「仕事も家事もしっかりね」”おせっかい”義母の重たい価値観、「幸せの基準は自分で決める」作者の想い

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『ママの求人』で連載され、義母との関係に悩むママたちから共感を集めた漫画『フツウって、しんどい。~母親らしさってなんですか?~』が、特別書下ろしの新録エピソードを加えて書籍化。11月18日に発売された。仕事と育児の両立を目指したいのに、40年専業主婦を務めてきた義母の「仕事なんかやめて子育てに専念すべき」という“見えない圧力”や過度なおせっかいに悩むママのモヤモヤを描いた内容だ。作者が導き出した「フツウの母親」とは。さらに、義母の人生観まで考えさせられる物語に込めた思いとは何か。

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■「罪悪感を持つことをやめた」、子どもにはママが夢中になる姿を見せたい

――連載を始めたとき、3人目のお子さんはまだ1歳ちょっとだったそうですね。

【龍たまこさん】「ママが働くこと」「女性と仕事」などをテーマに、漫画を描いてほしいという依頼をいただき、絶対やりたいと思ったんですけど、まだ仕事量をセーブしなければならない状況でした。正直、かなり葛藤がありましたね。

――物語の主人公・あかりも、働きながら育児をすることに葛藤を抱いていました。

【龍さん】そうですね。「小さい子どもを預けてまでやる仕事なのか」とか、「上2人は幼稚園だったのに、3人目だけ保育園に入れる」とか、あかりと同じように「自分の中のフツウの母親像」と向き合っていました。

――実体験での想いが作品に反映されているんですね。

【龍さん】多くの女性が、母親になった途端、「自分の好きなことに夢中になること」に罪悪感を持つんですよね。「時間があったら、子どもに絵本の1冊でも読んであげたらどうなの?」って言われたりするし。でも、私は周囲になんと言われても、自分の好きな仕事をやって、その姿を子どもたちに見せたいと思いました。締め切り前は、デリバリーやお惣菜の食事が増えましたが、それに罪悪感を持つこともやめました。一般的なフツウに自分を当てはめるのではなく、“自分の中の幸せの基準=フツウ”を決めることが大事だと思いましたね。

■「悪気がないから余計ストレス」、義母の過干渉へのアレルギー

――読者からたくさんの反響があったそうですね。

【龍さん】主人公のあかりと同じ30代前半のママ向けに発信していたので、あかりに共感する声がとても多く寄せられました。印象的だったのは、自分たちの領域に踏み込まれるのは嫌なんだけど、お義母さんにまったく悪気がないという“過干渉アレルギー”を抱えているママたちが多いことでした。同時に、義母世代の方からも、「自分もこんなふうに、無意識に過干渉になっているかもしれない」という感想をいただいて驚きましたね。私の場合は、お義母さんとは良好な関係なんですけどね(笑)。

――専業主婦として家庭に人生を捧げてきたお義母さんですが、物語の後半では、自分の人生や幸せについて考え始めます。

【龍さん】読者からは、「お義母さん嫌だなって思ってたけど、急に応援したくなった」とか、「お義母さん可愛い」という意見が増えてうれしかったです。義母の心情についても丁寧に描いてきたつもりでしたし、義母にもちゃんと幸せになってもらいたいと考えていたので。

――夫や義父など、ほかの登場人物も、「当たり前」の価値観から解放されて自分の人生をしっかり歩んでいきます。

【龍さん】「現実はこんなにうまくいかないですよね」とか「理想論すぎる」という意見もいただきましたけどね。もちろん現実は、漫画のようにうまくはいかないと思います。ですが、私は「こんなふうになったらいいな」という想いを形にできるのが創作の力だと思うんです。そして、自分の人生を楽しむのに遅すぎることなんてない。すべての人に、そのメッセージを伝えたいと思いました。この想いが誰かの心に届いて、何かちょっぴりでもその人の人生にいい影響を与えられたら、作者としては最高に幸せです。

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