中川、園田が連覇へ/全日本プロ自転車選手権、19日開催

抜群の能力を誇る中川誠一郎 拡大

抜群の能力を誇る中川誠一郎

前回大会のスプリントで優勝した中川誠一郎 巧みな動きでレースを制する園田匠 前回大会のケイリン決勝で真っ先にゴールする園田匠(一番右の3番車) 団抜きの名門・大分チームの加藤大輔 エリミネーションに繰り上がり出場の安東英博

 競輪選手たちが自転車競技のさまざまな種目で日本一を争う「第61回全日本プロ選手権自転車競技大会(全プロ)」のトラック部門が19日、茨城県の取手競輪場で開かれる。入場無料。昨秋の各地区大会を勝ち上がった全国の競輪選手が出場。九州からは連覇を目指す2人、中川誠一郎(熊本)と園田匠(福岡)が、多くの注目を集めて参戦する。前回大会で中川はスプリント、園田はケイリンで、それぞれ初優勝。次の五輪も2年後に迫る中、一人のアスリートとして連続日本一を目指す。

中川/リオ五輪へ世界標準の能力発揮/

 ロンドン五輪代表の中川誠一郎が、次のリオデジャネイロ五輪出場もにらんで、スプリント連覇へと全力を注ぐ。

 全プロのスプリント出場は「昨年が初めてじゃなかったかな…」。他の種目では常連なだけに、縁が薄かったことが不思議だが、能力を思えばいきなり優勝できたのも当然だろう。ロンドンでもスプリントに出場。その後も、世界選手権などに日本代表として出場を重ねている自転車競技随一の実力者なのだ。

 五輪の先輩でメダリストでもある井上昌己も「誠一郎は全てにおいて、自分より能力が上」と、世界標準の脚力を高く評価する。九州の競輪界から、再びメダリストが誕生する期待は高い。

 中川自身も世界モードの意識を保ち続ける。「ロンドンが終わってひと息ついたと思ったら、もう次の五輪が近づいてきた。全プロはもちろん、どの大会でも五輪出場を頭に入れて頑張りたい」

 2年先への五輪ロードは、まだまだ長い道のり。まずは全プロ連覇を手始めに、脚質同様の俊敏さで駆け抜けていく。

 ◆中川誠一郎(なかがわ・せいいちろう)1979年6月7日生まれ、34歳。熊本県出身。174センチ、78キロ。85期生として2000年にデビュー。翌年には最上位のS級に昇格した。12年のロンドン五輪に出場し、チームスプリントで8位、スプリントで9位。昨年は全プロのスプリントで優勝したほか、7月の全日本選手権の1キロTTでも日本一になった。妹・諒子も競輪選手。

園田/本業・競輪の再浮上のきっかけに/

 「連覇? 狙わないことはもちろんありませんよ」。園田匠が、ニヤリと笑いながら意気込んだ。昨年、全プロのケイリンを初制覇。同種目の歴代覇者には、本業の競輪のG1タイトルホルダーがずらりと名を連ねる中、競輪のG1決勝進出が一度だけの男が、表彰台の真ん中に上り詰めた。

 競輪とは違ったケイリンならではの特性が、自身の特長にマッチしているという。「ケイリンの方が誘導のペースが速いので、高速で長距離を踏むのが得意な自分には有利。スピードが上がっている分、位置取りもしやすい」。本業の競輪でも競走の流れにうまく乗って強襲するスタイルが身上だが、その持ち味が倍加するわけだ。

 昨年1年間は、全プロのVだけが「まともな活躍」だったという。今年もここまで落車が多発するなどリズムは低調。それだけに、この大会を再浮上のきっかけにとの思いは強い。「全プロで頑張ることで、今の悪い流れを一変させたい」

 実際、結果を残せれば、7月のG1寛仁親王牌で1次予選免除の特典。ケイリンでの活躍を、競輪に還元へ-。だからこそ意欲は本業同様だ。

 ◆園田匠(そのだ・たくみ)1981年9月22日生まれ、32歳。福岡県出身。168センチ、73キロ。87期生として2002年にデビュー。12年にG1日本選手権で決勝進出(3着)。G2でも3度の決勝進出がある。高校(豊国学園)時代も自転車部で活躍し、国体などに出場した。

団抜き大分がV照準

 「昨年の敗因は調整不足とはっきりしている。今年は大丈夫です」。団体追い抜きの大分チームの加藤大輔(34)は、3年ぶりの頂点返り咲きに相当な手応えだ。大分は表彰台の常連で名門。「大分は高校の団抜きの強豪(日出暘谷高)もあって、強いんですよ」。アマ世代からの下地が伝統的な強さの秘密だ。「来年の全プロは自分たちの地元の別府なので、連覇を狙う立場として迎えたい」。1年先の地元開催の盛り上げ役として早速、闘志は人一倍だ。

安藤がエリミに繰り上がり

 エリミネーションに安東英博(33)=大分=が繰り上がり出場する=写真。昨秋の地区プロで優勝して出場権を得ていた大分の先輩・大塚健一郎(36)が、けがで出場を辞退したため。「大塚さんには頑張ってこいと励まされた。その思いに応えられたら」と話す。

 繰り上がりとはいえ、実績ありの種目だ。3年前の防府大会で準優勝。「とにかくがむしゃらに、前へ前へとペダルを踏んだ結果でした」。本業の競輪ではG1に出場したことがないが、ここで再び表彰台に立てれば、7月のG1寛仁親王牌の出場切符が得られる。「奇跡を起こして3位までに」。レース内容自体がサバイバルのエリミネーション。G1デビューを懸けて、最後まで生き残る。

 ◆取手競輪場へのアクセス JR常磐線の取手駅から徒歩10分。取手駅へは、上野駅から特別快速で約30分。羽田空港からは約1時間半。大半の格安航空会社(LCC)が発着する成田空港からなら1時間強と、アクセスには優れている。


◆九州勢出場予定(表)

<監督>
吉岡啓史(福岡)

<監督補助>
西島聡一(熊本) 吉川裕二(大分)

<スプリント>
中川誠一郎(熊本) 井上昌己(長崎) 荒井崇博(佐賀) 楠木孝志郎(熊本)

<ケイリン>
坂本亮馬(福岡) 園田 匠(福岡) 合志正臣(熊本) 小野俊之(大分) 松岡貴久(熊本)

<1キロTT>
下沖功児(宮崎) 森山智徳(熊本)

<4キロ個人追抜>
北津留翼(福岡)

<4キロ団体追抜>
大分チーム
 =加藤大輔 安東宏高 小岩大介 鈴木栄吉

<エリミネーション>
好永 晃(佐賀) 野田源一(福岡) 安東英博(大分)

<チームスプリント>
福岡チーム
 =宮本龍一 永田隼一 小川勇介

※2日現在


=2014/05/06付 西日本スポーツ=

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