映画で“集団虐殺事件”に取り組んだ監督たちが対談 78歳巨匠が46歳女性監督を絶賛

オリコン

 「第93階アカデミー賞(2021年)」国際長編映画賞ノミネート作品『アイダよ、何処へ?』(公開中)。本作は、第二次世界大戦後、ヨーロッパで最悪の悲劇となった集団虐殺事件「スレブレニツァの虐殺」に真正面から迫った衝撃作。監督は、『サラエボの花』『サラエボ、希望の街角』などをはじめ故郷ボスニアの紛争の傷跡を描き続けている女性監督のヤスミラ・ジュバニッチ(46)だ。

【動画】ヤスミラ・ジュバニッチ×マイク・リー対談

 本作を「非の打ちどころがない」と絶賛したのは、映画『ピータールー マンチェスターの悲劇』(18年)でイギリス史上最悪といわれる“ピータールーの虐殺”の全貌を描いた巨匠マイク・リー監督(78)。このたび、ジュバニッチ監督とオンライン対談した映像(日本語字幕付き)が到着した。

 多感な十代の時にボスニア紛争を経験したジュバニッチ監督は、一貫して故郷ボスニアの紛争の傷跡を描き続けている。彼女の作品を知り、かねてから絶賛していたリー監督は、本作についても「圧倒された。あらゆる点が見事に成し遂げられ、驚くほど非の打ちどころがない作品だ」と高く評価。

 対談では、政治的な反対や困難を極めた映画制作をどのように進めたのか、独創的な映画監督同士が語るそれぞれの映画作りへの姿勢を語り合った。そして、リー監督は「我々も あなたのように映画のために闘う必要がある。あなたはすでに闘いに向き合っている。扱わねばならない題材があるということだ。それはすばらしく重要で明白な特権だ」と、心からの敬意と愛情を込めたエールをジュバニッチ監督に送っている。

■マイク・リー監督のコメント
 政治的な反対を押しのけて映画を制作することは、映画監督にとって厄介であると同時にチャンレジ精神を刺激される部分でもあるが、粘り強く多くの障害と格闘したジュバニッチ監督には心からの敬意を表したい。彼女は際立って独創的な驚くべき才能の持ち主だ。本作はあらゆる点が見事で、極めて完成度の高い作品だ。非の打ちどころがない。俳優たちの演技も素晴らしくリアルだ。彼女はクローズアップの使い方に独特のスタイルを持っているが、その特徴を生かしたラストシーンは実に美しく感動的だ。

■『アイダよ、何処へ?』あらすじ

 「スレブレニツァの虐殺」は、1995年7月、ほんの数日間のうちに約8000人ものボシュニャク人(イスラム教徒)が敵対するセルビア人勢力に殺害された<ジェノサイド=集団虐殺>事件。それはいかなる状況の下で引き起こされたのか。

 映画は、夫と息子を必死に守ろうとする国連通訳の女性アイダを主人公に、綿密なリサーチに基づき、ジュバニッチ監督が脚本を執筆した。

 1995年7月11日、東部ボスニアの町スレブレニツァがセルビア人勢力の侵攻によって陥落。避難場所を求める2万人以上の市民が、町の外れにある国連施設に殺到した。国連保護軍の通訳として働くボシュニャク人の元教師アイダは、夫とふたりの息子を施設内に迎え入れるが、スレブレニツァを支配したムラディッチ将軍率いるセルビア人勢力は、国連軍との合意を一方的に破り、避難民の“移送”とおぞましい処刑を開始する。愛する家族と同胞たちの命を守りたいアイダは、あらゆる手を尽くそうと施設の内外を奔走するが…。

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