来季は多くの日本人ドライバーが活躍してほしい

共同通信

 まもなく2020年が過ぎ去ろうとしている。突如、現れた新型コロナウイルスによって、社会のあり方が劇的に変化させられた1年となったが、スポーツの世界も同様に大きく影響を受けた。中でも3月24日に決定した東京オリンピックの1年延期はもっとも大きなニュースだろう。

 モータースポーツも異例のシーズンとなった。F1は3月13日、開幕戦オーストラリアGPの金曜日フリー走行開始直前に突然のキャンセルが決定。7月5日のオーストリアGPで再開するまでシーズンが中断された。開催地も渡航制限などの関係から欧州と中東だけになり、北米や南米、アジア地域などで行われる予定だった13ものグランプリが中止に追い込まれた。ここには10月の日本GPを含まれている。

 今季は当初、全22戦の予定だったのでこのままでは9戦しか開かれないことになる。そこでオーストリアのレッドブル・リンクや英・シルバーストンなどで2週連続開催したほか、イタリア国内では会場は異なるものの3レース=イタリアGP(モンツァ)、トスカーナGP(ムジェッロ)、エミリア・ロマーニャGP(イモラ)=を実施するなどして、最終的には17戦を行った。

 ラリー最高峰の世界ラリー選手権(WRC)も第3戦ラリー・メキシコの最終日だった3月15日にレースがキャンセルされると、およそ半年間レースが行われなかった。再開されたのは、9月4日の第4戦ラリー・エストニアだった。

 F1と同じように渡航制限を考慮して、開催地は欧州に限定された。結果、政情不安からシーズン開始直前に中止が決まったラリー・チリ以外に、当初予定していた最終戦ラリー・ジャパンなど全8戦が取りやめになった。

 混乱はこれで終わらなかった。再スケジュールで追加されたラリー・ベルギーが新型コロナウイルスの感染再拡大から中止を余儀なくされたのだ。ラリーイベント数も7戦だけでシーズンを終えた。当初予定していたのは全14戦だったので半分しか開催できなかったことになる。

 F1ではルイス・ハミルトン(メルセデス)が自身7度目となる年間王者を獲得してミハエル・シューマッハーの記録に並んだ。また、WRCでは今季トヨタに加入したセバスチャン・オジェが、こちらも自身7度目となるワールドチャンピオンに輝いた。

 そして、来る21年は2人の日本人ドライバーに注目したい。1人目は、12月16日にスクーデリア・アルファタウリ・ホンダとの正式契約を発表した角田裕毅。日本人ドライバーの参戦は14年の小林可夢偉以来7年ぶりとなる。

 角田は今シーズン、F1の一つ下のカテゴリーであるF2で3勝を挙げた。加えて、ポイントランキングで3位に入りF1デビューに必要なスーパーライセンスを獲得した。F1アブダビGP終了後の12月15日に同GP開催地であるヤス・マリーナ・サーキットで実施されたヤングドライバーテストにアルファタウリ・ホンダから参加し、5番手タイム(8チームの15人が参加)を記録するとともに123周を走行して高い適応力を示した。

 2人目はトヨタ所属のWRCドライバーである勝田貴元だ。今年、最終戦のラリー・モンツァで自身初となるSS(スーパーステージ)トップを獲得してみせ、WRCトップドライバーと肩を並べる速さを示した。最高峰のWRCデビューから7戦目で結果を出した。今季は合計5戦のスポット参戦だったが、来シーズンはフル参戦が期待されている。勝田本人も以前「フル参戦して3年から5年でチャンピオン争いできる位置を目標としている」と語っており、まずは表彰台獲得を目指したいところだ。

 21年はこの2人を始め、世界耐久選手権(WEC)で初のドライバーズチャンピオンの座に就いた小林可夢偉(トヨタ)や3年連続でルマン24時間を制した中嶋一貴(トヨタ)、そして日本人ドライバーとしてインディアナポリス500(インディ500)で2勝目を挙げた佐藤琢磨(ホンダ)といったベテラン勢の活躍も引き続き期待できる。

 新型コロナウイルスが収束する気配はいまだ見えない。それでも、来年は多くの日本人ドライバーたちが世界の舞台で活躍する姿を応援し、楽しみたいものだ。(モータースポーツジャーナリスト・田口浩次)

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