なぜF-14(トムキャット)は愛され続ける? 映画『トップガン』がモデラーに与えた影響力

オリコン

 1958年に産声をあげた国産プラモデルにおいて、黎明期から現在に至るまで、その歴史を支えてきたのは戦車・艦船・航空機といったスケールモデル(※縮尺に基づいて忠実に再現した模型)だ。中でも、映画『トップガン』でも活躍し、“最高の航空機”との呼び声もある「F-14トムキャット」は今なお根強い人気を誇っている。ここで紹介するのは、2003年のイラク戦争の際、「イラクの自由作戦」に参加した当機体をイメージしたもの。制作者であるスギモトカステン氏(@kuromedakaf14)に、トムキャットの魅力に気づいた原体験や、1/144の模型に命を吹き込む“匠の技術”について聞いた。

【写真】トムキャット、零戦、スピットファイア…エース機が勢揃い

■可変翼で美しいフォルムのトムキャットは一番好きな機体

――本作のテーマを教えてください。

【スギモトカステン】作品名は『VF-154 BLACK KNIGHTS』です。 1/144サイズを感じさせない作品を目指しました。

――使用したキットは?

【スギモトカステン】キットは、ドイツのプラモデルメーカーRevell の1/144 F-14A TOMCATと1/144 F-14D SuperTomcatです。フィギュアは、ガレージキットディーラー英国雑貨店のマーチンベイカー GRU-7Aパイロットフィギュア付きドラゴンキット用を使用しました。

――本作を作るキッカケは何でしたか?

【スギモトカステン】飛行機模型専門誌『スケールアヴィエーション』でコンベンションがあって、お題が僕の好きなトムキャットだったので制作しました。

――トムキャットへの思い入れは?

【スギモトカステン】トムキャットといえば、トム・クルーズ主演の映画『トップガン』ですね。主人公のマーベリックが一流パイロットへと成長する分かりやすい成長ストーリーなのと、リアルなドッグファイトは子ども心に痺れました。特に、空母発艦シーンのオープニングで流れる主題歌「デンジャー・ゾーン」は最高ですし、最後の戦闘シーンはいつ観てもドキドキします。

――映画『トムキャット』で感じた原体験は強烈ですね。それ以外で本作に影響を与えたものは?

【スギモトカステン】僕は空母艦載機が好きで、中でもアメリカ海軍の空母航空団の1つ「第5空母航空団(CVW-5)」が一番好きです。なのでよく厚木基地の春祭りに行っていたんです。今でもトムキャットを展示しているので必ず記念撮影をしています。それに、昔は上空をトムキャットが編隊を組んで飛んでいたのでよく眺めていました。あの頃がとても懐かしいです。

――生でトムキャットの飛行を見ていたんですね。

【スギモトカステン】今では、偵察、対地、対艦攻撃、電子戦、給油までこなしてしまうマルチロールファイターの戦闘攻撃機F/A-18E/Fスーパーホーネットが空母甲板を占めていますが、僕は空母艦載機それぞれの役割を持っていたトムキャット、ホーネット、プラウラー、バイキングなどが存在していた時代が好きです。特に可変翼であの美しいフォルムのトムキャットは一番好きな機体です。

■歴史の学びを模型制作に生かすことで“リアリティ”が増す

――制作にあたって、トムキャットの歴史であったり資料を調べたりするのでしょうか。

【スギモトカステン】はい。本作は2003年のイラク戦争の際、実際に「イラクの自由作戦」に参加した機体をイメージしています。なので、映画やアニメというよりも、より正確で細かな情報のある『航空ファン』『Jウイング』といった飛行機雑誌や、トムキャットの写真集などに載っている写真などを参考にしました。

――スケールモデルを制作するにあたっては歴史も学ぶということですね。

【スギモトカステン】作りたい部隊がどのような戦争に関わり、どんなミッションをしたのか?そこで使われた武器などは調べます。その時のカラーリングなどは、同じ機体でも、時代や戦場の場所によって塗りかえてあるので、そうした資料を探すところからはじまります。そうした積み重ねが模型に“リアリティ”さを与えるんだと思います。

――フュギュアの作り込みも素晴らしいです。

【スギモトカステン】2人のパイロットをそれぞれ違うポーズに改造し、フィギュアに“個性”と“表情”をつけました。具体的にはフィギュアの頭と腕を切断し、頭の向きを変更するのと、腕は新しく作り直しました。どちらも両手の指まで削りこんでいるので、雰囲気は出たんじゃないかと思います。

――トムキャット制作で苦労した部分は?

【スギモトカステン】どのメーカーのトムキャットもそうですが、自分が作りたい2003年「イラクの自由作戦」仕様に武装したキットがないんです。出来るだけミッションと同じようにしたいので、ペイブウェイIIはドラゴンのキット、LANTIRN、ミサイルランチャーはGoffy Modelのレジン改造パーツを使用しました。フェニックスミサイルは、当ミッションでは使っていないと思いますが、個人的に好きなのでReVellより形の良いマイクロエースのエアクラフトウェポン アメリカミサイルセットから流用しました。フェニックスミサイルを取り付けることで力強さが増すので、1つの見せ場になったと思います。

――いまスケールモデルで力を入れている表現は?

【スギモトカステン】1/144という小さなスケールですが、可能な限りディテールを加えて、必ずフィギュアを乗せるようにしています。フィギュアはとても小さなものですが、それを使用することによってスケール以上のものが表現できると思っています。ただ、フィギュアを使用することは、場合によっては“トイ色”が強くなってしまうことがあります。小さいけれど作り込みには妥協せず、リアルティは追求したいと思っています。

――では、次に挑戦したいスケールモデルを教えてください。

【スギモトカステン】第二次世界大戦ものであれば旧日本海軍の零戦(零式艦上戦闘機)、現用物であればアメリカ軍戦車でジオラマを作ってみたいと思います。

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