すごいけど…なぜ缶ビール?「ネイルは“不要不急”ど真ん中」自粛期間を経て見出したネイリストの矜持

オリコン

 金麦やスミノフ、ストロングなど、様々なお酒を爪に描くネイリスト、MARINAさん。自分らしいネイルを模索した結果、大好きな『金麦』のパッケージにたどり着いたという。そのネイルをインスタで公開するとこれまでにない反響が。しかしその完成度に満足できず、改良を重ねて試行錯誤した結果、たくさんのお酒アートが誕生したという。MARINAさんにお酒アートへの思いや、コロナ禍のネイルサロンの現状について聞いた。

【ネイル傑作選】「酒豪のアート」金麦にオリオンビール、レモンサワーに味覇まで‥

■自分らしいネイル求め、たどり着いた“金麦”「自分で自分に引きました(笑)」

――お酒ネイルアートを始めたきっかけを教えてください。

【MARINAさん】自分のネイルを付け替えるタイミングで、トレンドのネイルをするんじゃなくて、自分らしいネイルは何かないかと思い、悩んでいました。そんな中、ビアガーデンに行く機会があり、そこでいろんな種類のビールが並んでいるのを見て、「これだ」と思いました(笑)。

――確かにお酒のロゴのネイルは見たことないですね(笑)。『金麦』のネイルに多くの反響が寄せられていましたが、他にどんな種類のお酒を選んだのでしょうか。

【MARINAさん】最初は『金麦』、『オールフリー』、『ザ・プレミアムモルツ』、『頂』、SUNTORY様のロゴ、という5種類でした。描いている最中は夢中で楽しかったものの、描き切った瞬間は正直、自分で自分に引きました(笑)。いくら好きでもここまでするか、と。我ながらよく諦めなかったなあという、どこか俯瞰したような気持ちでした。でも完成に辿り着けたことは素直に嬉しかったですし、早くみんなに見てほしい!とも思いました。

――MARINAさんが投稿した写真をTwitterでほかの方が紹介しており、そのツイートが16万いいねと大きな反響がありました。

【MARINAさん】そのツイートから私のアカウントを探してフォローしてくださる方がとてもたくさんいらして、自分の作品に興味を持ってもらえるのが嬉しかったです。最初バズっているのを知らなくて、なんでかよく分からないけどインスタのフォロワーさんが増え続ける、という現象はちょっとドキドキでした。友達やお客様からも「バズってますよ!」「すごい!」とご連絡をいただいて嬉しかったです。投稿してくださった方には感謝しかありません。

■自粛期間でも描き続けたネイルアート 休業を経てお客様と触れ合える幸せを再確認

――作品が多くの人に知られるようになって、お酒ネイルアートをお客様に依頼されることもあるのでしょうか。

【MARINAさん】あります。お客様が好きな銘柄、彼氏さんが好きな銘柄、成人式の当日用、MARINAさんに描いてもらうならやっぱり金麦!など…いろんなオーダーをいただきました。いらっしゃるお客様はとても楽しみにしていらして、ご来店前にお友達に「こんなのやってもらうんだ!」と宣言し、施術後は会う人会う人に自慢する、というお声を多くいただきます。自慢してもらえるって、とても嬉しいことです。

――そのオーダーもコロナの影響でストップしてしまったんですね。

【MARINAさん】私の職業は「不要不急の外出」のど真ん中といえる業種です。ネイルは近距離で対面での施術になりますので、お客様の安全の確保を最重要視し、緊急事態宣言の発令中は休業をしておりました。ですが、何かできることはないかと考え、オフ(ネイルを外す作業)をご自身でできるように手作りのキット製作を決めました。問題はオフの仕方をどう伝えるかということでしたが、生まれて初めての動画編集に挑み、試行錯誤の末、つたない動画をなんとか完成させてお送りすることができました。

――コロナ禍での休業中もお酒アートを描き続けていたとか。

【MARINAさん】そうですね。ネイルチップを作ってはSNSに投稿し続けていました。お会いできないお客様に忘れられてしまうのが怖かったのと、筆を持たない日が続くのが嫌だったのです。私はお客様の理想を超えたところにある「感動」をご提供できるように日々技術を磨き、最高のネイルを楽しんでいただきたいと思っています。お客様にお会いした時に「腕が落ちた」なんて思わせてしまってはプロとして情けないので、休業中でもネイルを描き続けていました。

――YouTubeチャンネルも始めたそうですね。

【MARINAさん】実はかねてよりお客様からの要望が多かったので、ある意味これもいいタイミングかなと。こんな時でもないと勉強できないしなぁと、偶然にもチャンスをもらえてしまったような感じでした。

――営業を再開させてからは、どうだったのでしょう。

【MARINAさん】予想はしていたのですが、スタートダッシュを切ることはできませんでした。対面、近距離の施術ですから警戒されるのは当然ですし、むしろそのくらいのほうがいいとも思っていました。それでも、少しずつ戻ってきてくださるお客様が口々に「会いたかった!」と言ってくださるのは本当に嬉しかったです。私と同じ気持ちでいてくださったんだ!と感激してしまって。確かにコロナは憎いですが、お客様の手に触れて、お話しをして、笑顔を見ることが出来る。これがどんなに嬉しくて貴重で幸せなのかを再認識させてくれたのも、コロナでした。

■ネイルの魅力は“心の潤い” サロンで生まれるコミュニケーションが付加価値に

――コロナ禍で、外出が少なくなる中でもお店でネイルをしたいという人が多いと聞きますが、ネイルの魅力とは何なのでしょう。

【MARINAさん】目で楽しむのはもちろんですが、実は心に潤いを与えるという点だと思います。ネイルの施術は私たちとお客様のコミュニケーションです。私たちがお客様の過ごしたい時間に寄り添うことで、仕上がったネイルには「こんな話をしたなぁ」とか「ゆったり過ごせたなぁ」とか、ストーリーが生まれる。それはセルフネイルにはない付加価値であり、ネイルが更に魅力を増し、“心の潤い”になるのだと思います。

――コロナ禍で人とのコミュニケーションが減っている今、よりその魅力が“心の潤い”につながっているんですね。

【MARINAさん】ネイルの付け替えは1ヵ月前後が目安です。大人になると、毎月会うお友達は意外と少なかったりしますが、ネイリストはお客様と毎月お会いして、いろんな会話をします。ある意味お友達よりも身近な存在かもしれない私が、ネイルの提供だけをするのはもったいない。コロナ禍の今だからこそ、コミュニケーションの時間を楽しんでいただきたいし、あわよくば私だって楽しみたい。自分ごと楽しんでしまった方が、きっとお客様も心を開いてくださると思っています。

――今後もネイリストとして、作品の投稿を続けていきたいですか。

【MARINAさん】続けたいですね。全力で施術した作品を投稿することで、それが誰かの心を動かしたり、新しい繋がりをもたらしてくれたりします。自分でも信じられないようなところで、誰かの元気に繋がっていたなんてこともあって、感謝したいのはこっちのほうだ!とひっそり家で泣いたこともありました。SNSはちょっと苦手なのですが、日々更新するのをサボらないように気を付けます(笑)。ネットを通じていろんな方からいただく声が励みになっているので、ありのまま、私のネイルを発信していきたいです。

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