佐賀126% 地方競馬売り上げ好調

売上額を大幅に伸ばした佐賀競馬 拡大

売上額を大幅に伸ばした佐賀競馬

 地方競馬の売り上げが好調だ。間もなく全ての開催を終える本年度の地方競馬全体の売上額は、前年度比10%以上(1日平均)のプラスの見込み。中でも、九州で唯一の地方競馬の佐賀競馬(佐賀県鳥栖市)は同約26%の増加。20%台の増加は1974年度(同25%増)以来、39年ぶりのプラス幅だ。売上額が伸びた要因は、昨年度下期に始まった新たなインターネット発売による売り上げが順調に伸びたため。荒尾(熊本県荒尾市)、福山(広島県)の廃止など後ろ向きな話題も多かった近年の地方競馬だが、間違いなく“売れるコンテンツ”であることが示された。

ネット投票「IPAT」効果

 「よく売れた。特に冬季の伸びは想定以上だった」。佐賀競馬を主催する佐賀県競馬組合の江崎保夫事務局次長がそう語るほど、本年度の佐賀は極めて順調に売り上げを伸ばした。前年度実績は2月の時点で早々とクリア。3月23日に最後の開催を終えた本年度の合計売上額は131億9723万円余りと、10年前の水準まで一気に回復。「新たな発売方法を用い、そのための情報発信を行えば、競馬のニーズはまだまだ高いと実感した」(江崎次長)と確かな手応えを得て一年を終えた。

 佐賀を含め、全国の地方競馬の売上額アップを支えたのは電話投票額の上積み。その内訳のほとんどはインターネット投票によるものだ。地方競馬では既存のネット発売システムに加えて、2012年10月、「IPAT(アイパット)投票」というシステムによる馬券の発売を新たに始めた。IPATは、日本中央競馬会(JRA)のネット投票システム。それまではJRAの馬券しか買えなかったが、地方競馬の馬券も買えるようになった。

 JRAは日本の公営競技で最大の売上額を誇るだけあって、ファン層の厚みも絶大。初年度の12年度は下半期からの導入だったのに、多くの地方競馬主催者が早速、前年度比プラスに。“IPAT効果”がまるまる表れた本年度はさらに好転。全主催者が前年度比プラスの見込みだ。

 その中でも佐賀の伸び率は目を引く。佐賀の電投額は前年度の約1・9倍と全国トップ級。これは佐賀の工夫の成果だ。

 佐賀はもともと、JRAと競合する土、日曜の開催が多く、本来ならJRAファンの目を向けるのは難しいはずだが、“時差作戦”で取り込みに成功した。「日没が最も遅い日本最西端の競馬場という立地を生かし、JRAの最終レース後にも数レースを実施できるよう、発走時間を調整した」(同)。特に、多くの場がナイター休催の冬季は、馬券が買えるのは佐賀だけ、という時間帯も多かった。冬季の想定以上の伸びには、綿密な戦略の裏付けがあった。

 さらに新年度は、この好調の波を逃すまいと拡大戦略に打って出る。開催日数を、本年度の101日から10日増やす。ネット投票がより取り込めるのはもちろん、「土日はほぼ必ず開催する日程が組めた。『佐賀は毎週開催』と認識してもらい、日程を気にせず気軽に来場してほしい」(同)と、地元ファンの利便性にもつながる好施策だ。

 IPAT効果で、地方競馬の体力は格段に回復した。新年度は、大井競馬(東京)で新馬券を導入するなど、新たな目玉も登場。さらに活性化が期待できそうだ。

大井「50円馬券」導入へ

 大井競馬(東京都大田区)はこのほど、新年度に「50円馬券」を導入予定だと発表した。インターネットで発売する新たな重勝式馬券で導入する。現在の日本の公営競技は全て100円単位で発売しており、画期的な新馬券の誕生となる。

 法律の変更までは必要ないことが、実現への追い風になった。実際の馬券をよく見れば分かるように、馬券は建前上は1枚10円。10枚=100円がワンセットとして発売されているだけで、各主催者の条例や運用次第では10円単位での発売も可能だったわけだ。

 ただし、競馬場の窓口で実際の馬券を発売するとなると、払戻金が細かくなるなど煩雑で、集計システムなどの改修も必要。しかし、ネットでの発売ならば障壁は比較的小さい。

 新たな重勝式馬券は、指定された3個レースの馬単を全て当てる方式。発売は、南関東4場(大井、川崎、船橋、浦和)が共同で運営するインターネット投票システム「SPAT4(スパットフォー)」で行う。配当金の上限は50円に対し3億円。発売は50円以上、10円単位とする予定。大井競馬を主催する特別区競馬組合は「新年度のなるべく早いうちに発売を始めたい」としている。

高知13年ぶり100億円超

 高知競馬(高知市)は、まだ年度内の開催は残すが、3月上旬の時点で既に年度売上額が100億円をオーバー。2000年度以来、13年ぶりとなる大台を確保した。

 高知もJRAとの連携策が好作用。IPAT発売で電投売上額が増加したほか、本年度からJRAのG1レースの馬券発売を場内で始めたことで入場者も増加。入場者は前年度比1割以上のプラスで、さまざまな施策の導入が本場の盛り上がりにもつながっている。

 同競馬を主催する高知県競馬組合の小松正司事務局長は「全国のファンに引き続きご愛顧いただけるよう、新年度もレースの質の向上に努め、今の調子を落とさないように頑張りたい」と話した。

=2014/03/25付 西日本スポーツ=

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