水原希子、挫折や空回りも…紆余曲折経た30代のいま「自分のやりたいことが明確になった」
女優、モデルとして国際的に活躍する一方で、近年は個人事務所「OFFICE KIKO」でアートの発信をするなど主体的な活動も目覚しい水原希子。最新映画『あのこは貴族』で演じた時岡美紀は、自身の経験を投影したような役だと言う水原が、30歳になりどのような想いで本作に臨んだのか。がむしゃらに邁進した20代を経ていま思うことや、独立して仕事をしていく上で大切にしていることを語った。
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◆仕事や恋愛で傷ついたことも…その経験が糧となり今の自分を作っている
──本作には門脇麦さん演じる主人公・榛原華子、そして水原さんが演じる時岡美紀という2人のヒロインが登場しますが、台本を読んで「美紀は自分そのものだ」と感じたそうですね。
【水原希子】 素で演じられる直感がありましたね。年齢的にも近いですし、特に美紀の回想シーンはまるで自分の10代後半から20代を巻き戻しているような感覚がありました。地方のごく普通の家庭から上京して、東京への強い憧れから妙に背伸びをしてしまっていたことや、「頼れる人はいないんだから自分がしっかりしなきゃ」と思い込んでいたこと──。仕事で挫折したことも、恋愛で傷ついたこともいっぱいありました。だけどその経験がすべて糧となって今の自分を作っているんだなと、この役を通して改めて感じています。
──逆に華子役だったら、そこまで共感して演じられなかったかもしれない?
【水原希子】 難しかったと思います(苦笑)。東京の上流家庭で生まれ育った箱入り娘なんて、あまりにも境遇が違いすぎて…。だけど華子と美紀は生きている世界も環境もまったく違うけれど、人間として相手を受け入れることができるんですよね。そんな2人の美しい関係性に、この映画で伝えたいメッセージが込められているんじゃないかなと思いました。
──華子にとっては婚約者と男女関係にある美紀。美紀にとっては“腐れ縁”にある男性の婚約者である華子。女性としてはお互い複雑な思いのある2人です。
【水原希子】 だけど相手が苦しんでいるときには手を差し伸べる。それって人間としてとても大切なことだと思うんですよね。華子と美紀の共演シーンは劇中でも2回しかないですし、あまりに住む世界が違いすぎてその後の人生でも二度と会うことはないかもしれません。それでも人生のほんの一瞬にすれ違った相手と「お互い頑張って生きていこうね」と励まし合うことができたら、この世界から争い事もなくなるんじゃないかな、なんてことまでこの映画に参加しながら考えていました。
◆インスタグラムを通じて海外での仕事が増えたことも起業の決め手
──本作には30代を前に恋愛や結婚だけではない自分の人生をつかんでいく女性たちが描かれますが、希子さんは昨年30歳をどのような心境で迎えられましたか?
【水原希子】 華子のように“結婚=幸せ”みたいな価値観で育ったわけではないんですが、私も10代の頃は「25歳で結婚する」みたいなロマンを抱いていたんです(笑)。だけど年齢を重ねるごとに人生のビジョンはどんどん姿を変えていき、30代の目前には「結婚よりも人生に大切なことはあるのでは?」と考えるようになっていました。そういう点でも本作の女性たちに共感するところがありましたね。
──希子さんの20代はモデル、女優と仕事に邁進していたイメージがあります。
【水原希子】 多くのお仕事が自分で選択してきたというよりも、周りの方々に可能性を引き出していただいた部分が多かったです。もともと10代でモデルデビューした頃は、ファッションの仕事一筋で行きたい思いが強かったんですが、20代で縁あって女優のお仕事もいただくようになり、「できるかどうかわからないけど頑張ってみよう」となんでもチャレンジしてきたんですね。ただあまりにも仕事の幅を広げすぎたためか、「あなたは一体何をやりたい人なの?」と厳しい言葉をいただくこともありました。そうしたなかで人が怖くなったり、目まぐるしい日々に疲れてしまったこともありました。
──個人事務所「OFFICE KIKO」を立ち上げたのは、ご自身で仕事を選択するためでもあったのでしょうか?
【水原希子】 がむしゃらに突っ走ってきた20代を経て、自分のやりたいことが明確になったのが大きかったです。私にとってモデル、女優は今後も大切に取り組んでいきたい仕事ですが、それとは別に写真をベースとした芸術は人生をかけて発信し続けたいと思っています。写真芸術の素晴らしさは言語の壁を超えて共感し合えること。インスタグラムを通じて世界の方とダイレクトに繋がり、海外の仕事をいただく機会が増えたことも起業の決め手になりました。
◆間違った情報を正す必要はある、それができるのはSNSの救い
──ご自身のように事務所所属にこだわらずに活動する芸能人が増え、今後の芸能界はどう変わると思いますか?
【水原希子】 かつては企業同士のコネクションで仕事が決まるところが大きかったけれど、今後はビジョンやパッションで共感し合った個人同士が繋がって生み出す作品が増えていくんじゃないかなと思います。ネットメディアを中心に国内外の壁のないマーケットもどんどん増えていますし、日本のエンタテインメントもさらに面白くなっていく気がして、個人的にはすごく楽しみですね。
──一方で事務所には所属者を「守る」機能もありますが、独立した現在はいかがですか。
【水原希子】 SNSを活用することで独立して活動できている分、思わぬ悪意にぶつかることがあるのは事実ですし、SNSに慣れていない頃は傷ついて泣いたこともありました。だけど今は個人的なヤジのような声については、流し見できるようになりました。「何か嫌なことでもあったのかな…」と思えるようになりました。ただ間違った情報を広めるような記事やコメントはきちんと正す必要がありますし、それができるのはSNSの救いだと思っています。私はコミック版『風の谷のナウシカ』の“光と闇は表裏一体”といった世界観にすごく惹かれるんですが、SNSもまさにそうだなと思いますね。
──OFFICE KIKOを立ち上げて今年で3年目。独立して仕事をしていく上で大切なことはなんですか?
【水原希子】 やっぱりビジョンを同じくする仲間の存在は心強いですね。『あのこは貴族』の華子や美紀が人生を次のステージに進めることができたのも仲間の存在が大きかったわけですし、自分1人では立ち向かえないことも仲間と一緒なら実現できるという希望がこの映画には描かれています。挫折したり空回りしながらとにかくがむしゃらに頑張っていた20代というのは、そんな仲間と出会うための時間だったのかもしれないなと思いますね。
(文/児玉澄子)
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