公表する著名人も増加…発達障害やHSP、精神科医が明かす「向いている職業」

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 日本でも、徐々にメンタルヘルスへの意識が高まり、精神的な問題にも目が向けられつつある昨今。著名人の中でも、自身が発達障害であることを公表し、いかに生きてきたかを語ることも多い。また、最近ではロンドンブーツ1号2号の田村淳が、“とても繊細な人”を表すHSPであることを明かした。これらについて、著書『ストレスフリー超大全』(ダイヤモンド社)を発表した精神科医・樺沢紫苑氏は、どのように見ているのか? YouTube『樺チャンネル』も好評の樺沢氏に、現代人が抱える心の不安や悩みについて、語ってもらった。

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■ビル・ゲイツ、勝間和代、三木谷浩史らも公表、発達障害に向く職業とは

――最近では有名人の発言などもあり、発達障害への理解も広まってきて、専門外来を持つ病院を訪れる人が急増しているといいます。もし自分が「発達障害かも」と感じたら、どうすればよいでしょうか。

 「最近の研究では、発達障害を持つ人は人口の10%ほど存在すると言われています。グレーゾーンに関しての統計はありませんが、多くの疾患では患者数と同程度かそれ以上の予備軍がいると考えると、最大で10%…つまり、10%プラス10%、人口の20%ぐらいの人が該当してもおかしくないのです。5人に1人の計算になるので、『自分は発達障害なのでは』と感じても、そんなに悲観したり、落ち込んだりする必要はありません」

――発達障害と診断された場合、精神科医としてはどのようなアドバイスをしますか?

 「発達障害というものは、その人の一つの“特徴”にすぎないんです。それを欠点にするのか、長所にするのかはその人次第だと思います。例えばビル・ゲイツさんとか勝間和代さん、楽天の三木谷浩史さんは発達障害であることを公言しています。このように社会的に大成功している人もいるわけなので、別に発達障害だからといって人生が終わりだということはないんです。社会でうまく人間関係を作っていくのは苦手かもしれませんが、そうじゃない才能、特徴がある。それをうまく生かしてほしいなと私は思います」

――むしろ、職業によっては長所にもなりうるわけですね。

 「そうです。例えば発達障害のうちADHD(注意欠陥・多動性障害)だと“多動”ですので、経営者に多いんですよ。忘れ物が多かったりもしますが、すごく外交的でいろんな人とアクティブに会ったりもできます。そのため、営業の仕事にも向いていますね。先日、『発達障害サバイバルガイド』の著者の借金玉さんと対談をしたのですが、営業の仕事をしていた時は職場で成績1位を獲ったとおっしゃっていました。ほかに、ひらめきや企画力、行動力が求められる企画開発やデザイナー、アーティストにも向いていると言われています。ただ、合わない場所だと、仕事が1ヵ月も続かないということもあるようです」

――その合わない場所とは?

 「例えば、緻密なデータや細かいスケジュールの管理、長期的な計画を立ててじっくり進めなければいけない仕事、行動力より忍耐力が必要とされる作業です」

――ASD(自閉症スペクトラム)の方の場合はどうでしょう。

 「ASDは以前はアスペルガー症候群と呼ばれていましたが、相手の気持ちを読むのが苦手でコミュニケーションが下手。社会に適合しにくいことも多いため、1人でやる仕事が向いていると思います。例えばSEのようにパソコンに向かって淡々と何かをやり続ける仕事。規則性、計画性が求められる設計士や研究者。膨大なデータを扱う財務や経理、法務にも向いています。逆に向いていないのは、顧客ごとの個別対応や計画が随時変更していく作業、対話、コミュニケーション中心の仕事など。また、上司からの曖昧な指示に対応するのは苦手とされています」

――最近、よく「繊細すぎる、敏感すぎる人」として話題になるHSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)についても教えてください。

 「HSPは生まれつき敏感で、周囲からの刺激や他人の感情を過度に受け取ってしまう人のことです。ですが、言い換えれば相手の気持ちを理解できるということなので、共感性が高いという特徴がありますよね。良い悪いということでもありませんし、人口の20%がHSPだといわれています。病気ではないので、それほど気にしなくても良いでしょう。思い当たる人は、敏感になりすぎないよう、対処法を見つけて学んでいくことが大切です。ミュージシャンやアーティストの方にも多いのですが、感覚が鋭すぎるために人間関係では疲れやすい面はありますが、創作活動においては才能にもなります。その才能を上手に生かして武器にできるか…それは本人次第と言えるでしょう」

(文:衣輪晋一)

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