海外の映画祭で注目を集める、静かで淡々としたニュー・チャンバラ・シネマ

オリコン

 俳優の河原健二が自ら企画プロデュース・脚本・監督・主演を務めた短編時代劇『CHAMBARA(チャンバラ)』が、現地時間5日に開催された「ロンドン・シーズナル短編映画祭2021」で特別賞「オナラブル・メンション」を受賞した。

【画像】黒澤映画っぽい(?)場面写真

 河原は、俳優の役所広司に師事し、10年間“付き人”として俳優・映画・人間を学んだ経歴を持つ。今回、日本のオリジナル作品、時代劇の魅力を短編という気軽なフォーマットでもっと世界の人々に観てもらうべく、志しを同じくするスタッフとコロナ禍の昨年に感染防止対策を徹底しながら、撮影を敢行し作り上げたのが『CHAMBARA(チャンバラ)』だ。巨匠・黒澤明監督ゆかりの時代劇ロケの聖地・御殿場で撮影を敢行し、その原風景も魅力の一つとした、時代劇オマージュ作品でもある。

 江戸時代、秋晴れの下、二人の男が対峙している。男たちは浪人か、ならず者か!? 仇討ちか、果し合いか!? 何故、斬り合う運命なのか?

 ダブル主演として剣を交えるのは、映画『弱虫ペダル』やNetflixオリジナル映画『愛なき森で叫べ』などに出演する長谷川大。アクションや殺陣を得意とし、本作では殺陣師としても参加。監督とともに日本の時代劇の常識を覆そうと、見せる殺陣ではない “リアルな殺陣” 新たなチャンバラに挑んだ。

 チャンバラとは、刀同士がぶつかり合う効果音から侍時代劇作品を総称する呼び方となった説もある。しかし、タイトルに相反し本作では、立ち回りがメインのアクション時代劇映画とは一線を画し、日本刀がぶつかるチャンバラの効果音はあえて誇張せず、リアルな真剣の重さと生音、「間」の探り合いから生まれる「人間同士のせめぎ合い」を演出し、長回し撮影にこだわった。

 描きたかったのは、必死に生きる武士の姿を通して、現代社会に生きる人間の距離感・腹の探り合い・間の取り合い・コミュニケーションの難しさであり、繰り返される人間の業(ごう)。

 河原は「過剰な効果音もなく、自然の音が流れている静かな殺し合いです。既存の時代劇やアクション作品からは見慣れない殺陣なので、ちょっと異様かも知れませんが、是非そこを楽しんでいただけたらと思います。真剣による武士の斬り合いは静かで淡々としていたと想像します。愚かな人間同士の業は、きっとお天道様に見られていると信じたいです」と、作品への思いを語っている。

 現地時間11月20日開催の「第8回ゴア短編映画祭」では「オフィシャル・セレクション」監督賞・脚本賞・プロデュース賞の3部門にノミネートされ、12月18日にインドで開催される「ベルガウム国際短編映画祭2021」の「オフィシャル・セレクション」にも日本から唯一選出されている。

 海外の反響を受け、河原は「12分の短尺ですが、海外のみならず、国内の劇場で皆様に観ていただける機会があれば幸いです」とコメントし、長編化に向けて、目下、脚本の執筆中とのことだ。

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