欧州で戦う若き日本人ドライバーに注目

共同通信

 2月に入り、日差しに力強さが増してきた。サッカーのJ1は21日に開幕。プロ野球も各地でオープン戦を行うなど、さまざまなスポーツが新シーズンに向け、動き始めている。

 モータースポーツも同じ。F1は11日のフェラーリを皮切りに19日のアルファロメオまで、全10チームが新車を発表した。そして、19~21日と26~28日の2回に分けて、スペインのバルセロナ・サーキットで計6日間のテストを経て、オーストラリアGP(3月15日決勝)で開幕を迎える。

 注目は、やはりホンダがパワーユニット(PU)を供給するレッドブルとアルファタウリ(トロロッソから変更)の動向だろう。昨季、ホンダは復活への第一歩を刻んだ。具体的には、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが3勝を挙げる大活躍を見せ、トロロッソ=当時=もダニール・クビアトが第11戦ドイツGPで3位に入り、チームとして12年ぶりの表彰台を記録した。

 とはいえ、タイトルを争うライバルと比べると物足りなかったのも事実。シーズン3勝のフェラーリとは肩を並べたといえる。しかし、メルセデスには15勝と大きく差をつけられ、6年連続の製造者部門王者獲得を阻むまではいかなかった。

 昨季、レッドブル・ホンダが勝利したのは第9戦オーストリアGPと第11戦ドイツGP、第20戦ブラジルGPだった。共通しているのは、どこも長い直線を持たないサーキットということ。ホンダ製PUとレッドブルのシャシーは、中低速域で速さと強さを発揮した。

 一方、第3戦中国GPや第13戦ベルギーGPといった直線が長く、PUを全開にする時間が長いサーキットでは、エンジンパワーに勝るメルセデスやフェラーリの後れを取った。つまり、ホンダに求められているのはパワーなのだ。

 ホンダはパワーアップを果たすことができたのか? その答えはオースラリアGPの予選でハッキリと示されるだろう。

 ホンダの復活は喜ばしいが、どこか寂しさがある。今シーズンも日本人ドライバーはいないのだ。日本人最後のF1ドライバーは2014年シーズンをケータハムで走った小林可夢偉。今年で日本人ドライバー不在は6年目ということになる。

 日本人ドライバーが出てほしい―。そう渇望するのだが、現時点でいちばんF1シートに近い日本人ドライバーが2人いる。

 一人は19歳の角田裕毅だ。昨年、レッドブルのジュニアドライバーに選抜。下位カテゴリーのFIA F3で1勝を挙げ、F1直下に位置するF2へステップアップしてみせた。もう一人は26歳の松下信治。15年から17年までGP2(現F2)で、18年は帰国してスーパーフォーミュラに参戦した。そして、19年は再びF2で走った。F1直下のカテゴリーに挑戦するのは5季目となる今年はF1参戦に向けた正念場となる。

 期待の若手は他にもいる。角田がFIA F3と平行して出場していたユーロフォーミュラ・オープンチャンピオンシップと呼ばれるクラスを主戦場とする佐藤万璃音(20)と名取鉄平(19)だ。19年10月13日にイタリアのモンツァで開催されたレースでは、1位佐藤、2位名取、3位角田と表彰台を独占した。

 中でも、佐藤はシーズン9勝をマークしてチャンピオンに輝いてみせた。角田はチャンピオンシップで4位に、名取も同6位に入った。それぞれがF1へ挑戦できる才能を持っていることを証明した格好だ。名取は国内に戻り、佐藤はまだ所属チームが決まっていない(2月19日現在)と足踏み状態にある。それでも、佐藤と名取という若い存在は要チェックだ。

 ダイヤの原石は、間違いなく日本モータースポーツに育ってきている。日本人ドライバーがF1の舞台に戻ってくる日も近い。(モータージャーナリスト・田口浩次)

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2020/8/8 9:00 更新
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