素根が高校生24年ぶり連覇 朝比奈を初撃破 全日本選抜体重別柔道

女子78キロ超級で優勝し、笑顔の素根
女子78キロ超級で優勝し、笑顔の素根
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決勝で朝比奈(上)を激しく攻める素根
決勝で朝比奈(上)を激しく攻める素根
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試合を終え感極まった様子で朝比奈と握手する素根(右)
試合を終え感極まった様子で朝比奈と握手する素根(右)
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 17歳がまた新たな歴史をつくった。柔道の世界選手権(9月・バクー)代表最終選考会を兼ねた全日本選抜体重別選手権第1日は7日、福岡市の福岡国際センターで男女計7階級を行い、女子78キロ超級で素根輝(福岡・南筑高3年)が昨年の世界選手権2位の朝比奈沙羅(パーク24)を決勝で破り、2連覇を果たした。高校生の連覇は男女別開催だった1993、94年に当時の女子72キロ超級を制した阿武教子(福岡・柳川高)以来24年ぶり。同78キロ級は高山莉加(三井住友海上、宮崎県都城市出身)が昨年の世界選手権2位の梅木真美(ALSOK、大分県九重町出身)ら実力者を次々と倒して初優勝。同63キロ級は能智亜衣美(了徳寺学園職、福岡県行橋市出身)が2年ぶり2度目の頂点に立ち、同70キロ級は大野陽子(コマツ)が初めて制した。最終日の8日は残る男女計7階級を実施する。

■激闘11分56秒

 一瞬の静寂の中、主審から勝利を告げられると一気に涙があふれ出た。11分56秒の激闘となった決勝で朝比奈に反則勝ちし、通算4度目の対戦で初勝利。「(朝比奈に)ずっと勝っていなかったので…」。素根は高校生として24年ぶりの連覇より、強大な壁を打ち破ったことに感極まった。

 昨年末のグランドスラム(GS)東京大会決勝では身長で12センチ、体重で20キロ以上も上回る相手の圧力に屈して反則負けを喫した。今回も延長突入後の5分半すぎで指導二つが先行。それでも心は折れなかった。

 「朝比奈さんに勝たないと世界選手権に出られないと思い、強い気持ちで攻めた」。時間の経過とともに動きが鈍った朝比奈と対照的に、大内刈りや袖釣り込み腰を中心に攻め続け、相手の体勢を崩していく。スタミナが切れた朝比奈に立て続けに指導三つが出た。

■“奇襲”右組み

 学校と自宅で重ねる練習量に裏打ちされたスタミナだけが勝因ではない。3月下旬に左足を痛めたが「上半身は動く」と組み手を研究。「朝比奈さんは上から圧力をかけて私の左の釣り手を落としてくる。釣り手が落ちないように練習してきた」。さらに奇襲の策として本来の左組みとは逆の右組みからの技も2月のGSパリ大会後から練習。決勝で右の小内巻き込みを仕掛け、相手を慌てさせた。「練習はしていたけど、あの場面で使うのはすごい」と南筑高の松尾浩一監督は強心臓ぶりに目を細め、日本女子の増地克之監督は「GS東京で敗れた課題を自ら克服し、粘り強く闘った」と成長を認めた。

 22日の全日本女子選手権も制すれば、初の個人戦での世界選手権がはっきり見えてくる。素根は「朝比奈さんとの差は少しは近づいたかな。次も直接破って優勝したい」と力を込めた。8日の女子52キロ級に登場する親友で同じ17歳の阿部詩(兵庫・夙川学院高)と誓い合った世界の大舞台出場を果たすため、もう一度宿敵に挑む。 (末継智章)

■朝比奈「新しい技術を身につけるチャンスもらった」

 朝比奈は素根の勢いに押された。延長に入ると積極的に技をかけてくる相手に防戦一方となり、指導三つを受けて反則負け。「自分は組んだら強いが、組ませてもらえなかった。自分の柔道を振り返って新しい技術を身につけるチャンスをもらった」と結果を受けとめた。今月にパーク24所属となってから臨んだ初の大会で悔しさを味わい「昨年の世界選手権で敗れてからは、世界で金を取ることを考えてやってきた。最後は東京五輪で金を取って笑えるようにしっかりやるだけ」とさらなる成長を誓った。

=2018/04/08付 西日本スポーツ=

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