井ノ原快彦 “息子”道枝駿佑に“タメ口”を提案「彼に助けられた」

オリコン

 家族愛、友情、青春、恋愛…色とりどりの要素が2時間という箱のなかでぎゅっと詰め込まれ、観た後にホッと、あたたかい気持ちになれる。まさに映画『461個のおべんとう』(11月6日公開)は、手作りのお弁当のような作品だ。主演は俳優・MCなどマルチに活躍する井ノ原快彦(44)。彼が演じる主人公・鈴本一樹とお弁当を通して絆を深める息子・虹輝役の道枝駿佑(18/なにわ男子・関西ジャニーズJr.)。年齢は二周りほど違い、はっきりと会話を交わすことも初めてだったという道枝との“親子関係”をどう築いていったのか、井ノ原が合同インタビューで語ってくれた。

【場面カット】メガネもお揃い…井ノ原快彦&道枝駿佑“親子”

 今作は今年結成30周年を迎えるヒップホップバンド・TOKYO No.1 SOUL SETの渡辺俊美による感動のお弁当エッセイ『461個の弁当は、親父と息子の男の約束。』(マガジンハウス刊)を、『461個のおべんとう』として映画化。高校入学を機に、シングルファーザーでミュージシャンの一樹は、一人息子・虹輝の要望で毎日お弁当を作ることになり、親子は大切な約束を交わす。高校3年間、『毎日お弁当を作る』『休まずに学校へ行く』――。

 「お弁当と親子の話だけでなく、要素として音楽の話や学園モノ、恋愛もあって奥深い作品だった。原作の渡辺俊美さんの人の奥深さも感じられました。物語の中で、僕が一番好きなのは人が死なないこと。人が死なないっていいなと思いました。平和が一番です(笑)」とドラマでは刑事役でおなじみの井ノ原だが、ジョークでこちらを和ませる。

 両親の離婚、受験失敗から浪人、1年遅れの高校生活を始めることとなった虹輝とそれを見守る一樹。言いたいことをあまり表に出さない内向的な虹輝だったが父のお弁当をきっかけに周囲との関係も変化していく。そんな彼を天真爛漫でありながら父として見守る一樹。おそろいのメガネ姿がどこか似た佇まいを感じさせるが、役作りの一環として、井ノ原は道枝に“タメ口”で話すことを提案したという。

 道枝は学校を舞台にしたシーンが多く、2人の共演シーンは多くはない。「常にお互い、お互いのことで悩んだり前に進もうとしたりしているけど、二人で交わしている言葉ってそんなにいっぱいはない。あっても口撃されるとか(笑)。一緒に出ていないシーンで、虹輝が父親のことで悩んでいたり、一樹の存在が浮き彫りになったりする。一樹も、新しい恋愛をするにしても息子の存在だったり、音楽をやっていてもお弁当のことを考えたり…結局、虹輝のことが頭にある」と様々な要素を持つ今作だが、2人の関係性が物語の軸となる。

 2人がはっきりと会話を交わしたのは、昨年なにわ男子と同じ会場になる機会があり、その時に「『今度映画で共演するのはあの子じゃないかな』と思って、『映画…やる子?』って聴いたら『そうです』って。丁寧な子だなと、なかなか親子というのは想像できなかった」と話す。

 「マネージャーさん経由で連絡先を交換して、やり取りしていると向こうからきてくれる。イマドキの10代の子っていいなと。緊張しているんだろうけど、撮影中もフッと隣に座ったりしてくれるので、第一印象から比べたら、思ったより苦労はなかったです。タメ口も板についてきて、関西の子らしくたまに突っ込んでくれるんだけど、育ちがいいから勢いをつけない優しいところもあって(笑)」とうれしそうに語る姿からは打ち解けた喜びを感じさせる。近すぎず遠すぎない、父と思春期の子を演じる上で、「彼に助けられたところがあります」と感謝した。

■“息子”道枝駿佑の印象は「一生懸命に真摯に向き合っている人」

 そんな道枝の印象は「一生懸命に真摯に向き合っている人。一緒に取材を受けた時にジャニーズのことを一生懸命考えていて。彼はジャニーズのことが好きだから、『ジャニーズもSNSを始めたけど、なぜ今までやっていなかったかってことをもう一度考えたい』って言っていて…。それはジャニーさんが守ってきたものでもあるから、僕はしっかり考えたい、と。それってイマドキの子にしたらすごいじゃないですか」と年下の後輩にも素直に敬意を表す。

 撮影では「最初から道枝くんは僕より大きかった。でも気付いたら大きくなってたっていう風にしたいなと。だからほとんど同じフレームに映る時は、どちらかが座っていたり離れていたり…背丈がわかるのは最後だけ」という工夫も。「最後のシーンだけ二人で芝居の話をしました。そしたらしっかり考えてて、このせりふってどういうつもりで言ってるのかな?と聞かれて、『僕はこう思うけど、それは僕が思うだけで、自分で思ったのでいいんじゃない』とかその1回だけでした」。自然体で親子関係を表現している。

 さて、コロナウイルス感染症が流行する前に撮影された今作には、コロナ流行前までには確かにあった「それ、ちょうだい」とおかずをつまむ、お弁当を一緒に囲むが描かれている。井ノ原は「これは、道枝くんも監督も言っていたのですが、コロナが撮影と公開の間に挟まることで、そこに残っている映像は当たり前ではなくなった。元々、“当たり前”なことはないけれど、それをより強く感じています」と話す。

 「道枝くんの世代は僕らが感じていないようなことを感じている。物心がついた頃に震災があって、彼は関西出身なので阪神大震災の話も聞かされて育ったからこそ、感じていることもあるみたいです。お弁当というもののあたたかさ、親に作ってもらって食べていた人もいると思うけど、それも含めて当たり前ではない。俊美さんは福島出身で“食”に関して風評被害のこともも身近に感じていただろうから…ひとつの弁当のあたたかさと重みが映画のなかに詰まっているんだな、と思います」。

 今、人々が世代を超えて感じていること、“当たり前はない”。当たり前じゃないからこそ、大切にしたい。誰かを想う気持ちのこもったお弁当を通してそれを感じさせてくれる作品になっている。

関連リンク

PR

オリコン アクセスランキング

PR

注目のテーマ

福岡ソフトバンクホークス アクセスランキング