶を割りたくなりました」

 だが、そんな問題を突破した時にこそ、プラモ制作の“カタルシス”があるという。

 「諦めて数年間放置していたのですが、ある時『両面テープを使えばいいのでは?』と閃いて、半日もかからずに治せました。『創意工夫で突破した』と言いたいところですが、時間が解決したのだと思います(苦笑)」

(C)創通・サンライズ

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