天月-あまつき-の「歌ってみた」動画、日本初1億回再生突破 活動の“原動力”であるファンに感謝

オリコン

 YouTubeチャンネル登録者数165万人以上、歌唱動画の累計再生回数は8億4000万回を越えるネット発のアーティスト・天月-あまつき-。彼の人気の理由は彩り豊かな楽曲、独自の世界観を楽しめるライブ…と挙げたら尽きないが、活動当初からアップしている「歌ってみた」動画も大きな魅力のひとつだ。数々の楽曲をカバーしてきた中で、2016年5月公開の「小さな恋のうた/ MONGOL800(cover) by天月」の再生回数が3月22日に1億回を突破。これは日本における「歌ってみた」動画では史上初の快挙となる。今回は、この快挙を成し遂げたことへの思いや「インターネット出身アーティスト」というジャンルへ感じることについて話を聞いた。

【動画】日本初の1億回再生突破した天月-あまつき-の「小さな恋のうた」

■「初めてというのはすごくうれしい」と快挙喜ぶ

――天月さんが2016年に公開された「小さな恋のうた」が、日本における「歌ってみた」動画では史上初再生回数1億回を突破しました。今の心境をお聞かせください。

今はまったく実感がないです。ここ数年でネットの音楽が聴かれるようになってきたので、そのうち1億回再生される曲もいっぱい出てくると思うんですけど、やっぱり初めてというのはすごくうれしいですね。

――ファンのみなさんが天月さんに「1億回を贈ろう」と動いていましたよね。

みなさんがそうやって話してくださっているのはもちろん知っていましたし、ありがたいです。

――「歌ってみた」動画としてMONGOL800さんの「小さな恋のうた」を選曲した理由は覚えていらっしゃいますか?

カバーするのであれば僕の曲を聴いてくださっているファンの方や、その楽曲を好きな方の両方が楽しめるようにしたいので、ただカバーするよりも歌い方やアレンジ、MV(ミュージックビデオ)とか、何かちゃんと色をつけてやりたいなと思っていて。

いろんな曲をカバーさせていただく中で、当時若い世代だった僕がこの曲を歌うとどうなるのか、今の世代に刺さるように仕上げたらどうなるかをMV込みで作ってみようと考えたことがきっかけでした。ヒットすることを予測してというよりも、自分たちの世代の色を出した中で時代を超えた名曲をカバーする楽しさを考えた試みでしたね。

――この動画が1億回再生されるほどに支持された理由は、どこにあると思いますか?

僕の歌がどうこうというよりも、まず曲が人気で、リリースから時間が経ってもどの世代にも刺さる力を持っているんだと思います。MONGOL800さんがライブ映像などを公開されている中でも、今風なイラストがついて世界観が違って見えたこともすごく気に入ってもらえたのかなと。

――これまでの活動についてもお話を聞かせてください。2009年のニコニコ動画での生配信から始まり、「歌ってみた」動画を初めてアップしたのは2010年。当時、高校生だった天月さんが、配信や「歌ってみた」を始めたきっかけを教えてください。

その時特にやりたいこととかもなくて、特技も何もなかったので、配信をやってみようかなと思ったんです。それは別に配信することを低く見ているわけではなくて、話すことであれば人前でもできるかなくらいの気持ちでした。その頃は「凸待ち」という、誰でも配信にお邪魔できる企画をやっている人が多くて、その中で僕は配信で自由に歌っていいですよという「カラオケ凸待ち」をやっていたんです。もともと聴くのも歌うのも好きだったので、その流れで人と一緒に歌うことがあって、じゃあ動画もやってみようか、というところから始まりました。

――興味からはじまり、今はその活動がお仕事になっていますが、向き合い方が変化したタイミングはありますか?

ライブやCD制作をするにあたって、真摯(しんし)に向き合わないといけないと考えることはありますが、“仕事だから”ということはあんまり考えないですね。今も、この活動をお仕事だとは思っていないんです。

――初めて動画を上げた頃と制作に向き合う熱意は変わりませんか?

むしろ増しているんじゃないかなと思いますね。応援してくださる方の熱量と僕の熱量があっていないと意味がないので。応援してくださる方が増えれば僕のやる気も増しますし、よりいいものを届けようという気持ちになります。

――現在では「歌ってみた」とオリジナル曲をどちらもアップされていますが、オリジナルに力を入れていこうと考えることはありますか?

オリジナルもたくさん聞いていただいているので、もちろんこれからもやりますし、どんどんいい曲を作りたいと思っています。だからといって今までよりもカバーをしなくなることはないですね。楽しいからやっていることなので。

――今では天月さん楽曲の「歌ってみた」動画を上げたり、イラストを描かれるファンの方もいますよね。

何の抵抗もないので普通に見ていますし、僕もそうやっていいものを広めていけたらいいなと思って活動をしてきたので、ただただありがたいです。

■Adoの登場は驚き「すごい人が出てきたな」

――ファンのみなさんが天月さんから刺激を受けているように、天月さんが影響を受けたアーティストはいますか?

最初にCDを買ったのはポルノグラフィティさんの「メリッサ」で、その流れからランキングを見たり、今だとYouTubeのおすすめから、本当にいろんな方の楽曲を聞かせていただいて。世界観や活動で影響されたのはSEKAI NO OWARIさんですね。

――最近刺激を受けた楽曲やアーティストは?

話題になっていますけど、Adoさんは本当にすごい人が出てきたなって感じました。

――天月さんから見たAdoさんのすごさはどういったところなのでしょうか?

最近の流行りの中でZUTOMAYO(ずっと真夜中でいいのに。)やヨルシカなど、女性シンガーが出てくることが多くて、テレビ番組でも取り上げられるようになってきていますけど、多くは曲とマッチしたMVのイメージや世界観で魅せるアーティストだと思うんです。

その中でAdoさんは、パワータイプのアーティストが急に来たなと思いましたね。もとからそういうタイプの人はいたんですけど、より楽曲とマッチしている人が出てきたことにすごくびっくりしていて。しかもユニットでやっている方が増えた中で、毎回違うボカロPさんに書き下ろしてもらっているのは、改めて「歌い手」っぽい方が出てきたのも面白いな〜と思いましたね。自分で作ったり、ユニットでやることだけが正しい、キレイな音楽の見え方ではなくて、コラボレーションもオリジナルとして受け入れられるのはいいことだなと思いました。

――Adoさんが脚光を浴びたことから、新たに「歌い手」というシーンが注目されることはあると思いますか?

Adoさんを知ったからといって「歌い手」って検索するかというと、そんなことはないと思うんです。ただネットの音楽として見れば全体の平均再生数は上がっているので、そこは確かに注目されていることを感じますね。

――これまで10年以上、「歌い手」「歌ってみた」というジャンルの真ん中で活動されて、シーンの変化は感じていますか?

そうですね。もともと僕らはニコニコ動画という、当時だったらアングラなコンテンツで活動していて、知る人ぞ知るというところから、コアな人たちはわりと知っているくらいの認知度になって、気づけばYouTubeでたくさんの人に見ていただいて。今は「歌い手」というくくりも薄れてきていますよね。

――「歌い手」と「歌手」と言われる方々との隔たりはないと思われますか?

今は芸能人の方やYouTuberの方も、誰でも「歌ってみた」という言葉を使って歌うので、じゃあ「歌い手」ってなんぞやみたいなところはあって。僕はもともと「歌い手」は一つのくくり方でしかないと思っていて、あまり意識せずにやってきました。同じ界隈の中でもすごい歌を歌う人たちがたくさんいるのを知っていたし、一概にカバーしている人たちだけじゃないって分かってほしかったので、「歌い手」というだけで苦手意識を持たれるのはすごく嫌で。だからこうやって境目がなくなっていくのは、こちらからするとありがたいです。

――活動10周年を経て、昨年は誰も経験したことのないコロナ禍という出来事がありましたが、活動やお仕事への考え方に変化はありますか?

生でライブを観たり、パフォーマンスするよさは僕も感じていたからこそ、今までたくさんライブをやってきたんですけど、それができない状況であることも分かっていたので、僕らしくシフトするにはどうすればいいのかなと考えました。イラストや動画を用いて僕の世界観を楽しめるライブを配信したり、歌以外での活動を人に見える範囲でより増やしたり、そういうことでみなさんの満足度を保てたらいいなと思っていましたね。

――その活動の原動力になっていることは何なのでしょうか?

音楽って人生において別に必要のない人もたくさんいると思うんですけど、じゃあなんでなくならないのかというと、必要としている方々もたくさんいて、コンテンツを回してくださっているからで。僕もどちらかというと音楽が必要な人間だし、新しい曲が出てきたり、古い曲を歌い直してみたりという芸術的な美しさ、面白さもたくさんあるので、楽しみが尽きない状態がずっと続いていることですかね。

――10周年を経た今、これから挑戦したいことはありますか?

何よりも有観客でライブをしたいですね。僕の曲は来てくださるお客さんのおかげで成立する熱量の曲も多いので。そしてアルバムなど、音楽的なものづくりも出来ていないので、応援してくださっているファンの方々が満足できるようなものづくりをしっかりやりたいです。
――最後に、ファンのみなさんにメッセージをお願いします。

何度も聞いてくれた人や一度しか聞かれなかった人もいて、その積み重ねが1億回になったことは本当にすごいことだと思います。再生回数というのは指標でしかなくて、いいものかどうかという判断はみなさんにお任せしていますが、きっといいと思って応援してくださった方が大多数だったからこそ、この界隈での史上初の1億回突破につながったんだと思います。なので、何よりもまず「ありがとうございます」を伝えたいです。

僕自身としても天月というイメージ像を作ってくれた楽曲でもあるので、カバーさせていただいたMONGOL800さんにも「ありがとうございます!」、そして「これからも歌わせていただきます!」とお伝えしたいです。10周年という活動の節目を越えて初めての再生回数1億回も迎えて、もっと頑張っていきたいと思っているので、僕が元気に活動している姿を楽しんでいただけたらと思っています。

来月には、またびっくりするような作家さん方が作ってくださったオリジナル楽曲「キーストーン」の公開を予定しているので楽しみにしておいていただけるとうれしいです!

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