国士舘 笑顔なき勝利 大将・山田 苦境救う 故斉藤氏に高校3冠を

【男子決勝・国士舘‐大成】山田(国士舘・上)は神鳥(大成)から横四方固めで一本を奪う
【男子決勝・国士舘‐大成】山田(国士舘・上)は神鳥(大成)から横四方固めで一本を奪う
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 勝っても笑顔はなかった。4年ぶりの頂点に立った決勝の直後、国士舘の岩渕公一監督は選手たちを集めて叱り飛ばした。「今日の勝ちを反省したい」と全国総体へと気持ちを引き締めた。

 同じ抜き勝負の3月の全国選手権は副将と大将が闘わずして優勝。金鷲旗も「圧倒して勝つ」がテーマだった。ところが決勝は副将戦まで全て引き分けで大将同士の闘いへ。思わぬ苦戦を強いられたが、国士舘にはどんな状況にも逃げない大将がいた。「大将戦になれば勝てると思っていた」と岩渕監督が明かせば、山田は「勝てると思っていた」と平然と言ってのけた。

 まず足技で有効を奪った。次は大外刈りをかわされたところを支え釣り込み足で倒し、そのまま横四方固めで抑え込んで一本勝ち。「試合で緊張はしない。試合のつもりで、いつも練習をしていますから」と胸を張った。

 勝たねばならない理由があった。1月、同校OBで全日本柔道連盟の強化委員長だった斉藤仁氏が54歳で亡くなった。どんな困難な状況にも立ち向かい、ロサンゼルス、ソウル両五輪で金メダルを獲得した斉藤氏。「おまえたちが遺志を継げ」。岩渕監督は部員に斉藤氏がけがを負いながらも優勝した1988年の全日本選手権決勝の映像を見せた。「苦しいところで斉藤先生の顔が浮かび、力を出し切らないといけないと思った」。副将の竹村昂大(3年)は振り返った。

 斉藤氏が高校時代には届かなかった大旗を手にし、高校3冠に挑む。ここ2年、金鷲旗の覇者は最後の全国総体で不覚を取っている。「研究されても勝てるようにならないと」と山田。教訓を生かし、今度こそ圧倒して勝つ。

=2015/07/25付 西日本新聞朝刊=

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