大分工 悲願に一歩届かず 初戦でサヨナラ負け 応援席、惜しみない拍手

2010年08月12日 09:58
9回表、大分工の勝利を信じて声援を送る三塁側アルプススタンド
9回表、大分工の勝利を信じて声援を送る三塁側アルプススタンド
 互いに譲らぬ接戦。悲願の初勝利にあと一歩届かなかった-。夏の甲子園大会で県代表の大分工は11日、延岡学園(宮崎)に延長十回4-5で敗れた。初回に先制後、追いすがる隣県代表を2度突き放したが、今大会初の延長戦の末、無念のサヨナラ負け。17年ぶり3回目出場の大分工に、初戦突破の壁は厚かった。しかし、ユニホームを甲子園の土で真っ黒にして躍動するナインの頑張りに、応援席からは、大きな拍手と歓声が送られた。

 好機はいきなり来た。一回表、2死後の連続安打で一、二塁に。5番渡辺脩平一塁手の適時打で先制した。父辰己さん(46)は「まだまだ初回。気を引き締めていかないと」。バス約25台を連ねて甲子園入りした約千人の大応援団からは「この調子」「乗っていこう」と声援が飛んだ。

延長戦で延岡学園に惜敗し、甲子園球場を去る大分工の選手たち
延長戦で延岡学園に惜敗し、甲子園球場を去る大分工の選手たち
 その裏、エース田中太一投手は相手3番に安打を許すが、後続をピシャリ。父豊さん(43)は「普段通りの落ち着いたピッチング。いい立ち上がりでは」とひと安心の表情を見せた。

 二回表には、二塁打の8番田中投手が、下川哲司左翼手の中前打で生還。2点リードに、卒業生で横浜市在住の鷲見元吾さん(69)は「このまま勝ってくれるでしょう」。下川選手の父寿雄さん(42)は「いい流れができた。次もしっかり」と力を込めた。

■本塁へ好返球

 三回裏、安打に足を絡めた相手の攻撃で、田中投手が失点。スタンドからは「あー」とため息が漏れる。生徒会長の山口凌さん(3年)は「まだまだ大丈夫。田中投手が抑えてくれると信じています」と願った。

 だが、3-2で迎えた六回裏にも1点を奪われ同点、さらに逆転の走者も本塁を突いたが、西谷直樹中堅手の好返球で逆転を阻止した。応援団からは「直樹」コールが沸き上がった。今春卒業した井上大輔さん(18)は「いいプレーをしてくれた。頼もしい後輩だ」と興奮気味に話した。

 七回表、4番平野航史右翼手がセンター頭上を越える二塁打。三塁に進塁後、スクイズを外されるが、相手捕手の送球が平野選手に当たり、ホームイン。勝ち越しに成功した。母明子さん(42)は「緊張が続く試合。これで吹っ切って」と声をからした。

■延長戦へ突入

 粘る延岡学園は七回裏に再び追い付き、延長戦へ。十回表の攻撃が三者凡退で終わり、嫌なムードが漂う。その裏、1死一、三塁の大ピンチ。最後は、スクイズを外した田中投手の投球が大きく外れ、バックネットの方向へ。相手走者がホームを踏みゲームセット。ぼうぜんと立ち尽くす大分工ナイン。応援席も何が起こったのか分からず、静まり返る。

 試合後、ナインがアルプス席前に整列して一礼すると、応援団からは「胸を張れ」と大きな声が上がった。

=2010/08/12付 西日本新聞朝刊=

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