神村学園の「野球バカ」がサヨナラ原動力 2安打2打点&決勝ホームの田中祐、イヤホンからは応援歌

9回1死二、三塁、神村学園・中里のサヨナラ内野安打で生還した三走・田中祐(右)。捕手北田
9回1死二、三塁、神村学園・中里のサヨナラ内野安打で生還した三走・田中祐(右)。捕手北田
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 【西スポ・甲子園ベンチ裏】

 はじかれたように駆けだした。京都成章との初戦で同点の9回裏、1死二、三塁。神村学園(鹿児島)の三塁走者・田中祐大(3年)は、味方が放った三塁へのゴロで本塁を狙った。返球がヘルメット→首の後ろと当たって転がり、セーフ(記録は内野安打)。歓声の中、その場に倒れ込み、抱え上げられ整列した。左脚がつったという。

 表の守りで、2死からソロを許して追いつかれた直後。先頭で放ったボテボテの内野安打が、サヨナラの足掛かりになった。1点を追う6回、2死から逆転の2点三塁打を放っていたのも田中祐。周囲は「祐大ならやってくれると思ってました」と声をそろえる。

 「いい意味でも悪い意味でも空気を読まないヤツ」と見られているからだ。明らかな笑い話の中の冗談を真に受けて深刻になったり、逆にチームが落ち込んでいるとき、やたらハイテンションだったり。「野球バカ」「常に野球のことしか考えてない」という声も、異口同音に聞かれる。仲間たちの証言から、田中祐の行動が浮かび上がった。

 ・道具を持たずにグラウンドへ出て「エア練習」。本塁打を打つイメージづくりと称して、バットを持たずに打席に入ってからダイヤモンド一周。

 ・携帯音楽プレーヤーで「ジンギスカン」など応援歌ばかり聴いている。

 ・チームで行う清掃の時間、体幹を意識しながら掃除道具を扱っている。

 ・筋トレへの情熱が半端でなく、独自のルートで仕入れたという米国のプロテインを持っている。

 主将の後藤拓真(3年)は「そういうとこを見てると『コイツ大丈夫かな』って感じなんですけど。3年間、寮生活で一緒に過ごしてきて、本当に助けられましたし、雰囲気をアゲ(盛り上げ)てくれてます」と信頼を語った。「凡事徹底」を標語とし、甲子園練習で全員での座禅を披露したチームに、好キャラクターがアクセントを与えているようだ。

 中堅手の後藤が主将ということもあり、二塁手の田中祐は「内野キャプテン」を担っている。続く3回戦は明豊(大分)との九州対決。京都成章戦で無失策だった守備力がチームの土台だ。「守備からリズムをつくる自分たちの野球をやって必死に勝ちたい」と、田中祐はハキハキ話した。

=2017/08/15 西日本スポーツ=

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