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【西スポ・ベンチ裏】親から子へ、子から親へ 惜敗の波佐見で3安打の村川大

7回1死一塁、バント安打を成功させる波佐見・村川大
7回1死一塁、バント安打を成功させる波佐見・村川大
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 波佐見(長崎)の1番村川大介(3年)は好機をうかがっていた。彦根東(滋賀)との開幕戦、1点を追う7回1死一塁。50メートル走6秒を切る俊足を生かし、送りバントでも普段から「自分も生きよう」と試みる。「サードも前に出てたので」と、一塁手前へドラッグバント。二塁手がカバーに入りきれないうち一塁を駆け抜けた。このバント安打で一時逆転を呼び込むなど、両チーム唯一の3安打だ。

 3回に右翼線へ適時二塁打。直後、浜風で戻されて浅くなった右邪飛に、ややためらった二塁からのタッチアップは失敗したが、切り替えて6回は右中間寄りに落ちた当たりで二塁を陥れた。試合は1点差の9回裏に逆転サヨナラ負け。「自分だけ良くても意味がない。チームに流れを持ってきたかった」と悔しがったものの、四球も合わせ5打席4出塁の働きだった。

 6回の二塁打は5番の浜田倫主将(3年)の適時打につながった。村川大は「チームのために全力を尽くして、まとめ、引っ張ってくれる」と主将を見上げる。3回の失策で逆転3ランを招いてしまった浜田は、直後の4回に左翼線二塁打。この時、勢いを付けた二塁へのスライディングがベースの1メートル手前で止まってしまい、慌てて二塁を踏んでいた。「見てました。気付いてないやつもいたけど…」。村川大は笑いをかみ殺しながらも、気迫を受け止めていた。

 涙を拭った村川大は「父が…東京で全国大会があるんで。頑張ってほしい」とも話した。伝統工芸品、波佐見焼の材料の製造販売に携わる父和法さん(55)は、地元の少年野球チーム監督。前夜から車で約10時間かけて駆けつけていたが、長崎県代表として臨む小学生の軟式大会マクドナルド・トーナメントに備えて9日に東京入りするため、試合観戦後に一度長崎に戻る強行軍だった。

 大会前、親子の間に特別な会話はなかったという。和法さんは「慌てんでせろ(慌てずにやれ)、ぐらい言うとけば…」と頭をかきながらも「無言のうちに、です。私も負けたくないし、向こう(村川大)も負けたくないでしょうし」と頼もしげに見守っていた。

 小学6年時には監督の父の下で、また中学3年時も軟式で全国制覇を経験した村川大。高校での日本一はならなかったが、まだ道は続く。「自信になったところもありました。大学へ行っても堂々とプレーしたい」と視線を上げていた。

=2017/08/09 西日本スポーツ=

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