【連載】起こせ!林工旋風 ’08夏の甲子園<中>2枚看板 継投支える堅い守備

0731hita.jpg 日田林工は大分大会全試合を末次群-太田尾郁弥の継投で臨み、1試合平均失点は2・2点だった。両投手の好投がひかったようにみえるが、継投は急きょ敷いた布陣だった。

 1年秋からエースだった末次投手はMAX147キロの直球が武器。ところが大会1カ月ほど前から自慢の直球が「ボールが止まった」と言うほどの不振に陥った。

 一方、太田尾投手は5月の県選手権で大分上野丘を2点に抑えて完投。「(公式戦で)結果が出たことで自信がつき、腕が振れるようになった」と急成長した。

 大分大会では、太田尾投手は5試合で17回1/3を投げ、防御率1点台と期待通りに活躍。その陰で末次投手も好調時の自身のビデオを研究、不振の原因が「下半身を使ってない」と分析。決勝では6回2/3を投げ、自慢の直球で8三振を奪うなど本来の投球スタイルを取り戻した。

 「高校野球で継投は難しいと思っていたが見方が変わった。今後につながる」。佐藤監督が舌を巻くほど、2枚看板の台頭は9年ぶりの甲子園で相手チームの脅威となりそうだ。

 ●連日猛ノック
 大分大会でのチーム打率は2割6分3厘、本塁打も5試合でわずか2本。決勝こそ13安打と打線が爆発したが「強打」の印象は薄い。

 そんな少ない得点力をカバーしているのが堅い守備陣だ。秘密は、徹底したノック。4人の指導者が選手をグループ分けし、連日練習時間の半分を占める1時間半をノックに充て、大分大会でも4失策だけとミスを最小限にとどめている。

 梛野(なぎの)啓介遊撃手は、ノック練習で実力をつけ、春からレギュラー入りした。小柄だが、大分大会でもライナーに飛び付き、二死満塁一打逆転のピンチを救うなど好守でチームを支え、そのリズムを攻撃にもつなげた。佐藤監督も「梛野が入って、チームに粘りが出た」と甲子園でもキーマンとして期待している。

 ●信頼が強さに
 現レギュラーの大半を占める3年生は、2年前、1年生大会でいきなりベスト4入り。松尾弘喜主将は、実力者ぞろいのメンバーに「これなら甲子園に行ける」と思ったという。

 一方で、相手に接戦に持ち込まれると競り負け「粘りが足りない」と佐藤監督に言われ続けていた。そんなチームに転機が訪れたのが大分大会1週間前の練習試合。失策や四死球で自滅し、負けた後から3時間にわたる選手だけのミーティングを開いた。

 互いのプレーの欠点を指摘し、思いをぶつけ合った。「(ミーティング以降)チームの信頼が深まり、全員野球で甲子園を目指そうとまとまった」と三浦健太捕手は振り返る。

 日田林工は過去3回の夏の甲子園出場ですべて16強入りを果たした。この夏の夢舞台では8強の壁を打ち破り、頂点に立つ期待が日に日に高まっている。

【写真】投球練習に励む末次投手(右)と太田尾投手

=2008/07/31付 西日本新聞朝刊=

【日田林工(大分)関連記事】

西日本新聞のイチオシ [PR]

ソフトバンクホークス選手の写真販売中!

西日本新聞のイチオシ [PR]