イモトアヤコが感じる危機感、支えるのは仲間、友人、夫…「私がいられるのは人との出会いがすべて」

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 昨年、自身が出演するバラエティ番組『世界の果てまでイッテQ!』のディレクターと結婚したことを発表したイモトアヤコ。そんな彼女が、これまで出会った大切な人たちへの思いを綴ったエッセイ集を発表した。誰もが知る人気者となっても、人知れず抱いている危機感や葛藤。そして、それを支えてくれる仲間や夫、友人たち。厳しいロケにも負けない、イモトを形作るものとは?

【2ショット写真】ギリギリ限界! 夫・石崎史郎Dと過酷ロケに挑むイモトアヤコ

■想像を超える出来事も、「それでもやっぱり『いい人生』」

 エッセイ『棚からつぶ貝』(文藝春秋刊)は、ライフスタイル誌『CREA』で連載中のコラムを書籍化したもの。これまでも何冊か本を出したことがあるイモトだが、「2017年から、すごくゆっくり自分や周囲の人と向き合いながら丁寧に書いた文章。100%私の言葉で書けたという意味では思い入れが強いですね」と満足そうな表情を見せる。

 本のなかにはバラエティ番組『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)で、世界中を旅したイモトならではの面白エピソードも満載。いまやイモトと言えば海外ロケというほど、お茶の間での認知度も高いが、「19歳のときはパスポートも持っていなかったですし、動物も犬ぐらいしかふれあう機会がなかった。まさか将来、あんな山を登るとも思っていなかった(笑)」と、現在の活動はまったく予期していなかったという。

 もともと小さいときから「人生は変化するのが当たり前」という考えを持っていた。そのときに起こることを受け入れて目の前のことに向き合う。もちろん不安やドキドキすることはあるが、予定調和ではなく“変化を求める”性格だった。

 だからこそ、どんなことがあろうと受け入れて現状を楽しめる。「小学校、中学校、高校といつも『いい人生だな』と思ってきたんですが(笑)、芸能界に入ってからもそれが続いている。『イッテQ!』に出演したときも、まさかこんなことをするなんて想像はしていませんでしたが、それでもやっぱり『いい人生だな』と感じていました」。

 予期せぬ方向に進んでも、現状を受け入れ、前を向けばいい人生と思える。この考えは、さまざまな人との出会いを生み、仕事の幅も広がった。バラエティ番組での活躍はもちろん、ラジオや女優業、さらに執筆までも行い、いろいろなイモトアヤコを見ることができている。

 変化を好むイモトにとって、こうした仕事の広がりは「とてもやりがいがあるし、モチベーションにもなっている」というが、一方で悩みもあるという。

 「やっぱり『イッテQ!』で元気に動物と戦っている姿の私を観てくれていた人が、ドラマでシリアスな役をやっていたら違和感があるかもしれない。その逆で、ドラマで真面目な役をやっているのに、眉毛の太い私を連想してしまったら作品の邪魔になってしまうのでは…ということは考えます」。

 こうした悩みに関して「解決方法は見つかっていないので、これからも悩み続けると思います」と苦笑いを浮かべていたが、「でも、なにをやっても自分は自分なので、とにかく正直でいることが大切だと思っています」と前を向く。

 周囲の環境が変わってもブレずに正直に――。それがイモトの理想とする生き方だというが、「でもたまにはブレちゃうんですよね。嘘というか、状況的に『こうした方がいいんだろうな』と、自分で思っていないことを言ってしまったり、行動してしまったりすることもあるんです」と正直な胸の内を明かす。

 それでも客観的な目線だけは忘れないように心掛けている。「ちやほやしてくださったりして浮かれちゃうこともありますし、『今日は雑だったな』とか『イキっちゃったな』ということもあります。でも、それに気づかなかったり、気づいていても自分がスルーしてしまったりしたら、おしまいだなという危機感はあります。だから、しっかり俯瞰的に自分を見る目は持つようにしています」。

 人気者になっても、奢らず浮かれず…そこには『イッテQ!』という番組で出会った人たちの温かさもある。「私がまだテレビに出ていないときから、知ってくださっている方たち。しっかりと指摘してくれますし、私自身も『イッテQ!』のスタッフさんや共演者の方々に恥じないようにしなければ…という抑止力にもなっています。やっぱり、私にとってはベース基地のような存在なんです」。

 イモトにとって大切な出会いとなった『イッテQ!』という番組。ベース基地の一人であるディレクター・石崎史郎氏と2019年11月に結婚した。仕事面でも変化はあったのだろうか。

 「一人のときよりも、より客観的になれたのかなと思います。例えば『棚からつぶ貝』の装丁でも、私は『イラストが可愛いな』とか、『西加奈子さんに帯を書いていただいて嬉しいな』なんて感想だったんです。でも夫は、帯にある私の写真(太眉でない、キレイにメイクした写真)を見て、『これ、最高に面白いね』なんて言ってくれたり。そういう意味では、何年もホームグラウンドで私のことを見てくれている人なので、仕事をする面でもすごく安心感があります」。

 仕事でもプライベートでも一緒となると、公私の切り替えの難しさを心配してしまうが、「まったくないですね」と即答する。「家で二人のときはプライベートだし、ロケで二人のときは仕事。その切り替えはスムーズです」。

■「いまこうして私がいられるのは、人との出会いがすべて」

 エッセイには、石崎氏のことをはじめ、海外で出会った人々、家族、そして最初に登場する先輩芸人のいとうあさこ、さらには安室奈美恵さんの思い出など、イモトのラブレターとも言えるような温かい思いが綴られている。

 非常にハートフルなイモトの人柄が垣間見えるが「私は聖人君子ではないので、わりと好きな人と苦手な人がはっきりしているんです」と意外な発言をする。そんななか、イモトが人間関係で大切にしているのは「好きだなと思った人には、自ら心を開いて接するように心掛けています」と極意を述べる。自分がオープンになることで、相手への好意は伝わり、相手も心を開いてくれるというのだ。

 イモトにとって惹かれる相手というのは「地に足がついている人」だという。「お金や力を持っているとか、そういうことではなく、自分の好きなことがあって『この人、しっかり生きているな』と感じられる人。そういう人って目がキラキラ輝いているんです」。

 これまでのイモトの人生には、こうしたキラキラ輝いている人との出会いが多かった。「私は人に出会う運を持っていると思う。それだけは本当に恵まれている。いまこうして私がいられるのは、人との出会いがすべてなんです」と断言する。

 世界中で新型コロナウイルスの感染拡大が広がり、多くの日常が変わった。会いたくても会えない人もたくさんいる。そんな状況下、このエッセイを読んでいると「人っていいな」と感じられる。「出会って友だちになろうと思わなくてもいいと思うんです。一歩踏み出すだけでなにかが変わるかもしれない。人の心って、変えようと思っても変えられない。でも、人は人でしか変われないと信じているんです。この本が、そのきっかけになってくれたら嬉しいです」と、本書に込めた思いを語ってくれた。

(文:磯部正和)

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