年末年始の暴飲暴食にどう対処する? 「筋トレで痩せられないは大きな誤解」現役ボディビルダーが語る“脂肪を落とす極意”

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 年末年始の暴飲暴食が尾を引き、このままではヤバイと感じている人も多いのではーー。ダイエットしても、リバウンドするのはなぜ? 有酸素運動はウォーキングより水泳? どうしてPFCバランスを守るべきなの? ダイエット欲が高まるこの時期、今更そんなこと聞けない…と思う疑問をあらためて有識者にぶつけてみた。答えてくれたのは、日本体育大学准教授の岡田隆先生。研究者であり、柔道全日本男子チームの体力強化部門長として東京五輪に帯同した指導者であり、現役のボディビルダーでもある。「すぐに痩せたいんです!」と切羽つまった記者の問いかけに「たった1回のスクワットでも、筋肉は変わろうとしている。1回の積み重ねが大事、それを理解しているか、していないかだ!」と一喝。継続できる手法で行うダイエットの重要性を説いてくれた。

【動画】”正月太り”にオススメ筋トレ「スクワット」 間違えやすいフォームをバズーカ岡田が徹底解説

■「別次元と考えるのはもったいない!」 アスリートと素人、近年縮まってきた“カラダづくり”の考え方

 岡田先生は、ボディビルダー・バズーカ岡田としてYouTubeチャンネル「バズーカ岡田の筋トレラボ」(登録者24万人)を運営。発信されるトレーニングや食事管理の方法には「筋肉目線で語るのがおもしろい」「これが無料で見られるのはすごい時代」と反響が寄せられる。近年のYouTubeの傾向を見ても、コロナ禍以降で“筋トレコンテンツ”はさらなる盛り上がりを見せ、ネットだけでもたくさんの情報に触れられるように。プロと一般の距離が縮まり、自分でもできるかも!と思える瞬間は増えているが、「ウエイトトレーニングはプロのアスリートが行うものでしょ」「筋トレで痩せるんですか?」という質問もいまだに多く来るという。

「“筋トレでは痩せられない”は、大きな誤解なんです。筋トレだけでも、ダイエットはできるんですよ。ただそれだけだと進みが遅くなるので、より効果を得るために食事管理と有酸素運動を組み合わせるのがいい。

 そして、筋トレというと重めのトレーニングを想像される方が多い。アスリートのトレーニングは、一般の人からすれば別次元のように映るかもしれませんが、僕たちはなんら特別なことはしていない。ボディビルダーは筋肉を極限まで鍛えるために200kg以上ものバーベルを担いでスクワットする事もありますが、ボディビルダーだって初めは誰もが自重だけで行うことができる基礎的なスクワットから始める。『アスリートと私たちは別だよね…』と考えるのはもったいないことです」

■なぜPFCバランスを守ることが必要? 「偏ったダイエットで落とし穴にはまるな!」

 では、どのようにダイエットを始めるのがよいか。「多くの人が“簡単にできるダイエット”の落とし穴にはまる」と岡田先生。

 代表的なのは「糖質オフダイエット」。「炭水化物の制限は悪くないのですが、極端に制限しすぎるのはNG」だという。

「なぜか炭水化物をゼロにさえすればいいと、思考停止になっている人が多いです。白米(ご飯)を抜けばいいと考えると、やりやすい方法ではある。でも、やめた途端に体重が増えるリスクがあります。例えば、ご飯が無い分、おかずを増やさなければならない。そうすると、塩分過多になり、脂質の摂取も増えてくる。見方を変えると、ある特定の物質を増やしているとも言える。偏った方法は体に対しても、心に対しても負担になるので長続きしないんです。長続きしないものは、結果が出ない。健康的に痩せるなら、バランス良く食べることが大事」

 そこで、最近よく聞かれる言葉が「PFCバランス」。PFCとは、タンパク質(P)、脂質(F)、炭水化物(C)の頭文字をとった言葉だ。この3つが人間の体にエネルギーをもたらしてくれる“三大栄養素”で、多すぎたら太り、少ないと痩せる。

「なぜPFCバランスを考えることが必要なのか。それは、タンパク質(P)、脂質(F)、炭水化物(C)は、動くための“エネルギー”にも、“体の材料”にもなるからです。エネルギーはエネルギーだから、全部Pから取ればいいやという話ではない。タンパク質は筋肉・骨・髪・肌・爪に。脂質は細胞の膜や神経の組織、ホルモンの材料に。炭水化物は体の効率の良いガソリンになる。どれかが不足していても、過剰でもよくない。エネルギー源になるものが3つしかないのに、そのうちの1つを封じてしまうのは危険でしかない。この原理が分かれば、過剰な糖質制限ダイエットをする気にはならないはずです(笑)」

■「簡単にできるものは効果がないと思ったほうがいい」筋トレと有酸素運動の手法

 続いて、脂肪燃焼に直結する有酸素運動と筋トレ。有酸素運動は、ウォーキングが手っ取り早く取り入れられると岡田先生。

「よく有酸素運動をするなら『水泳のほうがいいんでしょうか?』と質問を受けることもありますけど、自分にとって続けられるものを選ぶのが一番いいことです。1日8000歩、10000歩歩かなきゃいけない…というノルマを定める人もいますが、そういうのはあまり考えないほうがいい。ノルマを超えなきゃいけないとなると、きつくなって中断してしまう。やれるときにやれる範囲でやる、それを続けていくことが大事です」

 そして覚悟を決めて取り組まなければならない力点のポイントが、有酸素運動よりはるかに高くなる筋トレ。これについて岡田先生は「基本的に、簡単にできるものは効果がないと思ったほうがいい」とピシャリ。

「やろうと心を決めないとできないです。でも、だからこそ、体が変わる。簡単じゃないから、筋トレはいいんです。しかしキツいのは習慣にするまでですよね。習慣にしたら、やらないと気持ち悪くなりますから。『筋トレどれだけやればいいの?』と質問を受けるんですけど、僕は初心者の方には『ノルマはもうけなくていい』と、有酸素運動と同じく回答しています。

 ジムに行く筋トレもあれば、家でするものもある。公園の鉄棒を使ってできるものもある。何がその人に合っているかを見極めてほしいです。効果だけを語るなら、ジムに行くのが一番早いです。ただジムに行くには、お金も時間もかかるので、もろもろを考えたときに、自宅でやるほうがいいという結論にいたっても別にいいと僕は思います」

 自宅でトレーニングするなら、岡田先生のオススメは「スクワット」だという。

「スクワットは、下半身の筋トレです。メリットが多いのでオススメですね。自宅で、自重でやるスクワットであれば、お尻から下全部の筋肉に作用します。ジムでバーベルを担いで行うスクワットになると、お尻から下全部の筋肉はもちろん全身の筋肉に作用する。それはレベルが高い運動になるので、一般的な自体重で行うスクワットがまずはいい。お尻から下、全部に効くので、体の筋肉のかなりの量をカバーできるんですよね。他の筋トレよりも、刺激できる筋肉の量が大きくなるので、効果が高い。スクワットは、トレーニングの基本中の基本ですから。スクワットが楽なら、片脚で行うブルガリアンスクワットがおすすめです」

■「使える手段は使え!」食物繊維、そしてMCTオイルで体脂肪燃焼する体質を作る

 筋トレ、有酸素運動、食事管理を組み合わせて進めるのが健康的に痩せる基本的な方法である。この3つをできる範囲で持続していくことが、ダイエットやトレーニングのファーストステップになる。そして岡田先生はさらに脂肪を燃焼させる手段として「使えるものは使ってほしい」と食事管理をする上で“2つのルール”を教えてくれた。

 1つは、「食物繊維をとること」。ダイエットにおける食事は、“減らしていく作業”と考えられがちだが、「通常の食事に食物繊維をプラスアルファでとる。これだけでも違ってくる」と岡田先生は語る。

「食物繊維は1日に、男性は20g、女性は18gとるといいと言われています。でも1950年代以降、その水準に達していないというデータが出ている。少し多めに食べるにしても、デメリットはほぼない。腸の健康にもいいし、全身の健康にもつながります。食物繊維を食べることで満足感も増えて、他のものを余計に食べなくなる可能性もある。空腹が強くなりすぎると、爆発してドカ食いしちゃうことってありますよね。これがダイエットの大敵で、私はキレ食いと呼んで忌み嫌っています。空腹を起こさないように食物繊維をとって、次の食事の量も自然と緩やかに抑えていくのがオススメです。固形の野菜やオートミールやスーパー大麦といった穀物からとるとよいです」

 2つめは、「すでにとっている油(脂質)をMCTオイルに置き換えること」。

「これも『減らしていく作業』ではありません。他の脂質との置き換えです。他の脂質とMCTオイルの違いは、食べた後、代謝の経路が異なること。MCTオイルはすぐに肝臓で燃やされる性質があるんです。だから他の油をとるよりも、MCTオイルをとったほうが皮下脂肪として蓄積されずに太りにくい。味もまったくクセないんですよ。オイルって、原材料となる植物のにおいが気になることもありますけど、そういうのが一切ないですからね。どんな食べ物にも合わせやすい」

 「爆食いを防ぐために、次の食事まで時間が空く時にMCTオイルをとって空腹の到来を遅延させる」と活用法を教えてくれた。

「僕は朝、パスタを食べることが多いんですが、パスタにMCTオイルをかけて食べています。塩コショウで味付けして、オイル系パスタっぽく食べられるんです。講義やトレーニング指導でしばらくご飯を食べられない時にとると、満腹感が持続する体感があります。朝食を食べる習慣がない人は、コーヒーにワンスプーンMCTオイルを入れていただくのもいいですね。朝は脂質をとって、次の食事までの時間を稼ぐ。1日の活動がスタートするタイミングなので、エネルギーを入れたほうがいいですし、その後に活動して消費されやすい。日々のパフォーマンスがあがります」

 ダイエットをするうえで「つらい」「効果を感じるまで続けられない」といった声も多く聞かれるが、「食物繊維やMCTオイルをとる。使える手段はすべて使って、より脂肪を燃やしやすいカラダを作る方法を知っておくのが鉄則」と岡田先生。

「効果が出る前にやめてしまいたくなるのは、ダイエット・ボディメイキングの初心者が必ずぶち当たる壁です。でも、効果を感じるかどうかは、その人がどれだけセンシティブに自分のカラダを認知しているかによって変わる。本当は、たった1レップ、1回のスクワットで、筋肉は変わろうとしてますからね。

 本質は、トレーニングを1回2回3回と続けていくこと。1回の積み重ねでしかないので。『1回体を持ち上げられたことが、自分のゴールに向かって着実に一歩前に進んでいる』と考えられないときつくなってきます。3ヵ月たったら効果が分かりますっていうことじゃない。回数をかさねている時点で、もう、体は変わっているんですよ。それを理解しているかしていないか。一歩進んでいるということが自分のなかで理解できれば、やり続けるのが楽しくなり、続けるしかなくなる。やり続けることにメリットを感じるようになる。そういうふうに理解してもらえたらいいと思います」

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