「喫煙所は必要」と思う“非”喫煙者が64%、加速する禁煙社会の意外な実態

オリコン

 モバイルリサーチを展開するネットエイジア株式会社が30日、20歳~69歳の男女1,000名(喫煙者500名、非喫煙者500名)を対象とした『喫煙・喫煙スペースに関する意識・実態調査』を発表(調査期間:2021年2月22日~24日)。昨年4月に改正健康増進法が施行されて以降、各種施設が禁煙となり、街の喫煙所も減っている実態があるが、非喫煙者からの(喫煙者からではない)【喫煙スペースは必要だと思う】の回答は実に64%にも上っている現状が明らかになった。

【グラフ】“非”喫煙者の声は…意外な結果に?『喫煙・喫煙スペースに関する意識・実態調査』

■喫煙所が次々と撤去されることで、マナー違反する喫煙者が増加

 昨年4月、“望まない受動喫煙をなくす”“受動喫煙による健康被害が大きい子どもや患者等に配慮する”“施設の類型・場所ごとに対策を実施する”という趣旨で、全面施行された改正健康増進法。これに伴い、多くの施設が屋内禁煙になったほか、公衆の喫煙スペースも次々と撤去された。

 喫煙者(500名)に、2020年の4月以降(改正健康増進法の施行以降)の喫煙スペースの変化を聞いたところ、【喫煙スペースが減ったと感じる】と回答した人は68.8%。実際に、東京や全国の主要都市からはもともとあった公衆喫煙スペースがなくなっており、「喫煙所難民」という新たな言葉も生まれている。

 この結果、【喫煙スペースを探し回る】という喫煙者は全体の59.2%に達した。また、数少ない喫煙スペースのため人の集中が起こり、【喫煙スペースからはみ出して喫煙】したことのある人が27.6%。喫煙所が見つからず【禁煙場所で喫煙】したことがある人は24.4%、【歩きたばこ】をしたことがある人は22.6%、【たばこをポイ捨て】したことがある人は14.8%に。各行動をしたと答えた人に改正健康増進法の施行以降について聞くと、【探し回る】【はみ出して喫煙】【禁煙場所で喫煙】が「増えた」と感じる人が過半数。喫煙者の印象がより悪くなる行動やマナー違反、非喫煙者が受動喫煙の被害を受ける機会が増加したのは事実のようだ。

 同社は非喫煙者(500名)にも、喫煙スペースの必要性について調査。喫煙スペースが【必要だと思う】と答えた非喫煙者は、意外にも64.4%に上った。非喫煙者は喫煙スペースの減少を歓迎しているのかと思いきや、半数以上が喫煙スペースの設置について肯定的な見方をしているのは、特筆すべき点だ。

 喫煙スペースが必要だと思う人(322名)にそう思う理由を聞いたところ、【受動喫煙を避けることができるから】(63.7%)がもっとも高くなった。以降、【禁煙場所で喫煙する人が減ると思うから】(50.6%)、【歩きたばこが減ると思うから】(43.2%)、【ポイ捨てが減ると思うから】(39.8%)と続いている。

 さらに、非喫煙者(500名)に、煙やにおいの漏れない最新設備の喫煙スペースの多い街へのイメージも調査。【きちんと分煙に取り組んでいる】では73.4%が『そう思う』と回答。【住みやすい・利用しやすい】と思う人は66.6%。実に6割強の非喫煙者が、(最新設備を取り入れた)喫煙所設置に対して肯定的。街に喫煙スペースがあったほうが、非喫煙者自身が害を被る可能性も少なく、メリットを感じているという結果だろう。

 ちなみに、飲食店についても興味深い結果が出ている。改正健康増進法施行以降、原則屋内禁煙となり、たばこが吸えない飲食店が増えているが、非喫煙者への【喫煙が可能だったことで行かなくなったお店があるか】との問いに、「ある」と答えたのはわずか11.8%。逆に喫煙者に【お店が禁煙になったため行かなくなったお店があるか】との質問では「ある」が47.2%と半数近くを占めている。つまり非喫煙者の9割近くは、飲食店が喫煙可だったとしてもその店を利用し続けている。一方で喫煙者は、半数近くが喫煙できない店を利用しなくなっているということだ。

 改正健康増進法の目的自体は、もちろん素晴らしいことだろう。だが、施行以降の「喫煙スペースを次々と撤去する」という動きは、喫煙者の閉め出しにつながっており、これが新たな問題を生み出しているようだ。

(文:衣輪晋一)

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