恩師の父にささぐ白星 福岡工大城東男子3回戦進出 園田監督、教え胸に

5人抜きした福岡工大城東の先鋒・榎本(手前左)をねぎらう園田義大監督
5人抜きした福岡工大城東の先鋒・榎本(手前左)をねぎらう園田義大監督
写真を見る

 福岡工大城東の男子が初戦の2回戦を突破すると、園田義大(よしひろ)監督(38)は視線を天へ向けた。「父と同じように金鷲旗には強い気持ちで臨んでいる。一つでも多く勝ちたい」。今年1月に72歳で亡くなった恩師でもある父の義男さんに勝利をささげた。

 義男さんは、1976年モントリオール五輪金メダルの弟、勇さん(71)と猛稽古を重ね、福岡電波(現福岡工大城東)で63年の金鷲旗優勝。69年の世界選手権では兄弟で金メダルを獲得した。引退後は母校の教員になり、監督、部長として柔道部を指導。校長も務めた。五輪で活躍した谷亮子さんや日下部基栄さんの後輩、長男の義大監督も教え子の一人だ。

 父の下でコーチを務め、監督になって4年目。前日にしのぶ会を開いて激励してくれた勇さんらOBの応援を背に、先鋒の榎本陽人(3年)が箕面学園(大阪)に5人抜き。「城東の持ち味の攻撃柔道を示せた。義男先生、義大先生への恩返しを、みんなで誓っている」。汗を拭う榎本と握手をした義大監督は「父のためというより、子どもたちに努力をして勝つ喜びを味わわせたい」。息子の顔は封印して選手たちを見つめた。

 96、2000、01、04年と優勝4度の女子が広島皆実との3回戦で敗退した後にできた男子の歓喜の輪。勇さんもうなずいた。「窓を閉め、熱いしちりんを置いた道場で兄貴と稽古をして金鷲旗に挑んだ高校時代を思い出す。厳しく自分を追い込み、成長してほしい」。おいっ子監督と後輩たちにエールを送った。

 23日の3回戦はシード校の作陽(岡山)と対戦する。「柔道は人間教育。(己に)克(か)って勝つ」-。義男さんの教えを胸に刻む義大監督は「強い相手にも気持ちで負けずに、自分の柔道を貫く。それが己に克つということだから」。父と子の挑戦は続く。

=2018/07/23付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

ホークス下剋上日本一!西スポ2018アーカイブス

西日本新聞のイチオシ [PR]