元ネタは劇場版『パトレイバー2』 自衛隊と市民生活が共存する「日常の中の非日常」をジオラマ化

オリコン

 スケールモデルの魅力として、自身の空想&妄想シーンをジオラマで再現できる点は大きい。今回インタビューしたジュニア氏もまた、名作と名高い劇場版『機動警察パトレイバー 2 the Movie』(1993年公開)に触発され、東京五輪における「テロ警戒中の警察&自衛隊」という設定を思いついたのだという。自衛隊という“非日常”と市民生活の“日常”を1枚絵に収めた理由について聞いた。

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■見えない所は塗らない…? 戦車模型の“ユルさ“がデビューのきっかけに

――プラモデルの魅力に目覚めた原体験を教えてください。

【ジュニア】プラモデルを初めて触ったのは小学校低学年でしたが、以降ずっと塗装をせずに組んだままで満足していました。スケールモデルの魅力に気づいたのは高校1年の時に見たアニメ版『ガールズ&パンツァー(ガルパン)』の影響です。

――2012年に放送された『ガルパン』は今なお人気ですね。

【ジュニア】私も『ガルパン』ファンの例に漏れず、劇中で躍動する戦車を組んでみたくなり、エアブラシ&コンプレッサーを購入。本格的にモデラーとしてデビューをすることになりました。エアブラシによって模型制作の表現の幅が大きくなり、戦車特有の様々な汚し技術にも魅了され、そこから一気に“沼”にハマりました。

――きっかけは『ガルパン』とのことですが、“沼”にハマった運命的なキットがあれば教えてください。

【ジュニア】それでいうと、『ガルパン』に触発されて組んだ「ドラゴン1/35 IV号戦車G型ハリコフ攻防戦」です。初心者には少々ヘビーなキットですが、IV号戦車を作ってみたい!」という気持ちが勝りインターネット等で技法を調べながら制作しました。戦車模型には多種多様な汚れを表現するテクニックがありますが、知ること見ること一つひとつが目新しくて楽しかったですね。

――ネットで技術を学んだとのことですが、影響を受けた雑誌などはありますか?

【ジュニア】影響を受けた雑誌は、スケールモデルをバランスよく取り上げていた『マスターモデラーズ』(現在廃刊)です。特に、第二次世界大戦(WWII)で活躍したハイクオリティな模型を写真多めで取り上げていて、ある意味作品集に近い傾向の雑誌でした。当時、技法のことはさっぱりでしたが読み物として非常に重宝していました。

――スケールモデルには航空機、艦船、戦車など豊富なラインナップがあります。好きな模型のジャンルは?

【ジュニア】強いて挙げるなら戦車模型です。個人的な意見ですが、戦車模型の魅力は“ユルさ”だと考えます。「見えない所は塗らなくていいや」「面倒だから全部接着して塗装しよう」「パーツが折れた!戦闘で破損したことにしよう…」「見せたくないところは泥汚れで隠しちゃえ」…等々。勿論きちんと考証に基づき細部まで作り込むこともありますが、この“ユルさ“がジャンルのハードルを下げてくれていると勝手に思っています(苦笑)。

■“有名だからやっている技法”では劣化コピーを繰り返すだけ

――今回紹介している、16式機動戦闘車(防衛省が開発した装輪装甲車)をジオラマ化した理由は?

【ジュニア】16式を制作する気になったのは、当時車両自体が最新鋭であり、模型としても発売されたばかりのこの車両を、さらに架空仕様にして自分好みに作ってみたくなったからです。いわゆる「ぼくのかんがえた最強の○○」ですね(笑)。

――ジオラマのコンセプトを教えてください。

【ジュニア】コンセプトは「日常の中の非日常」です。劇場版『機動警察パトレイバー 2 the Movie』において、戒厳令下の東京で展開中の自衛隊と、それを尻目に普通の生活を送る市民の対比シーンがあります。自衛隊という「非日常」と市民生活の「日常」、この両者のアンバランスさが非常に印象に残っていて、東京五輪におけるテロ警戒中の警察&自衛隊という設定を思いつきました。

――本作で最も力をいれた部分を教えてください。

【ジュニア】力を入れたのは、日常を印象づける「桜田門駅」の地下鉄入口です。制作にあたり実物を採寸するのは困難なため、Googleストリートビューを資料として最大限活用し再現しました。一方、苦労したのは人物(フィギュア)です。市販の自衛隊員は装備が1世代前のものであり、警察官に至っては発売されていないので基本的に自作することになりました。

――いまスケールモデルで力を入れている表現方法は何でしょうか?

【ジュニア】現在力を入れている表現は「ケープ剥がし」です。下地の上にケープを吹き、特性の異なるアクリル系の塗料で塗装後、水を含んだ筆で擦るとケープが溶け自然な塗装剥がれが可能…という戦車模型では有名な技法です。とはいえ、「有名だからなんとなくやっている技法」は惰性でやっても劣化コピーを繰り返すだけになってしまいます。なので、技法については初心に返って勉強し直すとともに、なるべくルーチンにならないよう毎回新しいテーマを設定するよう意識しています。

――ジュニアさんにとってプラモデルとは?

【ジュニア】プラモデルは「なんでもありの趣味」だと考えています。競い合うものでもないし、厳しいレギュレーションがあるわけでもありません。技法を研究してカッチリ作るもよし、お酒でも飲みながらユル~く組むもよし、人それぞれ自分に合ったスタイルで進められるのが魅力だと思います。

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