マンガ大賞2020は『ブルーピリオド』に決定 藝大卒作者が描く美術と青春の物語

オリコン

 書店員を中心とした各界の漫画好き選考員が「今、この瞬間一番薦めたいマンガ」を選ぶ『マンガ大賞2020』の授賞式が16日、都内で開催され、大賞に山口つばさ氏の『ブルーピリオド』が選ばれた。

【写真】歴代大賞作品の作者描き下ろしイラストが公開 !

 『ブルーピリオド』は、『月刊アフタヌーン』(講談社)で2017年8月号から連載中で、美術大学受験予備校や入学試験での苦悩を描いた物語。成績優秀かつスクールカースト上位の充実した毎日を送りつつも、どこか空虚な焦燥感を感じて生きる高校生・矢口八虎は、ある日、一枚の絵に心奪われる。その衝撃は八虎を駆り立て、美しくも厳しい美術の世界へ身を投じていく。美術のノウハウやうんちく、美大を目指して青春を燃やす姿が描かれる。

 コミックスは現在6巻まで刊行されており、『このマンガがすごい!2019』オトコ編第4位、『このマンガがすごい!2020』オトコ編第14位などに選ばれている。

 受賞した山口氏は「去年も『マンガ大賞』の3位をいただいていたので、まさかこんな風に登壇できるとは、びっくりしました。当日まで実感がわいておりませんでした」と心境。報告を受けた時は「映画を観たあとに担当さんから『マンガ大賞』を獲ったよ!」とLINEで届いて、映画の感動とマンガ大賞の感動で感情が行方不明でした。帰宅してからうれしい気持ちをかみしめました」と笑いを誘った。

 自身も東京藝術大学卒という経歴をもつ山口氏は、作品の誕生について「担当さんから『売れる漫画を描いて』と言われて、ずっと自分が美術を勉強していたので『美術をスポコンとして描いてもいいのではないか』と思ったのがきっかけでした。それも一度はボツになったのですが、それをブラッシュアップして今に至ります」と明かしていた。

 同賞は2008年に創設され今年13回目。昨年1年間に単行本が発表された作品のうち、最大巻数が8巻までの作品が対象で、一次選考では選考員が最大5作品に投票し、得票数上位12作品(同率順位含む)がノミネート。二次選考では、選考員が全12作品を読んだ上で1、2、3位を選定し、もっともポイントの多かった1作品が「マンガ大賞」に選出。今年は一次選考238作品の中から選ばれた。

 これまでの同賞受賞作やノミネート作が、アニメ化はもちろん数多くドラマや映画化されている。2008年の第1回大賞『岳』(石塚真一)は小栗旬主演で、第3回の『テルマエ・ロマエ』(ヤマザキマリ)も阿部寛主演で映画化。また、第5回大賞の『銀の匙』(荒川弘)は、フジテレビ系の深夜アニメ枠「ノイタミナ」でアニメ化&Sexy Zone・中島健人主演で実写映画化され、2017年大賞の『響~小説家になる方法~』(柳本光晴)は、アイドルグループ・元欅坂46の平手友梨奈主演で映画化された。

■マンガ大賞2020ノミネート作品
『あした死ぬには、』雁須磨子
『違国日記』ヤマシタトモコ
『スキップとローファー』高松美咲
『SPY×FAMILY』遠藤達哉
『チェンソーマン』藤本タツキ
『波よ聞いてくれ』沙村広明
『ブルーピリオド』山口つばさ
『僕の心のヤバイやつ』桜井のりお
『まくむすび』保谷伸
『ミステリと言う勿れ』田村由美
『水は海に向かって流れる』田島列島
『夢中さ、きみに。』和山やま
(作品名あいうえお順・敬称略)

■歴代大賞作品
第1回(2008年):『岳』石塚真一
第2回(2009年):『ちはやふる』末次由紀
第3回(2010年):『テルマエ・ロマエ』ヤマザキマリ
第4回(2011年):『3月のライオン』羽海野チカ
第5回(2012年):『銀の匙 Silver Spoon』荒川弘
第6回(2013年):『海街diary』吉田秋生
第7回(2014年):『乙嫁語り』森薫
第8回(2015年):『かくかくしかじか』東村アキコ
第9回(2016年):『ゴールデンカムイ』野田サトル
第10回(2017年):『響~小説家になる方法~』柳本光晴
第11回(2018年):『BEASTARS』板垣巴留
第12回(2019年):『彼方のアストラ』篠原健太

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