ザコシショウ&くっきー!“最狂”2人が語る芸人論 スベり上等、何でもありの状況で試される地肩の強さ

オリコン

 ハリウッドザコシショウ(46)、野性爆弾のくっきー!(44)。最強にして最狂の2人が、その力をいかんなく発揮しているのがAmazon Prime Videoの人気シリーズ『HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル』だ(2人がそれぞれ出演しているシーズン4、シーズン5のDVDが18日に発売)。芸人同士が密室で笑いを仕掛け合う、究極の空間で爆発的な笑いを生み出している2人だが、自分たちの笑いについてどのような考えを持っているのだろうか。普段は見えない2人の“芸人論”に迫った。

【写真】くっきー!が“6秒”でデザインしたオリジナルモニュメント

■くっきー!「シショウは生きとしタブー」 ザコシショウが感じた、たむけんの“やさしさ”

――お互いについて、どういった印象を持っていますか?

【ハリウッドザコシショウ】めちゃくちゃオモロイじゃないですか。僕のやっていることをやってない。ベクトルが違う。同じ狂気って言われるんですけど。
【くっきー!】シショウは生きとしタブーなんで(笑)。命を与えられてはいけない人間、人の外と書いて“人外”ですよ(笑)。シショウ、数も多いじゃないですか。僕は時間かけて打つなんですけど、シショウは常に打ち続けられるというか。心臓とか脳みそとか、すべておいてボアアップ(エンジンの排気量を増加させること)されているというか。一発が重い、ジャブがない。僕なんかは時間かけてためて、ためて昇龍拳みたいなもんですよ。シショウは、Aボタン押したら、すぐ昇龍拳出るみたいな(笑)。それはすげーっすよ。

――シーズン4、シーズン5をそれぞれ見た感想はありますか?

【くっきー!】そもそも、僕はザコシショウツボなんで、基本的に何しても笑ってしまうんですよ。立っているだけでも(笑)。基本の戦闘モードは裸ですけど(取材中に)こうやって服を着ているだけでも笑ってしまう。ほかの回の『ドキュメンタル』は芸人目線というか、演者側の目線で見ちゃうんですよ。このツッコミ上手とか。ザコシショウの回にいたっては、ただただ単純に楽しむ。ええお酒のつまみになるんですよ(笑)。めちゃくちゃオモロないですか、シショウって(笑)。
【ザコシショウ】オレもそうよ(笑)。だいたい、そのほかのシーズンって優勝云々っていうよりも、地上波でできるようなボケをするじゃないですか。でも(くっきー!は)地上波でできへんようなことをやるから(笑)。そういうのこられたら、僕は笑ってしまうので。ほかにやっている人も面白いんですけど、吹き出して笑うっていうものではないかもしれない。(くっきー!が)一緒だったら、やべーっすよ。

――ザコシショウさんは出られたシーズン5は同期の芸人さんが多かったですね。

【ザコシショウ】ケンコバとかたむけんとか陣内(智則)とかね。ケンコバとはよう絡むんですけど、陣内とか、たむらけんじと絡む機会が少なくて、なんだったら、ちょっとあんまりたむけんのこと好きじゃなかったんですけど(苦笑)、でも一緒にやってみて、すげー誤解していたというか、ボケたらいちいちつっこんでくれるし、コイツいい奴やなって思って、ちょっと好きになりましたね。

――この人とは『ドキュメンタル』で戦いたくないという芸人さんはいますか?

【ザコシショウ】ケンコバって、タイマンで対決ってなったら、絶対に勝たれへんな。笑わんやろオレのことで(笑)。
【くっきー!】見すぎているっていうのもあるかもしれないですね。
【ザコシショウ】ケンコバのツボって、人と違うかもしれないですね。そのくせ、温かい笑いで笑うことあるでしょう(笑)。
【くっきー!】意外と楚々をしたら叱ったりしますからね。不思議な人ですね。

■スベり慣れることの強み 芸人の度胸試される『ドキュメンタル』

――『ドキュメンタル』に出るとパニックでおかしくなるという芸人さんもいらっしゃいますが、お2人は平常心で挑まれているように見えます。

【くっきー!】戦ってきた場所が違うっていうのはあるかもしれないですね。僕はちゃんとした番組で戦っていなかったので(笑)。これ、変な番組じゃないですか(笑)。松本(人志)さんがやっている中で、唯一ちゃんとしてない番組なので(笑)、空気は合っているのかもしれない。
【ハリウッドザコシショウ】何でもありやから。とりあえず6時間の中で笑わせたらいいっていうくらいで、そんなにルールがないから。例えば大喜利です、モノボケですって言われると、そんなに突出して強くないのかもしれないですね。
【くっきー!】ほかの人からすると、ルールがない方が怖いのかもしれないですね。
【ザコシショウ】そういう意味では、狂人発掘番組じゃないですか(笑)。

――『ドキュメンタル』前日にはどんな準備をされているのでしょうか?

【ザコシショウ】初めて出た時はどうなるんやろう、通用するのかなって思っていたんですけど、2回出て、シーズン7の前の日はそんなに「うわー」っていう気持ちはなかったですけどね。優勝っていう気持ちじゃなくて、ちょっとだけ肩の荷が下りて、爪痕残せたらいいなっていう気持ちだったので、それがうまいこといったのかもしれないです。
【くっきー!】僕も出ていることが楽しいんですよ。近くでおもろいことをやっている人がいっぱいおるので、それを目の前で見られるっていう。やっている最中は、お金のことどうこうっていうことを忘れているので。出るのが楽しいんですよね。何のプレッシャーもなく、スベったらどうしようっていうのも考えなくなりましたね。
【ザコシショウ】(ほかの芸人は)けっこう気にするんでしょうね。スベったらどうしようとか。
【くっきー!】(ザコシショウに)終始スベってますもんね。スベリ慣れていますもんね。
【ザコシショウ】お客さんの前でスベリ慣れているから。
【くっきー!】(ザコシショウに)彼はスベり慣れている(笑)。
【ザコシショウ】あなたもすごいんだから(笑)全員そうじゃないですか。ちょっと返りが悪かったら、うわってなるような人たちばっかりだから。ジミー(大西)さんもそういうのないと思いますよ。この人(くっきー!)もスベり慣れていると思うので。芸人にはバカウケるけど。
【くっきー!】お笑いをちゃんとしてはる人ほど、大変かもしれないですね。スベって反省する人は出られないですよね。(自分たちは)スベることが悪いと思ってなくて、通常ですもんね。ウケたらラッキーで。

――『ドキュメンタル』に指名される喜びは、やはり特別なものですか?

【くっきー!】それはえげつなくうれしいんちゃいます。初めて出る時に跳ねて喜ぶくらいでしたね。その後、100万どうしようって大問題が生じたんですけど(苦笑)。
【ザコシショウ】初めての時、金なかったんや。僕も松本さんの番組は全部、指名されたらめちゃくちゃうれしいですよ。だって、厳選された10人ですから。

――試合中には、ボケを振ったりといった“チームプレイ”も見られますね。

【ザコシショウ】すげーありがたいですよ。やっぱり何を振られるかわからんから、ずっと気を張っていましたね。ボケを間違えるとか最悪じゃないですか。2択で間違える場合もあるからね。ずっとどっちって考えて。これは絶対っていうときもあるけど、どっちかわからん時もあるからね。場の空気によって。
【くっきー!】考えすぎたら裏いってしまうっていうのがあるので、基本的には瞬発力でって思っていますけど、迫られる時ありますよね。僕、だいたい間違えるタイプなんです(笑)。

■くっきー!の芸人人生救った大阪時代の思い出 ザコシショウの転機となった『あらびき団』

――せっかくなので、お2人の大阪時代の話も聞かせてください。

【くっきー!】僕がやめるって言った時に、やめるなじゃないですけど、そういう風に言ってくれたのがシショウとケンコバさんでしたね。
【ザコシショウ】説得しに行ったんですよ。ケンコバと2人で。20年くらい前に心斎橋筋2丁目劇場のライブで落ちちゃって。
【くっきー!】素人に戻されるってなったんですよ。
【ザコシショウ】やめてどうするのって話をして、好きだからオレらが見たいネタやってよって。
【くっきー!】あれがあったから今がある。大感謝しかないですよね。
【ザコシショウ】感謝してる(笑)?
【くっきー!】いや、言ったやろ(笑)。しつこいわ(笑)。

――芸風に迷い、限界を感じたことはありますか?

【ザコシショウ】ありましたよ。コンビ(G☆MENS:ジーメンス)を解散して相方が普通に仕事するっていう時に、コンビからピンになるって、えらいしんどかったですからね。今までやってきたことが使えなくなるっていうところで、イチからピン芸人を耕さないといけないかなって。最初の方はジーメンスでやってきたものをひとりでやっていたからまったくウケへんよね。パワーダウンですよ。
【くっきー!】誇張しすぎたものまねでバーンといったんですか?
【ザコシショウ】(東野幸治と藤井隆がMCを務める)『あらびき団』で(『キン肉マン』のキャラクターである)アシュラマンの漫談とかってをやっていて。そこで「これは売れたな」と思ったけど、ギャラが地獄やった(笑)。7本撮りとかしても5000円とかやったよ。日給ですって言われて(笑)。でも『あらびき団』は名前がすげー全国に売れたから、あれは感謝してますよ。

――毎年年末に行われていた『あらびき団』特番が、今年は開催されませんでしたね。

【ザコシショウ】されなかったですね。総合演出の方から、申し訳ございませんでしたってメールがご丁寧にきましたからね。僕に謝ることじゃないですよって(笑)。僕『あら-1グランプリ』の第2回優勝者で、その2年後に『R-1ぐらんぷり』を取っているんですよ。『水曜日のダウンタウン』の替え歌のやつも取っているからね(笑)。
【くっきー!】めっちゃ取ってますね。でも、『水曜日』のやつは替えてないけどね(笑)。オレはちゃんと替えてるんですよ。(ザコシショウは)ちゃう歌を歌うでしょう?
【ザコシショウ】替えとるわ(笑)。あなたが替えすぎ。歯の替え歌とか何なん(笑)。

――今後の野望について教えてください。

【くっきー!】上岡龍太郎さんみたいに、ある一定のタイミングでパッとやめたいですね。マジでどこかでやめたいんですよ。そのやめるタイミングを模索中というか。やめても大丈夫なくらい、お金を貯めて、急にパッと消えたいですね。シショウ、ずっとやりたいです?
【ザコシショウ】オレはずっとやりたいね。
【くっきー!】80歳になっても?
【ザコシショウ】80歳か…。ヨボヨボ、もうタルタルやもんな。裸じゃ見てられないもんな。だから、続けるなら鍛えていかなアカンな。タルタルを見せるのはな。ちょっと鍛えていかないといけないな。

――最後に、お2人にとって『ドキュメンタル』とはどんなものでしょう?

【くっきー!】僕のイメージでは、芸人ふるいざるみたいな。ふって、いらんもんは落ちていって、いいもんだけ残されていくというか。ダメな印象を与えられる芸人もいれば。ふるわれてダメっていう人もおれば。より純度の高い、芸人が選ばれていくところかな。
【ザコシショウ】本当に面白いものを追求した番組じゃないですかね。いろいろありますよ。面白いものっていうのは。お客さんにでも、それを全部見ると、芸人を笑わす芸人の方がよりコアなことをやっているから。単純なボケの面白さとかだったら、『ドキュメンタル』が一番面白い。

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