東筑の応援団長、感涙 蔵元さん、スタンドを一つに

渾身の演舞で選手たちにエールを届ける東筑応援団長の蔵元理彩さん
渾身の演舞で選手たちにエールを届ける東筑応援団長の蔵元理彩さん
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4回表、5番盛田選手の本塁打に歓喜する東筑スタンド
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5回表、6番菊池選手の適時打で1得点し「このまま勝つぞ」と盛り上がるスタンド
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 8日開幕した第99回全国高校野球選手権大会で、21年ぶりに夏の甲子園に出場した東筑は、初戦で惜しくも敗れた。しかし、在校生や関東、関西在住の同窓生らで埋め尽くされたアルプススタンドからは、相手に負けない大きな声援が続いた。雨でずぶぬれになり、強い日差しにさらされながらも、最後まで「東筑の夏」に浸った。戦ったのは選手だけではない。声を振り絞ってエールを送った応援団、演奏を続けた吹奏楽部、背番号がない控え選手たちも、同窓生も、気持ちはみな一つだった。

 えんじ色に染まる東筑の応援席。同校応援部の蔵元理彩(りさ)団長(3年)は、152・8センチの小柄な体を精いっぱい動かしてスタンドの心を一つにした。「この場で引退できて本当に幸せ。甲子園に連れてきてくれてありがとう」。初戦で惜しくも敗退したが、選手たちの大舞台での輝きに感激の涙を浮かべた。

 「かっ飛ばせ!東筑」「頑張った選手に拍手をお願いします」。外野手の好プレーにも好機にも、笑顔を見せることはほとんどない。「指揮する自分は、興奮したり焦ったりしちゃいけない」。白球の行方を目で追い、活躍した選手の名をいち早く部員に伝えてコールを呼び掛けた。

 東筑野球部OBの父に連れられ、幼い頃から同校の野球の試合を何度も観戦した。選手のために汗を流し、声を張り上げる学ラン姿の応援部員たちに心を奪われた。「選手たちがきついとき、見るだけで安心できるようなスタンドをつくりたい」。そんな夢を抱き、東筑への入学を決めた。

 走り込みや筋力トレーニングといった厳しい練習に、挫折しかけたことも。続けることができたのは、選手たちが試合後、スタンドに駆け寄り見せてくれる笑顔があったからだ。

 試合終了を告げるサイレンが球場に鳴り響き、スタンドに向かって一列に並ぶ選手たち。悔しさがにじむ表情もあった。それでも「最後まで感動しかなかった。一生の思い出をもらった」と蔵元さん。大舞台で戦い抜いた選手一人一人を見詰め、深々と一礼した。

=2017/08/09付 西日本新聞朝刊=

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