明豊諦めず全力プレー 強豪相手「よくやった」

仙台育英に敗れ、グラウンドを後にする明豊の選手たち=9日午後、甲子園球場
仙台育英に敗れ、グラウンドを後にする明豊の選手たち=9日午後、甲子園球場
写真を見る

 強豪の厚い壁に最後まで食らいついた。第97回全国高校野球選手権大会で、県代表の明豊は9日、優勝候補の仙台育英(宮城)と対戦し、1-12で敗れた。「ありがとう」「良かったぞ」。逆転を信じて声をからしたアルプス席からは、諦めずに全力を尽くした選手たちに、感謝やねぎらいの言葉が相次いだ。

 ◆打たれたエース

 いきなりの猛攻だった。一回表、県大会5試合を完投したエース前田剛投手(3年)が立ち上がりを狙われ、2点本塁打を含む5失点。追う展開になったが、前田投手の母美穂さん(46)は「まだまだこれから。みんなを信じて投げて」とエールを送った。

 攻め手を緩めない相手。三回には5本の長短打で3点を奪われた。それでも前田投手は懸命の投球。県大会でベンチ入りした高瀬凌選手(17)は「0点で抑えて、流れを呼び込んで」と声をからした。

 ◆反撃の「のろし」

 反撃は四回裏。工藤俊哉選手(3年)が待望のチーム初安打を放つ。後は続かなかったが、父豊さん(43)は「この状況で安打が出てチームも楽になるはず」と期待した。

 五回終了後のグラウンド整備時には、応援団が応援歌を歌って選手たちを鼓舞した。だが、六回表、相手にこの日9本目となる二塁打を許し、前田投手は交代。昨夏の県大会で4番を務めた明豊OBの難波勇斗さん(19)は「完投を目指していたので一番悔しがっているはずだ。打線は奮起してほしい」。

 ◆執念の代打攻勢

 10点を追う七回裏、明豊は相次いで代打を送り、攻勢に打って出た。相手投手のボークなどから2死二塁の好機をつくり、打席には黒岩大成選手(3年)。「1本打て!」。大歓声を受けた黒岩選手の打球は中前打となり、二塁走者が生還。アルプス席がどっと沸いた。「すごいヒット。明豊には思いを託している。何とか逆転して」と、県大会準決勝で明豊に敗れた柳ケ浦の森本幹大さん(17)は興奮。黒岩選手の母留美さん(48)は「今まで頑張った結果が出て良かったね」と目を潤ませた。

 九回裏。相手の2番手投手から3四球を選び、2死満塁まで粘ったが、得点できずにゲームセット。それでも、最後まで明豊らしい粘りを見せた選手たちに惜しみない拍手が送られた。

 山中大輝選手(2年)の父久さん(44)はかつての甲子園球児。「息子が再び甲子園に連れてきてくれてうれしかった。ありがとうと言いたい」と感謝の言葉を口にした。

=2015/08/10付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

ホークス下剋上日本一!西スポ2018アーカイブス

西日本新聞のイチオシ [PR]