健闘たたえ拍手やまず 長崎日大の夏終わる

2010年08月15日 10:01
佐賀学園の校歌を聞く長崎日大の選手たち
佐賀学園の校歌を聞く長崎日大の選手たち
9回表、最後まで粘ったが、敗戦が決まって肩を落とす長崎日大の応援席
9回表、最後まで粘ったが、敗戦が決まって肩を落とす長崎日大の応援席
 あと1点に泣いた-。夏の甲子園大会に出場している県代表の長崎日大は14日、佐賀学園に2-3で惜敗した。初回に2点を先制したが、二回に逆転を許す展開。1点差のまま、得点圏に走者を進めながらも、あと一打が出なかった。逆転を信じ、声援を送り続けたアルプス席。「よくやった」「胸を張って帰ろう」。ゲームセットを告げるサイレンが響く中、甲子園の土でユニホームを真っ黒にしたナインの頑張りをねぎらう拍手が起こった。

 ■初回に先制点

 一回表、1番島袋翔輝三塁手が四球で出塁し、2番比嘉明大遊撃手が中前打で続く。佐賀県勢は2007年大会の準決勝で敗れた因縁の相手。応援団の前間勇人副団長は「絶対勝ってほしい」と力を込めた。熱の入ったスタンドの応援に後押しされ、4番山下賢悟捕手はライト前ヒットを放ち、2走者がホームイン。2点を先制した。山下捕手の父隆治さん(48)は「いい流れをつくる当たりでした。感無量です」と早くも目を真っ赤にした。

 しかし、先発の中村惣平投手が立ち上がりで佐賀学園打線に捕まる。相手2、4番に二塁打を打たれ、1点を返された。さらに、二回裏はエラーでピンチが広がり、相手1、2番の連続適時打で逆転される。静まり返るスタンドに、野球部の梁瀬光太郎君が「取り返せばいいよ!」と叫ぶと、再び声が上がり始めた。

 ■互角の投手戦

 三回以降は手に汗握る投手戦に。中村投手は四回以降、無安打に抑え、16人連続でアウトを取る完ぺきなピッチング。一、四回と2安打を放った5番平田大二郎一塁手の父敬輔さん(46)は「中村投手は良くなってきている。何とか同点に追いついてほしい」と手を組み、祈るような視線。

 あとは打線の反撃を待つばかり。野球部の大坪世治副主将は「落ち着いていつも通りの野球をすればチャンスは必ず来る」と自分に言い聞かせた。四、五、六回と毎回走者が二塁に進み、スタンドの期待も高まるが、ホームが遠い。

 野球部OBの野下茂雄さん(27)は「九回まで何があるか分からない。粘り強さが日大の伝統」と逆転を信じて疑わなかった。

 ■最後に得点機

 最終回、7番山崎剛志右翼手が安打で出塁し、バントなどで進塁して2死三塁。1番島袋三塁手が打席に立つと、「一打同点」の場面にスタンドの興奮も最高潮に。

 スタンドの思いが詰まった島袋選手の打球は、ショートへ。一塁ベースへの懸命のヘッドスライディングは届かず、無念の「アウト」。雪辱は果たせなかった。スタンドに駆け寄るナインに、野球部の西山侑我君(3年)は「最後までよくやった。ありがとう」と涙を流して声を振り絞った。選手たちの夏は終わったが、健闘をたたえたスタンドの拍手は鳴りやまなかった。

=2010/08/15付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

ホークス下剋上日本一!西スポ2018アーカイブス

西日本新聞のイチオシ [PR]